
新製品・新技術開発助成事業(東京都)とは?最大2,500万円の助成金を経営者向けに解説
「設備投資を検討しているが、東京都で使える助成金はないだろうか?」
結論からお伝えします。
東京都の「新製品・新技術開発助成事業」は、単なる設備投資の補助金ではありません。
しかし、試作品の研究開発を伴う技術開発であれば、最大2,500万円の助成を受けられる可能性があります。
本記事では、東京都中小企業振興公社が実施する本助成事業の概要、対象者、助成対象経費、申請方法、審査のポイントまでを、都内経営者向けにわかりやすく解説します。
新製品・新技術開発助成事業の概要(令和8年募集)
本助成事業は、都内の中小企業者による新製品・新技術の研究開発を支援する制度です。
基本概要
- 実施主体:東京都中小企業振興公社
- 助成限度額:最大2,500万円
- 助成率:1/2以内
※賃上げ計画を実施した場合は3/4以内(小規模企業は4/5以内) - 助成対象期間:令和8年9月1日~令和10年5月31日(最長1年9か月)
- 受付期間:令和8年3月27日~4月17日17時まで
- 申請方法:電子申請(Jグランツ)
東京都内の中小企業にとって、研究開発支援としては非常に規模の大きい助成金です。
設備投資との違い|量産目的は対象外
本助成事業で多い誤解が「設備投資補助金」との混同です。
対象となるのは、次のような研究開発です。
- 試作品の設計
- 製作
- 試験
- 評価
つまり、製品化・実用化に向けた開発段階への支援です。
一方で、以下は対象外となります。
- 生産・量産用の機械装置導入
- 金型の量産目的導入
- 技術的要素のない事業
- 研究開発がほぼ終了している事業
設備投資を考えている場合でも、それが「試作品開発のための機械装置」であれば対象になり得ます。
重要なのは、目的が研究開発であることです。
助成対象者|東京都内の中小企業者・創業予定の個人
対象者は以下の通りです。
- 都内に本店または支店があり、実質的に事業活動を行っている中小企業者
- 東京都内で創業を具体的に計画している個人
単なる登記上の所在地ではなく、実質的な活動実態が必要です。
助成対象経費|人件費も対象になるのが強み
助成対象となる経費は幅広く設定されています。
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具・器具費
- 委託・外注費
- 産業財産権の出願・導入費
- 専門家指導費
- 直接人件費
特に注目すべきは直接人件費が対象になる点です。
研究開発に従事する社員の人件費を計上できるため、実質的な開発負担を軽減できます。
また、賃上げ計画を策定し実施すれば、助成率が引上げられる仕組みもあります。
研究開発と人材投資を同時に進める戦略も可能です。
研究開発の定義|ハードウェア・ソフトウェアの試作品
本助成事業では、次の2類型が対象です。
① 製品化・実用化のための研究開発
ハードウェアやソフトウェアの試作品を開発し、市場投入を目指すもの。
② 新たなサービス創出のための研究開発
サービス提供を実現するためのシステムや技術開発。
既製品の模倣や、特定顧客向けで汎用性のない事業は対象外となります。
申請方法|Jグランツによる電子申請
申請は電子申請システム「Jグランツ」のみで受付されます。
申請の流れ
- GビズIDプライムのアカウント取得
- 申請書類作成
- Jグランツで提出
受付期間を過ぎると申請はできません。
GビズIDの取得には時間がかかるため、早期準備が必要です。
審査のポイント|採択の分かれ目
審査では以下が重視されます。
- 技術の独自性
- 実用化可能性
- 市場性
- 具体的な計画
- 実施体制
さらに重要なのは、設定した達成目標を期間内に完了できるかどうかです。
目標未達の場合、事業完了と認められず、助成金が交付されない可能性もあります。
経営者としては、技術的挑戦と実現可能性のバランスを慎重に設計する必要があります。
こんな企業に向いている
- 東京都内で新製品を開発したい中小企業
- 技術開発を本格化させたい企業
- 人件費を含めて助成を活用したい企業
- 創業予定で具体的な開発計画がある個人
「設備投資をしたい」という発想から一歩進み、
「将来の主力製品を生み出す研究開発」として位置付けられるなら、本助成事業は強力な支援制度になります。
まとめ|東京都の研究開発支援を戦略的に活用する
新製品・新技術開発助成事業は、東京都内の中小企業者にとって大きなチャンスです。
最大2,500万円という規模は、事業の方向性を変えるだけのインパクトがあります。
成功のポイントは3つです。
- 設備投資ではなく研究開発目的であること
- 実用化までの具体的な計画を示すこと
- 達成可能な目標を設定すること
令和8年の受付期間は3月27日から4月17日17時まで。
準備は早ければ早いほど有利です。
東京都の支援制度を戦略的に活用し、新製品・新技術の開発を加速させましょう。



