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コラム

美容室の事業計画書の書き方|融資成功のポイント

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美容室の創業融資はどこから受けるのが基本か

創業時の資金調達でまず候補になるのが、日本政策金融公庫の創業向け融資です。2024年3月に従来の「新創業融資制度」は廃止され、2024年4月以降は「新規開業・スタートアップ支援資金」へ引き継がれる形になりました。創業期の実績が少ない段階でも相談しやすいのが特長です。あわせて、自治体と金融機関・信用保証協会による「制度融資」も選択肢になります。いずれも、審査の中心になるのが事業計画書です。

事業計画書(創業計画書)で見られる5つのポイント

美容室の創業計画書で、金融機関がとくに重視するのは次の5点です。

1. 経歴・開業動機

美容師としての実務経験や指名客の有無、スタッフ管理の経験などは、事業の実現性を支える重要な要素です。「なぜこの場所で、いま開業するのか」という動機に一貫性があると、計画全体の説得力が増します。

2. 店舗コンセプトとターゲット

誰に・どんな価値を・いくらで提供するのかを明確にします。客単価の設定(カット中心か、カラー・トリートメントなど高単価メニューを持つか)は、後の売上計画に直結します。近隣の競合との違いも一言添えると、計画が具体的になります。

3. 売上の根拠

もっとも差がつくのがここです。希望的な数字ではなく、計算式で示すことが重要です(詳しくは後述します)。

4. 必要資金と調達方法

内装工事費、シャンプー台・セット面などの設備、運転資金を「設備資金」と「運転資金」に分けて積み上げます。その総額を、自己資金と借入でどう賄うかを示します。見積書を添えると信頼性が高まります。

5. 収支計画と返済計画

開業後の月々の売上・経費・利益を見通し、そこから無理なく返済できることを示します。家賃・人件費・材料費など固定費の置き方が現実的かどうかが見られます。

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弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫法人営業の小峰を中心とした専門家チームが、幅広い融資を含む資金調達支援・起業支援・経営支援を行っております。「何から始めればいいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

V-Spiritsでは年間1,000件以上の融資などの資金調達支援や起業・経営支援を行っております。専門チームが伴走支援を行います。

美容室ならではの「売上根拠」の書き方

売上計画は「月◯◯万円を見込む」と書くだけでは不十分です。美容室の場合、次のような計算式で組み立てると、再現性のある数字として伝わります。

客単価 × セット面(スタイリングチェア)の数 × 1日の回転数 × 営業日数

たとえば「客単価7,000円 × セット面2席 × 1日5回転 × 月25日営業」なら、月商の目安が見えてきます。ここで大切なのは、回転数や客単価を強気に置きすぎないことです。開業直後は予約が埋まりきらないのが普通なので、初月から数カ月は控えめに見積もり、徐々に伸ばす計画にすると、金融機関に「現実を分かっている」と受け取られます。指名客が見込める場合は、その人数を根拠として添えると説得力が増します。

自己資金の「見せ方」

前述のとおり、2024年の制度見直しで自己資金の要件そのものは撤廃されました。ただし実務上は、創業資金総額の3分の1程度(おおむね2〜3割)の自己資金があると、審査では有利に働きやすいとされています。重要なのは金額だけでなく中身です。

  • コツコツ貯めた履歴があるか:通帳に毎月積み立ててきた記録があると、計画性と本気度が伝わります
  • 出どころが説明できるか:直前に一時的に借りて見せ金にした資金は、かえって評価を下げます
  • 使い道と整合しているか:自己資金と借入の配分が、必要資金の積み上げと矛盾しないこと

「自己資金が少ないから融資は無理」と決めつける必要はありませんが、自己資金が手厚いほど計画に余裕が生まれるのは事実です。

美容室の事業計画書でよくある失敗

  • 売上を強気に見積もりすぎる:開業初月から満席前提の計画は、返済の現実味を疑われます
  • 運転資金を計上し忘れる:内装・設備にお金を使い切り、開業後の家賃・材料費・生活費が足りなくなる
  • 競合・立地の分析が薄い:「近くに美容室が多い」立地で、どう差別化するかが書かれていない
  • 数字に根拠がない:計算式や見積書がなく、希望的観測に見える

よくある質問(FAQ)

Q. 自己資金がなくても美容室の創業融資は受けられますか?

A. 自己資金の要件は撤廃されているため、ゼロでも申し込み自体は可能です。ただし実務上は3分の1程度の自己資金があると有利とされ、貯めてきた履歴も評価されます。必ず借りられると断言できるものではないため、計画書の完成度を高めることが大切です。

Q. 一人で開業する小さなサロンでも事業計画書は必要ですか?

A. 必要です。規模が小さくても、売上根拠・必要資金・返済計画を示す点は変わりません。一人サロンはセット面が少ないぶん、客単価や回転数の置き方がより重要になります。

Q. 補助金と融資は一緒に使えますか?

A. 併用できる場合があります。ただし補助金は原則後払いのため、開業時の資金は融資で確保し、補助金は後から補う形が現実的です。資金繰りの順序を計画書に織り込むと安心です。

まとめ

美容室の創業融資を通すカギは、事業計画書で「返済できる根拠」を具体的に示すことです。経歴・コンセプト・売上根拠・必要資金・収支計画の5点を押さえ、とくに売上は「客単価×セット面×回転数×営業日数」の計算式で、控えめかつ現実的に組み立てましょう。自己資金は要件こそ撤廃されましたが、貯蓄履歴を含めて見せ方が重要です。書き方に迷ったら、融資審査の実情に詳しい専門家に早めに相談することで、採択に近づく計画書に仕上げられます。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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