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コラム

脱サラしてフランチャイズで独立する前に考えるべきこと

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脱サラしてフランチャイズで独立する前に考えるべきこと

「このまま会社員を続けるのが嫌になった」「自分の力で稼いでみたい」「定年まで会社にいる人生がイメージできない」。

こうした想いから、脱サラしてフランチャイズで独立を考える人は少なくありません。

ただ、会社員から独立するというのは、収入の安定、社会保険、福利厚生、上司・同僚という支え、これら全てを手放して、自分一人で事業を回す立場に変わることを意味します。

フランチャイズは本部のサポートがあるとはいえ、「会社員時代と同じ感覚」では確実に痛い目を見ます。

この記事では、脱サラしてフランチャイズで独立を考えている個人事業主予備軍向けに、独立前に必ず考えておきたいこと、リスク、準備のポイントを整理します。

脱サラとフランチャイズ独立で変わること

会社員と独立後のオーナーでは、生活と仕事の構造がまったく変わります。

  • 収入:固定給 → 売上連動(変動・遅延・ゼロもあり得る)
  • 社会保険:厚生年金・健康保険組合 → 国民年金・国民健康保険(個人事業主の場合)
  • 税金:給与所得控除+年末調整 → 確定申告(事業所得)
  • 休日:会社カレンダー → 自分で決める(最初はほぼなしになりがち)
  • 人間関係:同僚・上司・部下 → ほぼゼロから自分で構築
  • 教育・指導:研修・OJT・先輩から学ぶ → 自分で学ぶ、本部研修
  • 責任:会社が負う → 自分が負う(事故・損害・トラブル含む)
  • 将来:会社が用意 → 自分で設計

「自由になれる」と感じる人もいれば、「想像以上に重い」と感じる人もいます。どちらの感覚も、現実の一部です。

脱サラ+FC独立に向く人・向かない人

向く人の特徴

  • 自分の判断で動きたい欲求が強い
  • 指示待ち型ではなく、能動的に課題を見つけられる
  • 数字・経営の話に抵抗が少ない
  • 体力・気力に自信がある
  • 家族の理解と協力が得られる
  • 5〜10年スパンの事業計画を描ける

向かない人の特徴

  • 安定した固定収入がないと精神的に持たない
  • 指示を受けて動く方が得意で、自分で決めることが苦手
  • 経営の数字・税務に強い苦手意識がある
  • 会社員時代の不満を「とりあえず脱出したい」が動機
  • 家族の合意なく独断で動こうとしている
  • 撤退判断ができない性格

「会社員が嫌だから独立」だけでは動機として弱く、独立後の困難に耐え切れない可能性があります。「独立して何を実現したいか」を言語化することが、最初のステップです。

独立前に必ずやるべきこと

1. 在職中の準備期間を最大限活用する

会社員のうちにできることは想像以上に多いです。

  • 自己資金の積み増し
  • 事業計画の作成
  • 本部の比較・既存オーナーへのヒアリング
  • 関連業界の知識習得
  • 必要な資格の取得
  • 税理士・行政書士などの専門家との関係作り
  • 配偶者・家族との合意形成

独立を決めた日から半年〜1年は、在職中に動ける貴重な期間です。

2. 収支シミュレーションを楽観・現実・悲観の3パターンで作る

「もし半年間収入がなかったら家計はどうなるか」を数字で見ます。家賃、食費、教育費、住宅ローン、保険料、こうした固定支出が、独立後の収入空白期間に耐えられるかを試算します。

悲観シナリオで家計が破綻する計画なら、独立時期の見直しか、自己資金の積み増しが必要です。

3. 社会保険・税金の準備

会社員から個人事業主・法人代表になると、社会保険の仕組みが大きく変わります。

  • 厚生年金 → 国民年金(または法人化して厚生年金維持)
  • 健康保険組合 → 国民健康保険(または任意継続2年)
  • 労働災害保険なし(中小企業オーナーは特別加入可)
  • 雇用保険なし(失業保険なし)

健康診断、生命保険、医療保険など、会社で守られていた領域を自分で設計し直す必要があります。

4. 家族との真剣な話し合い

独立は、配偶者・子ども・親など家族全体に影響します。

  • 収入の変動を家計でどう吸収するか
  • 配偶者の就労状況の見直し
  • 住居や生活水準への影響
  • 万一の廃業時に何が起きるか
  • 心理的サポートをどう得るか

「収入が増えたら家族も喜ぶ」と勝手に決めて動かず、生々しい話を率直に共有することが大切です。

5. 関連業界での経験を積む(可能であれば)

業界未経験のままFC加盟するより、可能なら半年〜1年は関連業界でアルバイト・パート・契約社員として現場経験を積むのが理想です。本部研修だけでは得られない、現場のリアリティが手に入ります。

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脱サラ+FC独立でありがちな失敗パターン

1. 焦って業種・本部を決める

会社を辞める日が決まっていると、その期日までに何かを始めなければと焦り、十分な比較検討をせずに契約してしまうケースです。

2. 「楽そう」「儲かりそう」で業種選択

説明会で示される収益モデルだけで判断し、業界の実態や自分の適性を吟味しないまま加盟するパターンです。

3. 開業資金がギリギリ

退職金を全額初期投資につぎ込み、運転資金や生活費が極端に薄い状態で開業に踏み切るケースです。

4. 家族との合意なしに動く

配偶者の理解を得ないまま退職届を出し、後で大きな家庭問題に発展するパターンです。

5. 撤退基準を決めていない

赤字が続いても「もう少し頑張れば」と引き延ばし、貯金を使い果たして取り返しがつかなくなるケースです。

会社を辞めるタイミングの考え方

「いつ辞めて、いつ独立するか」は重要な意思決定です。

選択肢A:在職中に開業準備を完了し、開業日に合わせて退職

メリット:収入空白期間を最小化できる、在職中の信用情報で融資審査も有利

デメリット:在職中の時間的・心理的負担が大きい

選択肢B:辞めてから準備期間を取る

メリット:準備に集中できる、副業禁止の制約から外れる

デメリット:収入空白期間が長くなる、信用情報で融資審査が不利になる場合あり

選択肢C:副業として小さく始め、軌道に乗ってから退職

メリット:リスクを最小化できる、副業期間で適性を確認できる

デメリット:本業との両立で体力消耗、本格的な独立まで時間がかかる

リスクを抑えたいなら選択肢A・C、決断力で進めたいなら選択肢Bが現実的です。

独立後の生活設計

開業初年度は、おそらく想定どおりにいきません。

  • 最初の3〜6か月:売上はあるが、初期投資の回収はまだ先。生活費はほぼ赤字
  • 6〜12か月:単月黒字化を狙う期間。安定するまで気が抜けない
  • 1〜2年目:累積収支がプラスに転じてくる。次の投資判断も視野に
  • 2〜3年目:投資回収完了、安定期に入る

この間、ライフスタイルが激変します。

  • 睡眠・休日・趣味の時間が削られる
  • 家族との時間が減る
  • 健康管理を自己責任で行う必要
  • 人間関係が事業中心になる
  • 収入の変動に心理的に振り回される

会社員時代の「平日仕事、休日プライベート」というメリハリは、独立後にはほぼ存在しません。

脱サラを成功させるための最後の問い

独立前に、自分自身に問うてみてください。

  • 本部・業種・物件すべてが理想と少しずれていても、続けられるか
  • 最初の1年、月収が想定の半分でも、心が折れずに改善行動を取れるか
  • 配偶者から「やはり会社員に戻ったほうが」と言われたとき、納得して説明できるか
  • 3年後に廃業判断をするとき、自分の人生をどう立て直す予定か
  • 「やっぱり会社員のほうが良かった」と思わない自信があるか

どれかに「自信がない」と答えるなら、まだ準備期間が足りていない可能性があります。「いつ独立するか」より「どんな状態で独立するか」のほうが、ずっと重要です。

よくある質問

Q. 退職金で開業資金を賄うのは正解ですか?

A. 退職金を全額つぎ込むのはリスクが高いです。自己資金として一部、運転資金として一部、万一の生活資金として一部、と分散することをおすすめします。

Q. 配偶者が反対している場合、独立は見送るべきですか?

A. 配偶者の反対には必ず理由があります。その理由(収入の不安定さ、生活水準への影響、家庭責任)に対する具体的な答えを準備できるまでは、強行しない方が長期的に安全です。

Q. 在職中に副業としてフランチャイズを始めるのはありですか?

A. 就業規則で認められていれば、副業から始めて段階的に独立する道は有効です。リスクを抑えながら適性を確認できます。

Q. 脱サラ後に「やっぱり会社員に戻りたい」となる人は多いですか?

A. 業種や個人によりますが、一定数います。フランチャイズの場合、契約期間中の解約には違約金が発生する点も合わせて理解しておく必要があります。

まとめ

脱サラしてフランチャイズで独立することは、会社員時代の収入・福利厚生・人間関係をすべて手放し、自分で事業を回す立場に変わる大きな意思決定です。

独立前の準備として、在職中の時間活用、収支シミュレーション、社会保険の整理、家族との合意形成、業界経験の蓄積、ここまでを丁寧に積み上げることが、後悔しない独立への鍵になります。

「会社員が嫌だから」だけでなく、「独立して何を実現したいか」を言語化し、現実的なリスクと向き合ったうえで判断する。専門家と並走しながら準備を進めるのが、もっとも確実な進め方です。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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