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コラム

創業融資の返済期間は何年か【専門家が解説】

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創業融資の返済期間は何年か【専門家が解説】

創業融資を検討するときに、よく聞かれるのが「返済期間は何年で設定できるのか」という質問です。返済期間は、毎月の返済額や事業の資金繰りに大きく影響します。短すぎると毎月の負担が重くなり、長すぎても利息の総額が膨らみます。

この記事では、創業融資の返済期間の基本、運転資金と設備資金での違い、据置期間の使い方、返済期間を決めるときの考え方を、起業直後の個人事業主や中小企業の経営者向けにわかりやすく解説します。

創業融資の返済期間の基本

創業融資の返済期間は、利用する制度や金融機関、借入の目的によって変わります。多くの場合、資金の使い道(運転資金か設備資金か)によって、上限となる目安が変わります。

具体的な年数は制度ごとに異なるため、最新の情報は申し込み予定の金融機関で確認する必要があります。ここでは、一般的な考え方を整理します。

資金の種類 返済期間の一般的な目安
運転資金 5年〜7年程度を目安に設定されることが多い
設備資金 運転資金より長い期間(10年前後)が選ばれることもある

あくまで一般的な目安であり、実際の年数は金融機関と相談して決めます。事業内容、借入額、返済能力、資金繰りの見通しなどに応じて、現実的な期間を選びます。

運転資金と設備資金で違う返済期間

創業融資では、借りた資金を「運転資金」と「設備資金」のどちらに使うかで、返済期間の考え方が変わります。

運転資金

運転資金は、仕入れ、家賃、人件費、外注費など、日々の事業運営に必要な資金です。売上から比較的早く生み出され、再びすぐに必要になる性質があります。

そのため、長期にわたって返済し続ける性質の資金ではなく、運転資金の返済期間は設備資金より短めに設定されることが多くなります。

設備資金

設備資金は、店舗、機械、車両、システム、内装工事など、長く使う設備に充てる資金です。投資の効果が長期にわたって出る性質があるため、運転資金よりも長めの返済期間が選ばれることが一般的です。

設備資金は耐用年数の長い投資につながるため、毎月の返済額を抑えるためにも、ある程度長い期間で返済計画を組むことが多くなります。

据置期間とは何か

創業融資の返済期間を考えるときに、もう一つ覚えておきたいのが「据置期間」です。据置期間とは、借入後、一定の期間だけ元金の返済を行わず、利息のみを支払う期間のことを指します。

たとえば、創業期は売上が安定するまで時間がかかることが多く、開業直後は手元資金が不足しがちです。据置期間を設けることで、売上が立ち始めるまでの返済負担を軽くできる場合があります。

据置期間のメリット

  • 創業直後の返済負担を軽減できる
  • 売上が安定するまでの資金繰りに余裕が出る
  • 事業計画上、無理のないスタートを切りやすい

据置期間の注意点

  • 据置期間中も利息は発生する
  • 据置期間を長くすると、その後の毎月の返済額が増える
  • 本来の返済期間とのバランスを考える必要がある

据置期間の長さや適用可否は、制度や審査内容によって変わります。希望がある場合は、申し込み時に金融機関へ相談しましょう。

返済期間が長い・短いことのメリット・デメリット

返済期間が長い場合

メリット デメリット
毎月の返済額を抑えられる 支払う利息の総額が増えやすい
資金繰りに余裕を持たせやすい 事業環境の変化に長く付き合うことになる

返済期間が短い場合

メリット デメリット
支払う利息の総額を抑えやすい 毎月の返済額が大きくなる
早く借入を完済できる 売上が安定する前に返済が重く感じやすい

どちらが正しいというわけではなく、事業の状況や資金繰りに応じて選びます。創業直後で売上の見通しに不確実性が残る場合は、毎月の返済負担を抑えられる長めの設定を選ぶケースもあります。

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返済期間を決めるときの考え方

創業融資の返済期間は、借入額や事業内容だけでなく、事業計画書や資金繰り表と一緒に整理することが大切です。

毎月の返済額が事業に無理なく収まるか

毎月の返済額が事業の利益や手元資金に対して大きすぎると、いずれ資金繰りが苦しくなります。売上が想定通りいかなかった場合でも続けられる金額か、シミュレーションして確認しましょう。

事業の収益化までの期間と合わせる

創業直後は、すぐに売上が安定するとは限りません。事業が黒字化するまでの期間に対して、返済期間や据置期間が短すぎると、資金繰りが厳しくなる可能性があります。

長期の事業計画とつながっているか

返済期間は、単に「何年で返すか」だけでなく、長期の事業計画とつながっている必要があります。設備投資の効果が出るまでの期間、商品やサービスの育成にかかる期間、追加投資の必要性などを踏まえて決めましょう。

月々の返済額の計算イメージ

返済期間と借入額が決まると、毎月の返済額のおおよそのイメージがつかめます。簡単な目安として、利息を考慮しない単純計算でも、月々の元金返済負担は次のようになります。

借入額 返済期間5年 返済期間7年 返済期間10年
500万円 月8.3万円程度 月6.0万円程度 月4.2万円程度
1,000万円 月16.7万円程度 月11.9万円程度 月8.3万円程度
1,500万円 月25.0万円程度 月17.9万円程度 月12.5万円程度

上記は元金のみの単純計算で、実際には利息が加わります。それでも、返済期間によって毎月の負担感がどの程度変わるかは、おおまかにイメージできるでしょう。

実際には金融機関ごとに返済方法(元利均等返済・元金均等返済など)や金利が異なるため、正確な金額は申し込み先で確認しましょう。

FAQ

Q1. 返済期間は途中で変更できますか?

原則として、契約時に決めた返済期間が基本です。ただし、事業が苦しくなった場合に、金融機関へ相談して返済条件を見直す(リスケジュール)こともあります。条件変更には審査があり、必ず希望どおりになるとは限りません。

Q2. 早く返したいとき、繰上返済はできますか?

多くの金融機関で繰上返済は可能です。早めに返済すれば、その分の利息負担を減らせる可能性があります。ただし、手数料の有無や繰上返済の方法は金融機関ごとに異なるため、契約前に確認しておきましょう。

Q3. 据置期間中は利息も払わなくていいですか?

据置期間中も利息は発生し、毎月支払う必要があります。「元金の返済」が一定期間止まるだけで、「利息の支払い」は止まらない点に注意しましょう。

まとめ|返済期間は事業計画と一緒に考える

創業融資の返済期間は、運転資金か設備資金か、事業の収益化までの期間、毎月の返済負担に耐えられる水準かを踏まえて決めます。据置期間を活用することで、創業直後の負担を軽くできる場合もあります。

大切なのは、無理のない返済計画を、事業計画書や資金繰り表とセットで整理することです。返済期間を長くすれば毎月の負担は減りますが、利息は増えます。短くすれば利息は減りますが、毎月の負担は重くなります。

難しい場合は、創業融資に詳しい支援機関や専門家に相談しながら、自社の状況に合った返済計画を整えていきましょう。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人

中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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