
今さら聞けない5W3Hとは?起業準備にも役立つ基本フレームワークをやさしく解説
5W3Hという言葉を聞いたことはあっても、「5W1Hとの違いがよく分からない」「仕事の報告で使うものでは?」と感じている方は少なくありません。ですが、5W3Hは単なる文章整理の型ではなく、物事を具体的に整理し、課題を明確にするための実用的なフレームワークです。特に、起業を検討している方や起業したばかりの方にとっては、自分の事業を言葉にし、方向性を定めるうえでとても役立ちます。
結論から申し上げますと、起業で大切なのは「なんとなく始める」ことではありません。「誰に、何を、なぜ、どうやって届けるのか」を整理し、さらに「いくら必要で、どれくらい売る必要があるのか」まで具体的に考えることです。5W3Hは、そのための土台になります。
この記事では、まず5W3Hの意味と基本を解説し、その後で起業にどのように活用できるのかを整理していきます。最後には、資金調達や創業準備の相談につながる考え方までご紹介します。
5W3Hとは何か
5W3Hとは、物事を整理するための8つの要素を指します。具体的には、Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくらで・いくら必要か)、How many(どれくらい)です。
よく似た言葉に5W1Hがありますが、5W1Hは情報伝達の基本形です。一方で5W3Hは、そこに「金額」と「数量」の視点が加わるため、仕事やビジネス、企画、事業の整理により向いています。たとえば、5W1Hだけでは「どのように進めるか」までは整理できても、「いくら必要か」「どれくらいの規模を目指すか」といった、経営上の重要な視点は抜けやすくなります。起業のように判断すべき要素が多い場面では、5W3Hのほうが実践的です。
5W3Hが必要とされる理由はシンプルです。頭の中の考えを整理しやすくなり、問題や課題の原因が見えやすくなるからです。また、相手にも説明しやすくなるため、顧客への提案、営業、社内報告、事業計画の作成など、さまざまな場面で活用できます。
5W3Hは起業にも使えるフレームワーク
5W3Hは、仕事の報告や文章作成だけに使うものではありません。ビジネスの企画、マーケティング、プロジェクトの進行、コミュニケーション設計などにも活用できます。そして、その中でも特に相性がよいのが起業です。
なぜなら、起業では考えるべきことが非常に多いからです。何を事業にするのか、誰を対象にするのか、どのような価値を提供するのか、どの方法で販売するのか、価格はいくらにするのか、どれくらいの売上が必要なのか。こうした要素が曖昧なままでは、せっかく良い企画や実績があっても、事業として形になりにくくなります。
起業したての方がつまずく原因の多くは、能力不足ではなく整理不足です。ご自身の頭の中では理解しているつもりでも、文章にできない、相手に説明できない、数字に落とし込めないという状態はよくあります。だからこそ、5W3Hで一つずつ整理する意味があります。
起業を5W3Hで整理する方法
まずWhatです。何を事業にするのかを明確にします。製品やサービスの内容はもちろん、顧客にどのような価値を提供するのかまで言葉にすることが重要です。「できること」ではなく、「求められる価値」で考える視点が必要です。
次にWhyです。なぜ起業するのかを整理します。ここが曖昧ですと、事業の方向性がぶれやすくなります。独立したい、人生の選択肢を広げたい、社会に価値を届けたいなど理由はさまざまですが、その目的が明確なほど判断基準が定まりやすくなります。
Whoでは、誰を対象にするのかを考えます。ターゲットや顧客像が曖昧だと、営業やマーケティングの方法も定まりません。相手が抱える問題、課題、求める結果を理解し、その人に向けた事業設計をする必要があります。
Whenでは、起業や販売開始のタイミングを整理します。準備に必要な時間、資金調達の時期、事業開始後の活動計画など、スケジュール感を持つことが大切です。
Whereでは、どこで展開するのかを考えます。オンライン中心なのか、地域密着なのか、対面型なのかによって、必要な営業方法やコミュニケーションの設計は変わってきます。
Howでは、どうやって価値を届けるのかを整理します。販売方法、集客方法、営業の進め方、顧客との対話方法など、実際の動きに関わる部分です。ここが弱いと、良いサービスでもなかなか売れません。
How muchでは、いくら必要なのかを考えます。開業時の初期費用、運転資金、広告費、外注費など、必要なお金を具体的に把握することが重要です。同時に、価格設定もここで考えます。安すぎても利益が残りませんし、高すぎても売れにくくなります。
最後にHow manyです。どれくらいの顧客数や売上が必要なのかを整理します。月商いくらを目指すのか、そのために何件の成約が必要なのかが見えると、行動計画に落とし込みやすくなります。
起業したての人が見落としやすい課題
5W3Hで整理してみると、多くの方が似たようなところでつまずきます。たとえば、事業の内容はある程度決まっていても、対象顧客が広すぎるケースがあります。また、価値の説明はできても、販売方法や営業導線が具体的でないことも少なくありません。
さらに見落とされやすいのが、お金の整理です。価格は決めたものの、必要資金や資金繰りまで考えられていない、あるいは売上目標はあるのに、そのために必要な顧客数や活動量が整理できていない、といった問題はよくあります。この状態では、起業はできても、継続的な事業運営が難しくなります。
つまり、5W3Hは「考えを整理するためのフレームワーク」であると同時に、「自分の課題を見つけるためのフレームワーク」でもあるのです。
5W3Hで整理した先に必要になること
ただし、5W3Hで考えを整理できたからといって、それだけで起業準備が十分とはいえません。実際には、整理した内容を事業計画に落とし込み、必要資金を見積もり、資金調達の方法まで検討していく必要があります。ここに入ってくると、フレームワークの理解だけでは対応しきれない場面が増えてきます。
特に創業時は、事業の方向性と資金計画を切り離して考えないことが大切です。どれだけ良いビジネスでも、必要資金の見通しがなければ、動き出しのタイミングを逃してしまうことがあります。逆に、早い段階で課題を整理し、適切な形で準備を進めていけば、遠回りを防ぎやすくなります。
起業や創業準備で迷ったら、早めの相談を
5W3Hは、起業を考える方にとって非常に便利な基本フレームワークです。何を事業にするのか、誰に届けるのか、どう販売するのか、いくら必要なのかを整理することで、思考が具体的になり、次にやるべきことが見えやすくなります。
一方で、起業したての段階では、事業計画の作成や資金調達、創業準備の優先順位づけまで、一人で進めるのが難しいこともあります。5W3Hで課題を整理してみた結果、「考えるべきことが多い」「数字に落とし込めない」「資金面に不安がある」と感じたなら、それは相談を検討するタイミングです。
起業を検討している方、あるいは起業したてで事業やお金の整理に悩んでいる方は、創業や資金調達に関する相談を活用することで、より現実的な形で前に進めます。事業計画の整理や創業時の資金面に不安がある場合は、ぜひ専門家にご相談ください。
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この記事を書いた人
嶋田大吉/Daikichi Shimada
中小企業診断士
行政書士法人V-Spirits 補助者
1997年宮崎生まれ。2016年宮崎県立佐土原高等学校卒業。
実家の家業である温泉・井戸の掘削や設備施工の仕事に従事した後、NPO法人の宮崎支部を設立し、被災地や貧困家庭の子どもたちにプレゼントを届ける活動を5年間行う。
その後、自身の経験から経営を体系的に学ぶ必要性を感じ、中小企業診断士の資格取得を志す。2023年に中小企業診断士資格を取得し、起業家や経営者の夢や想いの実現を支援したいとの思いからV-Spiritsに入社。
現在は、経済産業省系補助金支援、厚生労働省系助成金支援、起業相談などの業務に従事している。

この記事を監修した人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。



























