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コラム

カフェの焙煎機に使える補助金4制度|自店提供・豆の販売・卸で変わる選び方

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カフェの焙煎機導入に補助金は使えるか|豆の使い道で変わる制度の選び方

焙煎機は、カフェの設備のなかでも投資額が大きく、納期も読みにくい機械です。「自家焙煎に切り替えたいけれど、この金額を一度に出すのは重い」「補助金が使えるなら使いたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。ところが情報を探すと、多くの記事は「カフェ開業で使える補助金一覧」を並べているだけで、肝心の焙煎機そのものが対象になるのかが読み取れません。

結論から申し上げると、焙煎機が補助対象になるかどうかは、機械のスペックではなく「焙煎した豆をどう使うか」でほぼ決まります。この記事では、2026年度の制度を前提に、使い道別の考え方と候補になる補助金、そして発注前に押さえておきたい段取りを整理します。金額・要件はいずれも執筆時点(2026年8月)の公募要領に基づく情報ですので、申請前には必ず最新の公募要領をご確認ください。

焙煎機の補助金は「機械の種類」ではなく「豆の使い道」で決まります

同じ焙煎機を買っても、その豆をどう扱うかで、申請できる制度がはっきり分かれます。まずはご自身の計画が次のどれに当たるかを決めてください。ここが曖昧なまま制度を選ぶと、あとから「その計画ならこの枠ではありません」となり、申請の組み直しが必要になります。

  • ① 自店で提供するドリンク用に焙煎する…既存の飲食業のなかでの品質向上・原価改善にあたります。販路開拓とセットで組み立てるか、省力化の切り口で考えることになります。
  • ② 店頭やオンラインで焙煎豆を販売する…新しい商品を作って売る取り組みです。販路開拓型の制度に加え、新製品開発として組み立てる余地が出てきます。
  • ③ 卸売・OEMなど、これまでと違う相手に売る…既存の店舗営業とは別の市場に出ていく取り組みで、投資規模も大きくなりやすい類型です。

①は「今の商売をよくする投資」、②③は「商売の幅を広げる投資」です。補助金は制度ごとに支援したい方向が決まっているため、この違いがそのまま制度選びの分岐点になります。

カフェの焙煎機導入で候補になる補助金(2026年度)

小規模事業者持続化補助金

常時使用する従業員が5人以下(商業・サービス業の場合。製造業その他は20人以下)の小規模事業者が使える制度で、販路開拓の取り組みを支援します。補助率は3分の2、補助上限は50万円が基本で、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方の要件を満たす場合は最大250万円になります。機械装置等費が対象経費に含まれるため、豆の販売という販路開拓とセットで焙煎機を位置づけられるかが鍵になります。

第20回公募のスケジュールは、申請受付開始が2026年11月5日、申請締切が2026年12月15日17時です。注意したいのは、商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)の受付締切が2026年12月4日と、申請締切より前に設定されている点です。窓口の混雑もありますので、逆算して早めに相談してください。なお、広報費とウェブサイト関連費はそれぞれ30万円(税込)が上限で、これらだけの申請はできません。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

持続化補助金は「販路開拓が主題」の制度です。焙煎機の見積書だけを先に用意して、あとから理由を書き足す進め方だと計画が薄くなりがちです。先に「誰に、どの豆を、どう売るのか」を決めてから機種を選ぶほうが、結果として計画も機種選定も早くまとまります。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠

2026年度から、従来の「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」は統合され、正式名称は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金になりました。そのうち革新的新製品・サービス枠は、自社の技術力等を活かして新たな価値を提供する新製品・新サービスの開発を支援する枠です。補助上限は従業員数で変わり、1〜5人で750万円、6〜20人で1,000万円(大幅賃上げ特例を適用した場合は各850万円、1,250万円)となっています。補助下限は100万円、補助率は中小企業者で2分の1、小規模企業・小規模事業者は3分の2です。

ここで最も注意すべきなのは、公募要領が「単なる設備・システム導入、既存製品・サービスの生産プロセス改善、同業で既に相当程度普及している開発は対象外」と明記している点です。「焙煎機を入れて自家焙煎を始めます」だけでは、この枠の趣旨には届きません。どのような豆を、どのような製法・設計で商品化し、それが既存の商品とどう違うのかまで踏み込んだ計画が必要になります。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠

既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援する枠です。補助上限は従業員1〜20人で2,500万円(大幅賃上げ特例適用時は3,000万円)、補助率は中小企業者で2分の1です。卸売やOEMのように、店舗のお客様とは別の相手に売っていく計画であれば、この枠が視野に入ります。

ただし個人経営のカフェが検討する際は、補助下限が750万円である点が実質的なハードルになります。補助率2分の1で下限750万円ということは、対象経費で1,500万円規模の投資計画が必要になる計算です。焙煎機に加えて加工場の整備までを含めるような計画でなければ、届かないことが多いでしょう。また、新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外とされており、少なくとも1期分の決算書が必要です。「既存事業と同一市場」「単なるメニュー追加」「単に商圏が違うだけ」といった内容も対象になりません。

中小企業省力化投資補助金(一般型)

人手不足への対応として、省力化のための設備・システム導入を支援する制度です。補助上限は1億円で、3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画が求められます。ハンドピックや手作業の工程が重いカフェにとっては、一見すると相性の良い制度です。

しかし、対象になるのは「オーダーメイド性のある設備」であり、公募要領上は単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外とされています。焙煎機を1台買うだけ、という計画では要件を満たしません。複数の設備を組み合わせて高い省力化効果を出す構成にする、あるいは導入環境に応じて周辺機器や機能が変わる設計にするなど、オーダーメイド性を示せるかどうかが分岐点になります。なお、より手軽な中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)もありますが、こちらはカタログに掲載された製品カテゴリからの導入が前提です。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

焙煎機ならではの3つの落とし穴

1. 交付決定の前に発注してしまう

焙煎機は受注生産や輸入で納期が数か月に及ぶことがあり、「早めに押さえておきたい」という力が働きます。ところが、ここで挙げたどの制度でも、交付決定日より前に行った発注・契約・支払は補助対象外です。採択の通知が来た時点ではまだ交付決定ではありませんので、事業者に納期を確認したうえで、いつ発注できるのかを制度のスケジュールと突き合わせて決めてください。

2. 補助下限を見落として、枠選びを間違える

上限額ばかりが目に入りますが、実務でつまずくのは下限のほうです。新事業進出枠は補助下限750万円、革新的新製品・サービス枠は補助下限100万円と設定されています。焙煎機1台の導入であれば、金額規模から自然に候補が絞られることも少なくありません。

3. 相見積・単価要件の条件を満たしていない

小規模事業者持続化補助金では、単価50万円(税抜)を超える機械装置等について2者以上の相見積が必要とされています。また、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上が対象です。中古の焙煎機を検討する場合は、中古品に条件が付く制度もありますので、購入方法を決める前に確認してください。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

実務でご相談が集中するのは、納期と交付決定日の順番です。焙煎機は「入荷待ち」が起こりやすい設備なので、機種を決める段階で販売店に納期の見通しを聞き、制度のスケジュールと並べて確認しておくと、後戻りの少ない進め方ができます。

焙煎機の補助金申請までの5ステップ

  1. 豆の使い道を1つに決める…自店提供のみか、豆の販売か、卸・OEMか。ここで計画の背骨が決まります。
  2. 投資の総額を仮置きする…焙煎機本体だけでなく、排気・電源工事、保管設備、包装資材まで含めて概算します。制度の下限・上限との相性がここで見えます。
  3. 制度を1つ選ぶ…同じ経費を複数の制度に重ねて申請することはできません。使い道と金額規模から1本に絞ります。
  4. GビズIDプライムを取得する…ここで挙げた制度はいずれも電子申請で、GビズIDプライムが必要です。取得には日数がかかりますので、計画づくりと並行して着手してください。
  5. 公募締切から逆算して段取りを組む…持続化補助金であれば事業支援計画書(様式4)の受付締切、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金であれば第1回公募の締切2026年9月30日18時が起点になります。

よくあるご質問

Q. 中古の焙煎機でも補助金の対象になりますか。

A. 制度によって扱いが異なります。小規模事業者持続化補助金では中古品も条件付きで対象とされており、単価50万円(税抜)未満かつ2者以上の見積が必要とされています。検討中の制度の公募要領で、中古品の条件を必ず確認してください。

Q. 開業前でも申請できますか。

A. 小規模事業者持続化補助金では、申請時点で未開業の創業予定者は対象外とされています。新事業進出枠も新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外です。開業と同時に自家焙煎を始めたい場合は、補助金を前提にせず、創業融資などの資金調達と組み合わせて計画を立てるほうが現実的です。

Q. 焙煎機だけを買う計画でも通りますか。

A. 制度の趣旨によります。販路開拓の一部として位置づけるのか、新製品開発の中核として位置づけるのか、省力化の構成の一部とするのかで、必要な計画の書き方が変わります。設備の見積からではなく、事業計画から入ることをおすすめします。

まとめ

カフェの焙煎機導入で使える補助金は、「焙煎した豆をどう使うか」から逆算すると整理できます。自店提供と豆の販売なら小規模事業者持続化補助金、新商品としての開発なら新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠、卸やOEMなど新しい市場に出るなら同 新事業進出枠、既存業務の省力化なら中小企業省力化投資補助金(一般型)が候補になります。

そのうえで、交付決定前の発注は対象外であること、枠ごとに補助下限があること、相見積や単価の条件があることを、機種を決める前に押さえておいてください。制度の要件や公募スケジュールは改定されますので、申請前には必ず最新の公募要領を確認し、判断に迷う場合は専門家にご相談いただくことをおすすめします。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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