
飲食店のスチコン導入、補助金申請でよくある3つの失敗
仕込み・調理・洗い物の時間を大きく減らせるスチームコンベクションオーブン(スチコン)は、人手不足に悩む飲食店にとって導入効果の大きい設備です。補助金を使って導入コストを抑えたいと考える店舗は多いものの、「カタログに載っている製品だから大丈夫」と思い込んで申請でつまずくケースが少なくありません。この記事では、スチコン導入の補助金申請でよくある失敗と、その対処法を整理します。
失敗1:カタログに登録されていない型番を選んでしまう
スチコンは中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の対象製品として登録されているケースが多い設備ですが、対象になるのは「事務局のカタログに登録された製品」に限られます。同じスチコンでも型番やメーカーによっては未登録のことがあり、「スチコンだから対象になるはず」と思い込んで見積もりを取ってから登録の有無を確認すると、対象外だったと後で気づく失敗が起きやすくなります。導入したい機種を決める前に、カタログ掲載の有無を先に確認することが近道です。
失敗2:単独で直接申請しようとしてしまう
カタログ注文型は、中小企業等が販売事業者と共同で申請することが前提の制度です。単独での直接申請は原則できません。スチコンを扱う販売店・メーカーが制度に対応しているかどうかを、見積もり依頼の段階で確認しておく必要があります。対応していない販売店から購入すると、そもそも申請の土台に乗らない点に注意してください。
失敗3:労働生産性の向上計画を軽く考えてしまう
カタログ注文型は、労働生産性(付加価値÷従業員数)を年平均3.0%以上向上させる計画が要件になっています。賃上げ目標を盛り込むと上限額の枠が広がる一方、未達の場合は減額の対象になります。導入後は複数年度にわたって効果を報告する義務もあるため、「とりあえず導入すれば終わり」ではなく、スチコン導入によってどれだけ調理・仕込み時間が短縮され、どのように生産性向上につながるかを具体的な計画に落とし込む必要があります。
店舗の規模や投資内容によっては別の制度が向くこともある
スチコン1台の導入だけであれば持続化補助金の対象経費(機械装置等費)として検討できる場合もありますが、補助上限は基本50万円(賃金引上げ特例等の上乗せで最大250万円)と、カタログ注文型(最大1,500万円)より小規模です。逆に、スチコンに加えて急速冷凍機や食洗機など複数の厨房設備を組み合わせて大規模な省力化を計画する場合は、中小企業省力化投資補助金(一般型)や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の対象になる可能性もあります。導入したい設備の総額と、事業計画の規模感に合わせて制度を選ぶことが大切です。
申請前に確認しておきたいこと
- 導入したいスチコンの型番がカタログに登録されているか、販売店に先に確認する
- 販売店・メーカーが共同申請に対応しているか確認する
- 交付決定前に発注・契約すると、原則としてその経費は対象外になる
- 労働生産性の向上計画・賃上げ目標を具体的な数字で用意しておく
まとめ
飲食店のスチコン導入で補助金を使うときは、金額の大きさよりも「カタログ登録の確認」「共同申請の可否」「生産性向上計画の作り込み」でつまずくケースが目立ちます。導入機種を決める前に、これらの前提条件をひとつずつ確認しておくことで、申請段階でのやり直しを避けられます。
よくある質問
Q. スチコンならどの型番でも補助金の対象になりますか
対象になるのはカタログに登録された製品に限られます。導入前に登録の有無を販売店に確認してください。
Q. 自分で直接申請することはできますか
カタログ注文型は販売事業者との共同申請が前提のため、単独での直接申請はできません。
Q. 小規模な店舗でも申請できますか
小規模事業者であれば持続化補助金など、規模に応じた別の制度も選択肢になります。導入したい設備の総額と事業計画に合わせて検討してください。
【無料相談のご案内】
弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























