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コラム

動物病院のエコー・DR買い替えと補助金|下取り前に確認したい注意点

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動物病院がエコーとDRを補助金で導入するとき、買った後に残る制約から考えます

超音波画像診断装置(エコー)とDR(デジタルエックス線撮影装置)は、性能の進み方が速く、数年で下取りに出して入れ替える前提で選ばれることの多い機械です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金でこの2台を入れる計画を立てるとき、多くの相談は「対象になるか」で止まります。ところが院の資金繰りに効いてくるのは、採択されて機械が入った後に残るルールのほうです。開業から数年が経った一次診療の動物病院を想定して、買った後に何が動かせなくなるのかを順にお答えします。

Q1.エコーとDRは、1件の補助金申請にまとめられますか

まとめられます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の機械装置・システム構築費は単価10万円(税抜)以上という条件で、エコーもDRも通常はこの線を超えます。

ただ、申請は1件でも、補助を受けて取得した機械は1台ずつ院の財産として残ります。次の項からの話は、この「残ったもの」に対するルールです。

時間の並びも先に確認しておきます。交付決定の前に発注・契約・購入をしたものは対象外です。機種を絞り、見積を取るところまでは交付決定前に進められますが、発注の合図を出すのは交付決定の後になります。その後の補助事業実施期間は、革新的新製品・サービス枠が交付決定日から10か月以内、新事業進出枠が14か月以内です。2026年度の第1回公募は2026年6月29日に始まり、締切は2026年9月30日18時、採択発表は2026年12月頃とされています(公募要領1.0版・2026年6月時点)。

Q2.補助金で買った機械は、あとから自由に下取りに出せますか

そのままではできません。補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第22条は、補助事業者等が補助事業等により取得し、または効用の増加した政令で定める財産について、各省各庁の長の承認を受けないで、補助金等の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、または担保に供してはならないと定めています。条文の見出しは「財産の処分の制限」で、実務では処分制限と呼ばれます。

条文が「取得し、又は効用の増加した」と書いている点も見ておきます。対象になるのは新しく買った機械だけではなく、補助事業によって価値が上がった既存の設備も含む書き方です。手持ちの装置に検出器やソフトを足して性能を上げる形の投資を考えている院では、新規購入だけを数えていると範囲を取り違えます。

ここに並んでいる動詞を、院の実務に置き換えてみます。新型機に買い替えるときの下取りは「譲渡」または「交換」です。分院や知り合いの病院へ一時的に機械を回すのは「貸し付け」に当たります。設備を担保にして資金を組むのは「担保に供する」です。いずれも、承認という手続きを挟まずに動かせる前提で計画を立てると、後から食い違いが出ます。

Q3.どんな機械が処分制限の対象になりますか

対象になる財産は同法施行令第13条が定めており、不動産、船舶・航空機など、それらの従物に続いて、第4号に「機械及び重要な器具で、各省各庁の長又は補助実施法人の代表者が定めるもの」が挙げられています。エコーやDRのような診療機器は、この第4号で扱われる範囲に入ってきます。

どこから「重要な器具」に含めるかは、法律ではなく制度側が定めるものです。同じ補助金でも公募回や交付規程で書きぶりが変わりますので、機種と金額が固まった段階で、その回の交付規程を読む手順を入れてください。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

事務局で申請書を見ていた立場から申し上げると、賃上げの表明は提出物のひとつとして淡々と処理されがちですが、未達だったときの扱いは制度ごとに違います。返還を求められる制度もあれば、減額でとどまる制度もあります。買った後の話をされるなら、この差も同じ場で確認しておかれると安全です。

Q4.この制約は、いつまで続きますか

施行令第14条が、第22条ただし書きの「政令で定める場合」を2つ挙げています。ひとつは、補助事業者等が補助金等の全部に相当する金額を国または補助実施法人に納付した場合。もうひとつは、補助金等の交付の目的および当該財産の耐用年数を勘案して各省各庁の長または補助実施法人の代表者が定める期間を経過した場合です。

読み替えると、出口は「受け取った額に相当する金額を返して自由になる」か「定められた期間が過ぎるのを待つ」かの二択になります。何年で過ぎるのかは法律に書かれておらず、耐用年数を踏まえて制度側が定めます。ですので、機械の買い替えサイクルを何年で回すつもりなのかを先に決め、その年数とぶつからないかを交付規程で照らす、という順番になります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

Q5.資金繰りのために機械を担保に入れることはできますか

第22条の列挙に「担保に供し」が含まれていますので、承認を受けずに担保として差し入れることはできません。診療機器を担保にした資金調達を将来の選択肢に置いている院では、補助金を使った時点でその選択肢の前に手続きが1つ増えると考えてください。

院の資金計画を金融機関と話し合う段階で、どの設備が補助を受けたものなのかを整理した一覧を手元に持っておくと、話が早く進みます。取得した年月、金額、どの制度のどの回で採択されたか、という3項目を機械ごとに並べておくだけで、後から交付規程を照らし直す作業が短く済みます。

Q6.どの枠で申請するかで、この制約は変わりますか

第22条は補助金等に共通して置かれた規定ですので、枠を選び直せば処分制限が消えるという性質のものではありません。枠ごとに違うのは、期間の定め方など制度側の運用の部分です。

そのうえで枠の判定そのものは事業の中身で行われます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠は、新製品・新サービスの開発を伴わない単なる設備・システム導入を対象外としており、補助上限は常時使用する従業員5人以下で750万円、6〜20人で1,000万円、補助下限は100万円です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠は、新たに提供するものが申請者にとって新規性を持ち、その市場も申請者にとって新たであることを求めており、補助下限は750万円と高めです。補助率はいずれも中小企業者で2分の1、小規模企業者・小規模事業者は革新的新製品・サービス枠で3分の2となります(公募要領1.0版・2026年6月時点)。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

制度名から探し始める方が多いのですが、審査する側にいた感覚では、投資の規模と目的から絞るほうが結論まで速いです。数十億円の投資なのか、250万円までで収まるのか、それともソフトの導入が主なのかで入口が違います。機種選定より先に、この2つを紙に書いてしまうやり方をお伝えしています。

まとめ

エコーとDRは、入れる話と手放す話がセットになる機械です。補助金を使うと、手放す側に「承認を受けないで譲渡・交換・貸付け・担保に供してはならない」という線が引かれ、それが外れるのは相当額を納付したときか、定められた期間を過ぎたときの2つに限られます。制度を選ぶより前に、この2台を何年使い、次にどう入れ替えるつもりなのかを紙に書いてみてください。年数が決まると、補助金で買う機械と自己資金で買う機械の切り分けも自然に決まります。制度の数字や運用は執筆時点のものですので、申請前に最新の公募要領と交付規程をご確認ください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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