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コラム

建設業が使える補助金とは?省力化機械・現場DX・新分野展開の考え方

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建設業は、人手不足・原価高騰・後継者不足など、ほかの業種にはない悩みを同時に抱えています。「人を増やしたいが採用できない」「現場の生産性を上げたいが投資余力がない」「下請けからの脱却に向けて新分野に挑戦したい」――こうした課題に対し、国や自治体は中小建設業向けに複数の補助金を用意しています。

ただし、補助金は「使えるもの全部に申請する」ものではなく、自社の経営課題と投資計画にマッチした制度を選ぶことが前提です。本記事では、起業直後の個人事業主や中小建設会社が押さえておきたい主要な補助金と、選び方の考え方を整理します。

建設業で補助金活用が注目される背景

建設業は近年、複数の構造変化に直面しています。

  • 人手不足の深刻化:技能労働者の高齢化と若手の入職減により、人を増やすこと自体が難しい
  • 働き方改革関連法の適用:時間外労働の上限規制が2024年4月から建設業にも適用され、限られた人数で工期内に完了させる必要がある
  • 資材価格・燃料費の高騰:原価が押し上げられ、利益率が圧迫されている
  • 現場DXへの要請:ICT建機・ドローン測量・施工管理アプリなど、生産性を上げる技術が普及しつつある

これらの課題に対して、人手不足解消の設備投資、現場DXに資する機器導入、新分野展開の事業計画などに補助金を活用する動きが広がっています。

建設業が使える主な補助金

1. 新事業進出・ものづくり補助金

2026年度より、従来の「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合・再編された制度です。革新的な製品開発や生産プロセス改善、新市場・新分野への進出に必要な設備投資を支援するもので、建設業でも活用例が多くあります。枠が大きく「革新的新製品・サービス枠」と「新事業進出枠」に分かれ、目的に応じて選択します。

  • 革新的新製品・サービス枠で対象になりやすい投資:ICT建機、自動追尾型測量機(トータルステーション)、ドローン測量システム、3次元測量機器、施工管理ソフトウェアと連携した機械装置など、現場の生産性を底上げする革新的設備
  • 新事業進出枠で対象になりやすい投資:下請け中心の構造から脱却するための元請け化、リフォーム特化、防災工事、再エネ関連工事、空き家活用など、新市場・新分野への展開に必要な設備・体制構築
  • 補助上限額:枠・従業員規模により異なる(革新的新製品・サービス枠は最大3,500万円、新事業進出枠は最大9,000万円が目安)。最新の公募要領で必ず確認してください
  • ポイント:単なる設備更新ではなく「革新性」「生産性向上」、または「新分野展開の必然性」を事業計画書で論理的に示すことが採択のカギ

2. 中小企業省力化投資補助金

人手不足に悩む中小企業が、IoT・ロボット等の省力化設備を導入するための制度です。建設業との相性が良く、現場・事務両面で活用余地があります。

  • カタログ注文型:あらかじめ登録された製品カタログから業種・課題に合った省力化設備を選んで申請する形式。手続きが比較的シンプル
  • 一般型:カタログにないオリジナルの機械・システムを導入したい場合に利用できる類型
  • 建設業での活用例:墨出しロボット、配筋検査支援システム、現場入退場管理システム、自動化された測量機器など

3. 小規模事業者持続化補助金

従業員規模が小さい事業者(建設業では従業員20人以下が対象)の販路開拓・業務効率化を支援する制度です。比較的小規模な投資に向きます。

  • 対象になりやすい使い道:自社ホームページ制作、チラシ・パンフレット作成、看板設置、ショールーム整備、業務管理ソフト導入など
  • 金額感:補助上限は数十万〜200万円程度(枠により異なる)。比較的取り組みやすい補助金

4. 業務改善助成金(厚生労働省)

事業場内最低賃金を引き上げる中小企業・小規模事業者向けの助成金です。賃上げと設備投資をセットで考えるときに使えます。

  • 対象:賃金引上げを行い、生産性向上のための設備投資(建設業なら工具・機械、ソフトウェア等)を実施する事業者
  • ポイント:補助金ではなく「助成金」のため、要件を満たせば原則受給可能。ただし賃上げの実施が前提

5. 自治体独自の補助金

都道府県・市区町村が独自に運営している補助金もあります。事業承継、若手雇用、地域内発注、再エネ設備導入などテーマは多岐にわたります。本社所在地の自治体ホームページで最新の公募情報を必ず確認してください。

【無料相談のご案内】

弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

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建設業の補助金活用で押さえたい3つの考え方

考え方1:省力化・現場DXの軸で投資を整理する

建設業の補助金は「人手不足の解消」と「現場の生産性向上」につながる投資と相性が良いです。逆に、汎用的なパソコンや事務用品の単純な購入は、ほとんどの補助金で対象外になります。投資の目的を「人手不足の解消」「工期短縮」「品質向上」など、補助金の趣旨と結びつけて整理することが採択のカギです。

考え方2:新分野展開なら事業の必然性を示す

新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠)や、過去の事業再構築の流れを汲む制度では、「なぜその新分野に進出するのか」「既存事業の何が活かせるのか」が問われます。単に「儲かりそうだから」では通りません。地域・市場の動向、自社の強み、参入後の見通しを数字とロジックで示すことが重要です。

考え方3:補助金は後払い・資金繰りに注意

補助金は原則として「事業を完了して支払いを済ませた後に振り込まれる」後払いの仕組みです。設備購入や工事費を一旦自社で立て替える必要があり、補助金が入るまでの数ヶ月〜半年程度の資金繰りを準備しておく必要があります。融資との組み合わせや、補助金つなぎ融資の活用も検討対象です。

申請前に必ず確認すべきポイント

  • 公募要領を最新版で確認する:補助金は毎年制度変更がある。前年と要件・対象経費・補助率が違うことは珍しくない
  • 申請期限・事業実施期間を逆算する:申請から採択発表、交付決定、事業実施、実績報告までスケジュールが厳格に決まっている
  • 対象経費の範囲を確認する:機械装置・システム構築費は対象でも、汎用品(一般的なパソコン・事務用品)は対象外になりやすい
  • 賃上げ要件・付加価値要件を確認する:採択後の数年間で達成義務を負う要件がある制度も多い。達成できない場合は補助金の一部返還になることがある
  • 加点要素を活用する:賃上げ加点、健康経営、事業承継引継ぎ補助金との連携など、加点要素を満たすと採択率が上がる

建設業の補助金活用でよくある失敗

  • 採択されてから動き始める:交付決定前に発注・契約・支払いを行うと対象経費から除外される。スケジュール管理が甘いとせっかくの採択が無駄になる
  • 事業計画書が「設備のスペック説明」になっている:機械の性能ではなく「導入して何が変わるか(売上・生産性・人員配置)」を経営の言葉で書く必要がある
  • 補助金頼みで投資判断する:補助金は投資の一部を補助するもの。自社のキャッシュフローで投資を回収できる前提で計画を組まないと、後で苦しくなる
  • カテゴリ違いの補助金に申請する:例えば「省力化投資補助金」の趣旨と合わない汎用設備を申請しても採択されにくい。制度の趣旨と投資の方向性を合わせる

よくある質問

Q. 個人事業主の建設業でも補助金は使えますか?

多くの補助金は中小企業・小規模事業者であれば個人事業主でも対象になります。特に小規模事業者持続化補助金や省力化投資補助金(カタログ注文型)は、個人事業主が活用しやすい制度です。

Q. 一般的なパソコンや事務用品は補助金の対象になりますか?

多くの補助金で汎用品は対象外です。業務改善・生産性向上に直結する専用機械や、特定のソフトウェアと一体で運用するシステムであれば対象になる場合があります。

Q. 複数の補助金を同時に使えますか?

同一の経費に対して複数の補助金を重複して受けることは原則できません。ただし、別経費・別事業として申請する場合は、複数の制度を組み合わせることは可能です。

Q. 補助金が入金されるまでの資金はどう準備すればいいですか?

自己資金で立て替えるか、日本政策金融公庫や民間金融機関の融資、自治体の補助金つなぎ融資制度などを活用するのが一般的です。補助金の交付決定通知書があれば融資審査で評価されやすくなります。

まとめ

建設業で使える補助金は、新事業進出・ものづくり補助金・省力化投資補助金・小規模事業者持続化補助金・業務改善助成金・自治体補助金など、選択肢が複数あります。重要なのは「自社の経営課題に対してどの補助金が最も合うか」を見極めること、そして補助金頼みではなく事業計画の中に位置づけて活用することです。

「自社の投資はこの補助金の対象になるのか?」「どの制度が自社の状況にフィットするのか?」と迷う場合は、一度専門家に相談すると、申請の方向性を整理しやすくなります。

【無料相談のご案内】

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人

中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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