
【小規模事業者持続化補助金】広報費で使える経費とNG例を徹底解説!
今回も、
**【小規模事業者持続化補助金】**について、実務目線で詳しく解説していきます。
この補助金は、単なる「経費補填」ではありません。
小規模事業者が、自社のサービスをきちんと世の中に伝え、集客につなげるための投資を支援する制度です。
数ある補助対象経費の中でも、
最も利用されることが多く、かつ判断に迷いやすいのが
【広報費】。
「これは広報費で使える?」
「どこまでならOK?」
そんな疑問を解消できるよう、
今回は広報費に絞って、徹底的に整理していきます。
目次
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小規模事業者持続化補助金とは
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広報費とは?ざっくりおさらい
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広報費として認められる主な経費
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補助金の対象となるケース(OK例)
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補助金の対象とならないケース(NG例)
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対象外となるものの共通点
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広報費を使う際の注意点
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具体的な活用には個別相談を
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よくある質問(FAQ)
小規模事業者持続化補助金とは
「サービスを広め、売上につなげる」ための補助金
小規模事業者持続化補助金は、
-
小規模事業者が
-
自社の商品・サービスを
-
新たな顧客層に届け
-
継続的な売上につなげる
ことを目的とした補助金です。
ポイントは、
「今ある事業を、どう伸ばすか」
にフォーカスしている点。
そのため、
-
販路開拓
-
広告・宣伝
-
サービスの見せ方改善
といった施策が、幅広く補助対象になります。
広報費とは?ざっくりおさらい
「サービスを知ってもらうための費用」が広報費
広報費とは、
自社の商品・サービスを第三者に知ってもらうための費用です。
過去の当コラムでも、
次のように整理しています。
【広報費の代表例】
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パンフレット・ポスター・チラシの制作費
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雑誌、フリーペーパー、WEB広告などへの掲載費
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自社サービスが掲載されたホームページの制作・改修費
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店頭ポップ、のぼり、看板などの制作費
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試供品(販売用商品とは明確に異なるもの)の制作費
ここで重要なのは、
「サービス認知 → 集客」につながるかどうかです。
※名刺や会社案内パンフレットは、原則対象外となります。
広報費として認められる主な経費
判断の軸は「販路開拓につながるか」
広報費で審査される際、
見られているのは次の点です。
-
新規顧客に届く内容か
-
サービスの魅力が伝わるか
-
売上増加につながる合理性があるか
つまり、
**「広告っぽいかどうか」ではなく、
「販路開拓に資するかどうか」**が判断基準です。
同じチラシでも、
内容次第でOKにもNGにもなります。
補助金の対象となるケース(OK例)
比較的スムーズに認められやすいもの
以下は、実務上
広報費として認められる可能性が高いケースです。
【対象となるもの】
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自社サービスを宣伝するための紙媒体広告
(チラシ、DM、フリーペーパー、雑誌広告など) -
新メニュー・新商品の周知を目的とした広告費
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店頭や店外に設置するポップ・看板・のぼり
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サービス紹介を主目的としたホームページ制作・リニューアル
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商品を知ってもらうための試供品の制作費
-
展示会・商談会への出展費用
これらに共通するのは、
「誰に、どのサービスを届けるのか」が明確な点です。
補助金の対象とならないケース(NG例)
「広報に見えてもNG」なパターン
一方、次のようなものは
対象外になりやすいため注意が必要です。
【対象とならないもの】
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補助事業期間内に使い切れないチラシの大量印刷
-
会社概要のみを説明するホームページ制作
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社歴や代表挨拶が中心の会社パンフレット
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販売商品と区別がつかない試供品
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自社が出展しない展示会の参加費
特に多いのが、
「会社PR」と「サービスPR」を混同してしまうケースです。
対象外となるものの共通点
主語は「会社」ではなく「サービス」
対象外となる経費には、
明確な共通点があります。
それは、
【サービスの認知】を目的としていないこと。
この補助金では、
-
主語:会社
ではなく -
主語:サービス・商品
で考えると、判断しやすくなります。
「この広報は、
会社を知ってもらうためか?
それともサービスを使ってもらうためか?」
ここが分かれ目です。
広報費を使う際の注意点
「何をやるか」より「どう説明するか」
実務では、
-
実施内容そのもの
よりも -
事業計画書での説明の仕方
が重要になるケースも多々あります。
-
なぜこの広報が必要なのか
-
誰に向けた施策なのか
-
どのように売上につながるのか
これらを
ストーリーとして説明できるかがポイントです。
具体的な活用には個別相談を
同じ施策でも、会社ごとに判断は変わる
補助金は、
-
業種
-
事業規模
-
サービス内容
によって、
最適な使い方がまったく異なります。
同じホームページ制作でも、
-
ある会社ではOK
-
別の会社ではNG
ということも、珍しくありません。
具体的な活用方法については、
ぜひ個別にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 名刺は広報費として使えますか?
A. 原則NGです。会社案内目的と判断されやすいためです。
Q2. ホームページ制作はすべて対象になりますか?
A. サービス紹介が主目的であれば対象になりやすいですが、会社概要中心だと難しいです。
Q3. 試供品はどこまで認められますか?
A. 販売用商品と明確に区別でき、販促目的と説明できる範囲に限られます。
まとめ|広報費は「目的」と「説明」がすべて
最後にまとめます。
-
広報費は持続化補助金で最も使われる経費
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ただし「サービス認知」が明確な目的であることが必須
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会社PR目的は原則NG
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判断に迷ったら、事前相談がベスト
補助金は、
正しく理解し、正しく使えば非常に心強い制度です。
迷ったら、
お気軽にご相談くださいね。
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























