
法人設立後すぐに銀行口座は作れる?よくある勘違いと注意点
法人設立登記が完了した後、多くの方がまずやろうとするのが「銀行口座の開設」です。
ですが、ここには意外と多くの“落とし穴”があるのです。
今回は、法人新設時によくある誤解や注意点について、わかりやすく解説します!
目次
法人設立日には口座開設はできない理由
ズバリ言いますと、設立登記が完了した“その日”には、まだ口座開設はできません。
なぜなら、銀行口座を開設するには、法務局での登記完了後に「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」や「法人印鑑証明書」といった書類を取得する必要があるからです。
✅ ポイント
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登記完了=すぐに銀行に行けるわけではない 
- 
書類取得までに数日かかることもあるので、スケジュールには余裕をもっておきましょう 
銀行口座は申し込めば誰でも作れるわけではない
「書類がそろったから、これで大丈夫!」
そう思って銀行窓口へ行った方、ちょっと待ってください。
法人の銀行口座開設には“審査”があります。
個人の口座開設と違い、法人の場合は、反社会的勢力対策やマネーロンダリング防止の観点から、審査のハードルが高くなっているのが実情です。
なぜ法人の口座開設は難しいのか?
ここ数年、特に新規法人に対する銀行の審査は厳しくなっています。
銀行が重視するポイント
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実態のある事業か? 
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オフィスの所在がバーチャルオフィスではないか? 
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過去に信用事故がないか? 
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設立目的が明確であるか? 
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ホームページやパンフレットなど、事業内容が確認できるか? 
✅ 審査で落ちる主な理由
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事業実態が不透明 
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設立直後で信用情報が薄い 
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必要書類が不十分 
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法人代表者の信用問題 
法人名義口座開設の流れとポイント
| ステップ | 内容 | 注意点 | 
|---|---|---|
| 登記完了 | 法務局で登記が完了 | 登記簿謄本の取得が必要 | 
| 書類準備 | 登記簿謄本、印鑑証明、定款など | 最新(発行後3ヶ月以内)のもの | 
| 審査申込 | 銀行へ申込 | 審査通過が必要、1~2週間以上かかる場合も | 
| 審査通過後 | 口座開設 | 入金、振込等が可能になる | 
よくある質問(FAQ)
Q. どの銀行でも口座は作れますか?
A. いいえ。審査基準は銀行により異なります。地銀や信用金庫のほうが柔軟な場合もあります。
Q. バーチャルオフィスではダメですか?
A. 最近では事業実態の確認ができないという理由で、審査に落ちるケースが多くなっています。
Q. 事業計画書やホームページは必要ですか?
A. あると審査での信用度が上がります。準備しておくことをおすすめします。
まとめ:法人口座開設は「設立後の勝負所」
法人設立がゴールではありません。むしろ口座開設こそ、最初の本当の“ハードル”です。
ズバリ言います。
事前の情報収集と準備がカギ!
事業の信頼性を証明できる材料をしっかり整え、焦らず計画的に進めていきましょう。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki 起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等) V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。 【まるごと起業支援(R)・経営支援】 起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など 【略歴】 経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。 
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago 元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役 同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。 支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。 日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。 長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。




 


























