
【茨城県】当座貸越根保証とは?|信用保証協会のスピーディーな融資枠活用ガイド
目次
当座貸越根保証とは?
「当座貸越根保証」は、茨城県信用保証協会が提供する、中小企業・個人事業主が将来の資金ニーズに備えることを目的とした保証制度です。すなわち、通常の借入手続きの度に時間と手間をかけるのではなく、事前に一定の「融資枠」を確保しておくことで、必要になったその時にスムーズに資金を活用できるようにする仕組みです。
資金需要は「急に」「不規則に」発生するものです。たとえば、仕入先の倒産による代替仕入、急な設備故障、販路拡大による追加在庫、季節的なキャッシュフローの急変など。こうした状況に対して、手続きの遅れ・審査の遅れで対応が後手に回ると、信頼の失墜、取引条件の悪化、利益機会の逸失など、事業に与えるダメージは少なくありません。
この制度では、「枠確保=スムーズな融資実行準備」があらかじめ整うため、スピード対応が可能になります。特に資金繰りが常に動いている製造・卸売・建設・サービス業などでは、日常運転資金だけではなく“もしも時”に備えた枠の確保が経営の安定を支える大きな要素になります。
制度の特徴
- 融資枠の事前確保: あらかじめ利用可能額が設定されており、いざという時に迅速な資金調達が可能です。
- スピーディーな資金調達: 借入の都度、通常のように審査から始めるのではなく、契約済みの枠内で「随時借入・返済」が可能になることが期待されます。これによって、手続きの遅れによる機会損失を減らせます。
- 印紙代の節約: 通常の毎回契約に比べて印紙税や契約書作成の手間が減るため、コスト軽減の効果があります。
- 利息負担の軽減: 枠を確保していても使わなければ利息負担がないか低く抑えられ、使った分だけ返済すればよいため、無駄なコストが発生しにくい設計です。
- 無担保・簡素条件の設定あり: 例えば保証金額5,000万円以内なら原則無担保という条件が設けられており、担保提供が難しい事業者にも利用しやすくなっています。
こうした特徴により、突発的な資金需要にも対応できる“備えのある経営”が可能になります。日常運転の延長だけでなく、むしろ「予備枠としての備え」まで組み込むことで、経営の余裕と安心が生まれます。
融資対象者の条件
本制度の利用を検討できるのは、以下の要件を**すべて満たす事業者**です。
- 同一事業の業歴が3年以上であること(事業内容・所在地・主要取引先など大幅に変更されていないこと)
- 2期以上の確定申告(個人事業主/法人とも)を行っていること
- 申込金融機関との与信取引が6か月以上あること(預金・融資・取引実績など)
例えば、最近創業したばかりの事業者、あるいは取引開始間もない金融機関しかない事業者は対象になりにくいため、“業歴・取引実績”をまず整理しておくことが大切です。また、別途「財務要件(自己資本比率・債務超過の有無など)」や「信用保証協会によるスコアリング基準に適合しているか」が審査に影響します。
このため、制度を活用するためには、単に“申込み”するのではなく、現状の財務状況・取引実績・将来見通しを整理しておくことが、審査・枠確保のスムーズなカギになります。
保証限度額と融資条件
| 保証限度額 | 100万円〜2億8,000万円(個別相談により) |
|---|---|
| 資金使途 | 運転資金・設備資金ともに対象 |
| 保証期間 | 1年または2年(所定条件を満たせば更新可能) |
| 連帯保証人 | 法人代表者が原則。法人代表者以外の連帯保証人は原則不要。 |
| 担保 | 保証金額5,000万円以内は原則無担保。5,000万円を超える場合は担保が必要となるケースあり。 |
| 融資利率 | 取扱金融機関所定の利率 |
| 信用保証料率 | 年0.39%〜年1.62%(保証料率区分により変動) |
| 責任共有制度 | 対象(保証実行の際には所定の責任共有制度が適用) |
この枠構造では、典型的な“急な資金需要”だけではなく、“継続的な融資利用”を前提とした「根保証」形式とされています。つまり、枠を確保した上で何度でも借入・返済を繰り返すことが可能です(ただし保証期間内・限度額内)。このような設計が「手続きの削減/スピード融資」を現実的にしています。
また、無担保枠が設定されていることで、担保を提供できない中小零細企業でも利用の敷居が下がっており、資金繰り上の“選択肢”として有効です。加えて、返済を随時行うことで利息発生を限定できるため、コスト効率的な運用も可能です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 一度契約すれば、何回でも借りられますか?
はい。本制度では、保証期間中・枠内であれば複数回の借入が可能とされています。たとえば売上変動が激しい季節商売、仕入周期が短い製造業等では、枠を確保しておくだけで「突然の追加仕入れ」「急な設備修理」などにすぐ対応できます。
Q2. 保証料は毎回支払う必要がありますか?
保証枠確保の契約時に一括で支払うケース、あるいは枠の利用実績・契約更新時に再計算されるケースがあります。支払い形式は契約条件により異なりますので、事前に協会・金融機関に確認をおすすめします。
Q3. 利用実績がなくてもデメリットはありますか?
利用がなければ当然利息も発生しません。ただし、枠を長期間使わないと更新時の条件見直しや枠縮小になる可能性があります。「備えておくだけ」ではなく、一定利用実績をつくることで継続性が確保されやすいです。
Q4. 複数の金融機関と契約できますか?
原則として、枠の確保は一金融機関ごとに契約されることが一般的です。もし複数の金融機関で枠を持ちたい場合には、それぞれ個別に契約・審査が必要となりますので、利用中の金融機関との相談がまず重要です。
Q5. 借入枠だけ確保して、使わないで終わってもいいですか?
はい、それ自体にペナルティは基本ありません。ただし、枠確保契約中も定期的な財務報告・保証料支払い・条件維持の義務がある場合がありますので、条件をしっかり把握しておくことが重要です。
まとめ|日々の資金ニーズに強い味方
茨城県信用保証協会の当座貸越根保証制度は、繰り返し使える「安心の資金枠」をあらかじめ確保しておくことで、必要な時に迅速な融資実行が可能となる、非常に実務的で利便性の高い制度です。特に、日常の資金繰りが不安定になりがちな中小企業・個人事業主にとって、備えとしての効果が高く、経営の安全網として活用しやすい仕組みです。
「急な仕入れや支払いが発生するかもしれない」「手続きが面倒で借り入れをためらってきた」と感じている方にとって、この制度は“手続きのハードルを下げる”重要な選択肢となるでしょう。まずはお取引のある金融機関や信用保証協会に相談し、自社の「枠確保」を検討してみてください。
将来に備えた“ゆとりある資金設計”こそ、変動する経営環境を乗り切る鍵です。ぜひ、この制度を活用して、安心・安定した事業運営を目指しましょう。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























