
経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「顧客ロイヤリティ向上策」って?
「一度は買ってくれたのに、その後は音沙汰なし…」
そんな経験、ありませんか?
新規顧客の獲得はもちろん重要ですが、企業の安定的な成長には既存顧客のロイヤリティを高めることが欠かせません。
1. 顧客ロイヤリティとは?
ズバリ言います。
顧客ロイヤリティとは、顧客が企業やブランドに抱く愛着・信頼・つながりの深さを指します。
ロイヤリティが高い顧客は、
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継続的に購入する(リピート)
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新商品やサービスを試す
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周囲に口コミや紹介をしてくれる
つまり、広告費をかけずに売上を伸ばす“優良資産”となります。
2. なぜ経営者が重視すべきか?
顧客ロイヤリティ向上は、次のような効果をもたらします。
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LTV(顧客生涯価値)の向上
一人の顧客が生涯に生み出す利益が大きくなる -
安定収益の確保
景気変動や競合出現の影響を受けにくくなる -
新規顧客獲得コストの削減
口コミや紹介で自然に新規顧客が増える
特に中小企業や個人事業主にとっては、限られた予算で売上を維持・拡大するための重要な戦略です。
3. 顧客ロイヤリティ向上の実践例
① 会員制度やポイントプログラム
購入額に応じたポイント付与やランク制度で、継続利用を促す。
例:年間購入額が一定を超えるとVIP特典を提供。
② パーソナライズドサービス
購入履歴や好みに基づいた商品提案やメール配信。
例:過去に買ったスニーカーと相性の良い新作ソックスの提案。
③ コミュニティ運営
顧客同士が交流できる場を提供。
例:ユーザー限定オンラインサロン、イベント開催。
④ サプライズ&感動体験
予想外のうれしい体験を提供。
例:誕生日カードや限定プレゼント。
4. 顧客ロイヤリティを育てる3つの軸
私が経営者に提案する基本方針は以下の通りです。
A. 信頼の積み重ね
商品やサービスの品質を安定して提供し、約束を守る。
B. 感情的つながり
ストーリーブランディングや共感できる理念の発信で、感情面の絆を強化。
C. 継続的な関与
接触頻度を高める工夫。メルマガ、SNS、定期イベントなど。
5. 実践ステップ
① 現状把握
リピート率、解約率、顧客満足度調査などのデータ収集。
② 課題特定
「初回購入後に離脱が多い」「特典の利用率が低い」など具体的な問題を洗い出す。
③ 改善施策の立案
小さな施策から始めて効果検証。例:フォローアップメールの改善。
④ 定期的な改善
半年ごとに指標を見直し、PDCAサイクルを回す。
6. よくある失敗パターン
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値引きに頼りすぎる
割引目当ての顧客は、他社が安くなれば離れてしまう。 -
一方通行の発信
顧客の声を聞かず、押し付け型の情報提供になる。 -
施策の形骸化
ポイントや会員制度が形だけになり、魅力を失う。
7. 成功事例
あるカフェチェーンは、アプリで来店履歴を管理し、常連客に限定メニューを案内。来店頻度が20%アップしました。
また、ある美容室は、施術後に顧客の髪質に合わせたホームケアアドバイスを手書きカードで提供。結果、リピート率が2倍に向上しました。
8. 今日からできる実務チェックリスト
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顧客の名前や好みを把握しているか?
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接点を増やすための仕組みがあるか?
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顧客の声を定期的に収集しているか?
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継続利用したくなる魅力を提供できているか?
まとめ
顧客ロイヤリティ向上策は、売上と利益を安定的に伸ばすための最重要戦略です。
新規獲得ばかりに注目せず、今いる顧客との関係を深めることで、長期的な成長基盤が築けます。
経営者としては、信頼・感情的つながり・継続的な関与という3本柱を意識し、地道に積み重ねることが成功への近道です。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。