
出資と投資の違い、ズバリ解説します!〜起業準備中のあなたに贈るお金の基本〜
はじめに:「出資」と「投資」、何が違うの?
こんにちは。起業コンサルタント®、税理士・社労士・行政書士・FPとして、これまで年間300人以上の起業家を支援してきた中野裕哲です。
さて、今回は起業準備中の会社員の方からよくいただく質問、
「“出資”と“投資”って何が違うんですか?」
にズバリ、お答えいたします。
一見似ているこの2つの言葉。でも、起業の現場ではまったく意味が違ってくるのです。
知らずに混同してしまうと、あなたの資金調達やビジネスの進め方に大きな誤解が生じることにもなりかねません。
この記事では、起業前のあなたが「最低限押さえておきたいポイント」をわかりやすく解説していきます。起業の土台を固めるうえで、大切なお金の考え方が身につく内容です。
第1章:まず定義から押さえよう!
●「出資」とは何か?
ズバリ、「出資」とは、ある事業の“オーナーシップを得る”ためにお金を出すことです。
会社を設立する際に出資すると、株主になります。つまり「その会社の持ち主のひとり」になるわけです。出資した金額に応じて議決権が得られ、利益が出れば配当金も受け取れます。
重要なポイントは、「返済義務がない」こと。
だからこそ、出資をしてもらうには、あなたのビジネスに対する信用や熱意が不可欠です。
●「投資」とは何か?
一方、「投資」は、将来の利益を目的に“リターンを狙ってお金を出す”行為です。たとえば株式投資や不動産投資が典型ですね。
投資家はその企業の経営には関与せず、利益が出れば値上がり益や配当益を得ますが、損失が出ればそのリスクも背負うことになります。
つまり、投資の本質は「お金を働かせること」です。
第2章:「出資」と「投資」の5つの違い
観点 | 出資 | 投資 |
---|---|---|
目的 | 経営に参加、オーナーになる | 利益を得る |
権利 | 議決権などの経営権を得る | 基本的に口出しはできない |
リスク | 会社の倒産時は全損 | 投資対象の値動きで変動 |
リターン | 配当や事業成長による利益 | 配当・値上がり益など |
時期 | 会社設立時・増資時など | 市場取引時いつでも |
第3章:あなたが「出資を受ける」立場になったとき
起業家として、あなたが誰かから「出資してもらう」立場になったら、何が求められるでしょうか?
それは、
-
事業内容の明確さ
-
経営者としての資質
-
信頼関係
です。
たとえばエンジェル投資家から出資を受ける場合、口約束ではなく「株主間契約」「出資契約書」の締結が必要になります。
このあたりは専門家にしっかり相談して進めることをオススメします。万一のトラブル防止にもつながります。
第4章:「投資家」を迎えるメリットと注意点
●メリット
-
資金が一気に調達できる
-
企業の信用力が上がる
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投資家の人脈・知見を活用できる
●注意点
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経営の自由度が下がる場合がある
-
失敗時に人間関係が壊れるリスク
-
株式の希薄化によるコントロールの低下
投資家との関係構築は、まさに「結婚」のようなもの。軽はずみな判断は禁物です。信頼関係を築ける相手と丁寧に話し合いながら進めましょう。
FAQ:よくある質問にお答えします!
Q1. 両親からの「出資」は投資ですか?
→場合によります。お金を返す必要がないなら「出資(贈与)」ですが、契約書なしで「出世払いね」と言われた場合、税務上は「借入金」とみなされる可能性もあります。
Q2. 出資と融資の違いは?
→融資は「返済義務あり」、出資は「返済義務なし」。また、融資は利息がつく一方、出資には配当などの利益分配が前提になります。
Q3. 出資を受けると、会社はどう変わる?
→株主が増えれば、意思決定のスピードや自由度が変わります。議決権比率にも要注意。
第5章:起業前にできる3つの準備
-
出資者候補と信頼関係を築く
-
ピッチ資料を用意しておく
-
専門家に事前相談をしておく
起業直前に慌てて出資を募るのでは遅いのです。普段からの人間関係、信用構築がカギです。地道な準備が、のちの安心につながります。
おわりに:正しい理解が成功のカギ
出資も投資も、起業の成功を左右する重要な資金源です。ただし、その違いを正しく理解しておくことが大前提。
どちらも一歩間違えば、将来のトラブルや後悔につながりかねません。
不安な方は、どうぞお気軽に「まるごと起業支援」の無料相談をご利用ください。あなたのスタートアップを全力でサポートいたします!
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。