
「誰にでも売ろうとすると、誰にも売れない」|商品より先に決めること
起業の準備で商品やサービスを考えるとき、「できるだけ多くの人に買ってもらいたい」と考えるのは自然なことです。しかし、マーケティングの世界には、「誰にでも売ろうとすると、誰にも売れない」という格言があります。今回は、この言葉から、商品そのものよりも先に決めておきたい「誰に売るか」という考え方について見ていきます。
「誰にでも売ろうとすると、誰にも売れない」とは、どういうことか
この格言は、幅広い人に向けて商品やサービスをアピールしようとすると、結局どの人にも響かなくなってしまうという考え方を表しています。すべての人に当てはまるような、無難で当たり障りのない説明は、誰の心にも強く刺さりません。特定の誰かに向けて、はっきりと語ることのほうが、結果としてより多くの人に伝わりやすくなります。
なぜ、絞ったほうが伝わりやすくなるのか
「あなたのために」という言葉は、具体的な誰かに向けられているときほど、力を持ちます。「多くの人に向けて」という言葉は、誰にとっても「自分には関係ない」と感じられやすいものです。ターゲットを絞ることで、その人にとっての困りごとや望みに、より具体的に寄り添った言葉を使えるようになり、結果として伝わる力が強くなります。
商品より先に、「誰に売るか」を決める
起業準備では、どうしても商品やサービスの内容を先に考えてしまいがちです。しかし、成功している起業家の多くは、商品を考える前に、「誰に向けてこの商品を作るのか」をまず決めています。ターゲットが先に決まっていれば、その人に合わせて商品の内容や伝え方を調整していくことができます。
ターゲットを決めることへの、よくある不安
ターゲットを絞ると、「それ以外の人を切り捨ててしまうのではないか」と不安になる人もいます。しかし、ターゲットを絞ることは、その人たちしか相手にしないという意味ではありません。あくまで、商品やメッセージを考えるときの「中心」を決めるという意味であり、実際には、ターゲット以外の人が買ってくれることもよくあります。
自分の経験から、ターゲットを考えてみる
ターゲットを決めるとき、自分自身の過去の経験を振り返ってみるのも、一つの方法です。自分が以前困っていたこと、悩んでいたことを思い出し、「過去の自分と同じような状況の人」をターゲットとして考えてみると、具体的なイメージがつかみやすくなります。自分の経験に根ざしたターゲットは、説得力のある商品づくりにもつながります。
ターゲットは、一度決めたら変えられないわけではない
最初に決めたターゲットが、必ずしも最後まで正しいとは限りません。実際にお客さんと接していく中で、思っていたターゲットとは違う層に喜ばれることもあります。最初のターゲット設定は、あくまで出発点として考え、実際の反応を見ながら、柔軟に見直していく姿勢を持っておくことが大切です。
ターゲットを決めると、言葉選びも変わる
ターゲットが決まると、商品の説明に使う言葉も、自然と変わっていきます。幅広い人に向けた説明では、専門的すぎず、誰にでも分かるような、やや薄い表現になりがちです。一方、具体的なターゲットに向けた説明では、その人が使っている言葉や、気にしているポイントに合わせた表現を選ぶことができ、より強く伝わるメッセージになります。
複数のターゲットを、無理に一つにまとめない
実際には、一つの商品に複数のターゲットが考えられる場合もあります。そうしたときに、すべてを一つの説明にまとめようとすると、かえって誰にも伝わらなくなってしまいます。それぞれのターゲットに向けて、別々の言葉で伝える方法を用意しておくことも、一つの有効な工夫になります。
今の仕事の中にも、ターゲットを考える練習がある
ターゲットを決める練習は、起業してから初めて行うものではなく、今の仕事の中でも実践できます。自分が担当している業務で、本当に喜んでくれているのはどんな人なのかを、一度考えてみましょう。日々の仕事の中でターゲットを意識する習慣が、起業準備における商品づくりにも、自然と活きてきます。
💬 執筆者の坂井から一言
相談の場でも、できるだけ多くの人に向けて考えてしまう方は多いですが、一人の具体的な人を思い浮かべてもらうと、計画の中身が一気に具体的になる方が多いという印象を、これまでの相談でも、より強く持っています。
よくある質問
Q. ターゲットを絞ると、お客さんの数が減ってしまいませんか
A. 一時的にそう感じるかもしれませんが、具体的なターゲットに向けて作った商品は、結果としてより多くの人に伝わりやすくなることがよくあります。
Q. ターゲットが思いつかないときは、どうすればいいですか
A. 自分自身の過去の経験や、身近な人の困りごとから考えてみましょう。具体的な一人を思い浮かべることが、最初の一歩になります。
まとめ:今日からできること
今日は、自分の商品やサービスを「誰に届けたいか」、具体的な一人を思い浮かべて書き出してみてください。「誰にでも売ろうとすると、誰にも売れない」という格言が、商品づくりの指針になります。
【無料相談のご案内】
弊社は、V-Spiritsグループ代表の中野裕哲を中心に、中小企業診断士・元補助金審査員の三浦をはじめとした専門家チームが、業種を問わない幅広い起業・新規事業のご相談に対応しております。何から始めればいいかわからないという段階でも、適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























