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コラム

スタートアップ創出促進保証 創業計画書の書き方|審査に通る計画書作成のコツ

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スタートアップ創出促進保証 創業計画書の書き方|審査に通る計画書作成のコツ

創業時の資金調達を検討するなかで、「スタートアップ創出促進保証」という制度の名前を見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。この制度を利用すれば、原則として経営者個人の保証を求められずに、信用保証協会の保証付き融資を申し込むことができます。一方で、利用には所定の創業計画書の提出と、独自の要件への適合が必要です。

本記事では、スタートアップ創出促進保証における創業計画書の書き方について、制度の概要、提出が求められる理由、書き方の手順、業種別の記入例、よくある失敗パターンまでを、起業直後の個人事業主・中小企業の経営者向けに整理します。創業融資の審査で評価される計画書の組み立て方をご紹介します。

スタートアップ創出促進保証とは

スタートアップ創出促進保証は、創業前または創業後一定期間内の事業者を対象に、経営者個人の保証を不要として信用保証協会の保証付き融資を受けられる制度です。これまで多くの創業融資では、代表者の個人保証が前提となっていましたが、本制度では原則として個人保証を求めないことが特徴です。

主な利用イメージ

金融機関(取引銀行・信用金庫など)を窓口にして信用保証協会の保証を付け、創業資金を借り入れる仕組みです。経営者保証が不要になることで、万が一の事業失敗時に個人資産まで責任が及ぶリスクを軽減でき、創業のハードルを下げる役割を担っています。

創業計画書の提出が必要

本制度を利用するには、所定の創業計画書を金融機関・信用保証協会に提出する必要があります。日本政策金融公庫の創業計画書と項目は近いものの、スタートアップ創出促進保証独自の要件に応える形での記述が求められる点に注意が必要です。本記事の情報は2026年5月時点のものを基にしているため、最新の制度内容・要件・様式は信用保証協会または金融機関の公式情報で必ず確認してください。

スタートアップ創出促進保証の創業計画書で書く要素

本制度の創業計画書には、一般的な創業計画書と共通する項目に加えて、本制度特有の評価ポイントに沿った記述が求められます。代表的な要素は次のとおりです。

1. 創業の動機・事業内容

なぜこの事業で創業するのか、扱う商品・サービスは何かを具体的に記述します。創業時点で物件・取引先・顧客などの準備が進んでいるなら、その進捗も書きます。

2. 経営者の経歴・事業との関連性

創業者の職歴のうち、開業する事業と関連する経験を中心に記載します。役職・規模・成果まで含めて書くことで、事業の実現可能性が伝わります。

3. 市場性・差別化要素

狙う市場の規模感、競合状況、自社の差別化要素を整理します。スタートアップ創出促進保証では、成長性のある事業構想であることが評価ポイントの一つです。

4. 必要資金と調達計画

設備資金・運転資金の使い道、自己資金や本融資による調達計画を一覧化します。一般的な創業計画書と同じ枠組みで、合計が一致するよう記入します。

5. 収支計画・返済計画

創業当初と1年後の月平均の売上・原価・経費・利益を示し、利息控除後の利益で元金返済が賄えることを示します。返済原資の妥当性が制度利用の前提となります。

6. ガバナンス体制・財務管理

経営者保証を外す制度であるからこそ、会社と個人の資金を分けて管理すること、適切な財務管理を行うことを明示できると評価につながります。

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書き方の手順

ステップ1:制度の最新要件と所定様式を確認する

まず、利用予定の金融機関または信用保証協会から、最新の制度要件と所定様式を入手します。制度の対象事業者・融資上限・保証料率などは見直しが入る可能性があるため、最新情報を必ず確認します。

ステップ2:事業の全体像を1枚に整理する

創業計画書を書き始める前に、事業内容・顧客像・収支構造・初期投資・調達計画を1枚のメモに整理しておきます。これによって、計画書内の各項目が矛盾なく書けます。

ステップ3:各項目を埋めていく

動機・経歴・事業内容・市場分析・資金計画・収支計画の順に書きます。「成長性」「再現性」「返済原資」の3要素を意識すると、本制度の趣旨に沿った計画書になります。

ステップ4:会社・個人の財務管理体制を明示する

会社設立後の経理体制、税理士など外部専門家の活用方針、会社資金と個人資金の分離方針などを明記すると、ガバナンス意識の高さが伝わります。

ステップ5:提出前に第三者の目で通読する

計画書全体を、金融機関の担当者目線で読み直します。可能であれば、過去の融資審査経験者など第三者にチェックしてもらうと、改善点が見えやすくなります。

業種別の記入のコツ

テクノロジー系スタートアップ

サービスのユニーク性、市場規模、想定ユーザー数、収益モデルを定量的に示します。スケール可能なビジネスモデルであることを伝えると、成長性の評価に直結します。

飲食・小売など店舗型ビジネス

立地分析、客層、客単価、回転率、月次売上シミュレーションを丁寧に組み立てます。再現可能性(多店舗展開や複数チャネル展開)まで示せると評価が高まります。

士業・コンサルなどサービス業

専門領域の独自性、既存顧客見込み、案件単価、稼働可能時間など、収益の積み上げ構造を数値で示します。

よくある失敗例

日本政策金融公庫の創業計画書をそのまま流用する

項目構成は似ていますが、本制度の創業計画書は成長性・財務管理体制の記述が求められる点で異なります。流用する場合でも、独自要件に応じた書き足しが必要です。

収支計画が楽観的すぎる

経営者保証を外す前提の制度であるからこそ、収支計画には特に慎重さが求められます。初年度から大幅黒字を見込む過度な数字は警戒されます。

ガバナンス体制への言及がない

会社と個人の資金分離、適切な財務管理の方針が記述されていないと、経営者保証を外すリスクが評価できません。具体的な管理方針を1段落入れましょう。

制度要件の最新版を確認していない

制度内容は更新されることがあります。古い様式で提出してしまうと、それだけで再提出となるケースもあるため、必ず最新版を確認します。

記入時のチェックポイント

  • 所定様式の最新版を使用しているか
  • 成長性・差別化要素を明確に示せているか
  • 返済原資(利息控除後の月次利益)が元金返済を上回るか
  • 会社・個人の資金分離や財務管理体制を記述しているか
  • 各項目の数字・記述に矛盾がないか

まとめ

スタートアップ創出促進保証は、経営者個人の保証を原則不要として創業資金を調達できる、起業家にとって心強い制度です。創業計画書を書く際のポイントは以下の通りです。

  • 制度の最新要件と所定様式を必ず確認する
  • 成長性・再現性・返済原資の3要素を意識して構成する
  • 会社と個人の資金分離など、財務管理体制を明示する
  • 収支計画は楽観的すぎず、現実的な水準で組み立てる
  • 業種特性に応じた数値・差別化要素を盛り込む

本制度の創業計画書は、一般的な創業計画書よりも一段踏み込んだ事業構想の整理が求められます。書き方に迷ったら、過去の融資審査の現場を熟知した専門家に相談することで、制度の趣旨に沿った計画書に仕上げられます。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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