
起業資金はどうする?日本政策金融公庫の賢い活用術
こんにちは!起業コンサルタント(R)・税理士・行政書士・FPの中野裕哲が、今回も熱くお伝えしてまいります。
今回は「日本政策金融公庫(略して“公庫”)」をテーマに、起業を1年後に考えている会社員の方へ、ゼロから分かる創業融資の活用術をお届けします。
ズバリ言います。起業を成功に導くカギの一つは「資金計画」です。そして、その資金の“第一の選択肢”が日本政策金融公庫なのです。
1. 日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫とは、国が100%出資して運営している公的金融機関です。中小企業や創業者を対象に、民間金融機関ではカバーしきれない分野への資金供給を担っています。
特に注目すべきは「新規開業・スタートアップ支援資金」。起業前後の融資に特化した制度で、多くの起業家がこの制度を活用してスタートを切っています。
2. 創業融資制度の特徴
無担保・無保証人で借りられる!
通常の銀行融資では、担保や保証人が必要なケースがほとんどです。でも公庫の創業融資制度は違います。
- 原則、担保不要
- 保証人も不要(代表者個人の連帯保証が不要)
これって、起業家にとっては非常にありがたい話なんです。
金利が低い&返済期間も選べる!
- 利率はおおよそ年1.0%〜2.0%前後(制度によって異なる)
- 設備資金なら返済期間20年以内
- 運転資金なら返済期間10年以内
3. 審査で見られるポイントとは?
ここが一番気になるところですよね。ズバリ、以下の3つがポイントです。
(1)自己資金の有無
最低でも、必要資金の3分の1程度は用意しておきたいところ。少なくとも100万円〜500万円程度の自己資金は見ておくと安心です。
(2)その業種の経験年数
起業する業種での「実務経験」があるかどうかが問われます。3年以上の経験が望ましいとされています。
(3)事業計画書の完成度
創業の目的、ビジネスモデル、収支計画、資金使途など、現実的かつ説得力ある内容が求められます。
4. 融資を受けるためのステップ
ステップ1:自己資金を貯めよう
通帳に“コツコツとためてきた履歴”があると、金融機関の信頼度がグッと上がります。
ステップ2:事業計画書を作成する
自分の頭の中を整理する意味でも重要。専門家と一緒にブラッシュアップするのもオススメです。
ステップ3:面談対策をする
融資担当者との面談では、自分のビジョンを自信をもって語れるよう準備しておきましょう。
ステップ4:必要書類をそろえる
以下の書類が必要になります:
- 申込書
- 履歴書
- 事業計画書
- 収支予測表
- 開業資金の見積書類
- 通帳のコピー(過去6ヶ月〜1年)
5. よくある誤解とその真実
「公庫って、借りるの大変なんでしょう?」 →いえいえ、きちんと準備すれば、通過率は決して低くありません。
「公庫より民間銀行の方がいいのでは?」 →民間は実績重視です。起業前後なら、公庫の方が圧倒的に現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1:起業前でも融資は受けられますか? →はい、受けられます。公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は起業前でも申込可能です。
Q2:自己資金が少ないとNGですか? →絶対ではありませんが、ある程度は必要です。親からの資金援助や贈与でも構いませんが、経緯の説明は求められます。
Q3:面談で何を聞かれますか? →事業の動機、ビジネスモデルの強み、収支の見通し、自己資金の貯蓄状況などが主な質問内容です。
Q4:融資までの期間は? →申込から着金まで、およそ3週間〜1ヶ月が目安です。
まとめ:日本政策金融公庫は“起業家の味方”
会社員として給料をもらっている今のうちに、起業の準備を着々と進めることが何より大切。そして「日本政策金融公庫」という選択肢を知っておくことは、資金計画の要となります。
しっかりと準備をすれば、創業融資の審査は決して高い壁ではありません。
さあ、一緒に最高のスタートダッシュを切りましょう!あなたの起業を心から応援しています。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。