
銀行融資に断られた中小企業が次に取るべき行動
銀行に融資を断られると、「もう資金調達の手段がない」と不安になるかもしれません。しかし、融資を断られたことは終わりではなく、原因を見直して次の一手を打つための出発点です。本記事では、銀行融資を断られた中小企業が次に取るべき行動を、断られた理由の把握から別の金融機関・公的制度の活用、融資以外の選択肢まで、起業直後の個人事業主・中小企業にもわかりやすく整理します。
融資を断られても資金調達の道は閉ざされていない
金融機関にはそれぞれ審査基準や得意分野があり、ある銀行で断られても別の金融機関では評価が変わることは珍しくありません。大切なのは、感情的に動かず、なぜ断られたのかを冷静に把握し、改善できる点を直してから次に進むことです。やみくもに何件も申し込むと、かえって評価を下げてしまうこともあります。
まず「断られた理由」を正確に把握する
銀行は断った理由を詳しく説明してくれないことも多いですが、次につなげるには理由の見当をつけることが欠かせません。よくある理由は次のとおりです。
赤字や債務超過など業績の問題
直近の決算が赤字、または債務超過の状態だと、返済能力に懸念があると判断されやすくなります。
自己資金が不足している
とくに創業期は、自己資金が少ないと「計画性が低い」「返済原資が乏しい」と見られがちです。
資金使途や返済計画が不明確
借りたお金を何に使い、どう返すのかが曖昧だと、審査では大きなマイナスになります。
信用情報に問題がある
税金や社会保険の滞納、ほかの借入の延滞などがあると、審査に影響します。
事業計画の説得力が弱い
売上の根拠が乏しい、数字が楽観的すぎるなど、事業計画そのものが弱いと評価されにくくなります。
銀行に断られた後に取るべき具体的な行動
1. 断られた理由を確認し、改善する
まずは自社の財務状況を金融機関の視点で客観的に見直します。理由を改善できれば、次の審査で評価が変わる可能性があります。
2. 審査基準の異なる金融機関に当たる
都市銀行、地方銀行、信用金庫、日本政策金融公庫では、審査の基準や得意分野が異なります。民間銀行で難しい場合でも、中小・小規模事業者支援を担う日本政策金融公庫で相談できることがあります。
3. 公的な支援制度を活用する
日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)や、自治体の制度融資(信用保証協会の保証付き融資)など、中小企業向けの公的制度があります。担保・保証人の要件は制度によって異なり、見直されることもあるため、最新の条件を必ず確認してください。
4. 融資以外の資金調達も視野に入れる
すぐに資金が必要な場合は、補助金・助成金の活用や、売掛金を早期に資金化するファクタリングなど、融資以外の手段も選択肢になります。それぞれ手数料やコストがあるため、内容を理解したうえで使うことが大切です。
5. 早めに専門家に相談する
何が原因で、次に何をすべきかの判断は、融資の現場を知る専門家の視点があると精度が上がります。一人で悩む前に相談することで、打ち手の幅が広がります。
融資を断られた後にやってはいけないこと
- 理由を確かめずに、同じ内容で何件も申し込む
- 数字を取り繕った事業計画を提出する
- 高金利の借入に安易に手を出す
こうした行動は、状況をさらに悪化させかねません。なお、融資が「必ず通る」方法は存在せず、審査は金融機関が総合的に判断するものです。地道に改善を積み重ねることが、結果的に近道になります。
まとめ
銀行融資を断られても、資金調達の選択肢は一つではありません。まず断られた理由を把握して改善し、審査基準の異なる金融機関や公的制度、融資以外の手段へと視野を広げることが大切です。一人で抱え込まず、融資の実務に詳しい専門家に早めに相談することで、次の一手が見えやすくなります。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
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- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。




























