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コラム

介護施設の創業融資が審査で落ちる理由とは?対策も解説

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介護施設の創業融資が審査で落ちる5つの理由と、公庫で通すための準備

訪問介護やデイサービス、グループホームなどで開業を目指すとき、多くの方が日本政策金融公庫の創業融資を検討します。介護は社会的ニーズが高く、安定した収入が見込みやすい事業だと思われがちですが、それでも創業融資の審査で落ちてしまうケースは珍しくありません。「介護なら通るはず」という前提でいると、思わぬところでつまずきます。

この記事では、これから介護施設を開業する個人事業主・中小企業の方に向けて、創業融資が審査で落ちる主な理由と、審査を通すための準備、断られた後の対処法を整理します。なお、金利や限度額などの数字は変わりやすいため、本記事は執筆時点(2026年6月)の情報として読み、最終的には日本政策金融公庫の公式情報でご確認ください。

そもそも創業融資とは

創業融資とは、主に日本政策金融公庫が提供する、起業時の資金調達を目的とした融資制度のことです。政府系金融機関が提供するため、民間金融機関では対応が難しい創業期にも積極的に取り組むのが特徴です。無担保・無保証人での借り入れが原則として可能で、事業の実績がなくても、事業計画書と自己資金をもとに審査が行われます。

現在の主力制度は「新規開業・スタートアップ支援資金」で、融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。2026年3月時点の基準利率は年3.25〜4.65%で、創業期に無担保で利用する場合は原則0.65%(雇用拡大を図る場合は0.9%)の引き下げが適用される可能性があります。元金返済の据置期間は5年以内で設定でき、据置期間中は利息のみの支払いとなるため、開業初期の資金繰りに余裕を持たせられます。

介護施設の創業融資が審査で落ちる5つの理由

1. 自己資金が不足している・説明できない

創業融資の審査では、自己資金が重要な評価軸になります。自己資金は、コツコツ準備してきた事業への本気度を示す材料だからです。金額が少ないだけでなく、「どこから出てきたお金か説明できない」ことも問題視されます。自己資金は、面談時点で通帳などにより口座で確認できるようにしておきましょう。

なお、創業前に自費で取得した資格・設備や備品の購入、テストマーケティング費用などは、一定範囲で「みなし自己資金」として評価されることがあります。領収書は必ず保管しておきましょう。

2. 事業計画書の説得力が不足している

事業の実績がない創業時は、事業計画書の説得力がそのまま審査結果に直結します。介護事業の場合、「利用者がどれだけ集まるのか」の根拠が弱い計画書が目立ちます。営業エリアの高齢者人口や要介護者数、競合施設の状況、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの連携見込みなど、利用者獲得の道筋を具体的な数字で示せるかどうかが鍵になります。希望的観測だけの売上計画は、審査担当者にすぐ見抜かれます。

4. 介護特有の人員・指定の見通しが甘い

介護事業は、サービス種別ごとに人員基準や設備基準が定められ、都道府県・市区町村の指定(許認可)を受けて初めて事業を開始できます。管理者やサービス提供責任者、必要な有資格者を確保できる見通しが立っていないと、「そもそも事業を開始できるのか」という根本的なところで計画の実現性を疑われます。指定申請のスケジュールと、融資実行・開業のタイミングを整合させておくことが大切です。

5. 経営者個人の信用情報に問題がある

税金や公共料金、各種ローンの支払い遅延・滞納があると、審査でマイナスに働きます。意外に見落とされがちですが、申請前に自分の支払い状況を整理し、滞納があれば解消しておくことが基本です。

💬 無料相談のご案内

弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫法人営業の小峰を中心とした専門家チームが、幅広い融資を含む資金調達支援・起業支援・経営支援を行っております。「何から始めればいいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

V-Spiritsでは年間1,000件以上の融資などの資金調達支援や起業・経営支援を行っております。専門チームが伴走支援を行います。

審査を通すための準備のポイント

利用者獲得の根拠を数字で示す

介護事業の創業計画で最も問われるのが「利用者をどう集めるか」です。商圏の高齢者数や要介護認定者数といった公的データ、近隣の競合状況、紹介ルート(居宅介護支援事業所、病院、地域包括支援センターなど)を具体的に示し、開業からどのくらいの期間で稼働率が上がっていくのかを段階的に説明しましょう。

運転資金を厚めに見積もる

介護事業は、サービス提供から介護報酬が入金されるまでにタイムラグがあります。国保連を通じた介護報酬の入金は、サービス提供月の約2か月後になるのが一般的で、その間も人件費や家賃は発生します。開業直後は赤字が先行しやすいため、運転資金を厚めに見積もっておくことが、資金ショート回避と審査上の説得力の両面で効いてきます。創業融資の限度額は運転資金4,800万円までを含む設計なので、必要額を過小に見積もらないことが大切です。

スケジュールに余裕を持つ

創業融資は、申請から融資実行まで書類提出後おおむね3週間〜1か月が目安です。書類準備を含めると、申請準備に1か月、審査・実行に1か月の合計2か月程度を見込むと安全です。介護の指定申請とも時期が重なるため、逆算してスケジュールを組みましょう。

審査に落ちてしまった後の対処法

一度審査に落ちても、すぐにあきらめる必要はありません。まずは落ちた理由を冷静に振り返ることが第一歩です。自己資金、計画の数字の根拠、資金使途、人員体制のうち、どこに弱点があったのかを点検し、改善してから再挑戦します。なお、同じ内容ですぐに再申請しても結果は変わりにくいため、計画を立て直すことが前提になります。

公庫で希望どおりにならなかった場合でも、自治体の制度融資(信用保証協会付き融資)など、他の選択肢を併せて検討する道もあります。どの方法が自社の状況に合うか判断が難しいときは、融資に詳しい専門家に相談すると、改善点が整理しやすくなります。なお、創業融資に「必ず借りられる」方法は存在しません。準備の質を高めることが、結果的に通過率を上げる近道です。

よくある質問

Q. 自己資金はいくらあれば介護施設の創業融資に通りますか

一律の基準はありませんが、自己資金は事業への本気度を示す重要な材料です。金額の多寡だけでなく、出所を説明できることが大切です。申請時点で口座に確認できる形にしておきましょう。

Q. 介護報酬の入金待ちの期間はどう乗り切りますか

介護報酬はサービス提供から入金まで約2か月のタイムラグがあります。その間の人件費・家賃を賄えるよう、運転資金を厚めに確保しておくことが基本です。創業融資の運転資金枠を活用し、開業初期のキャッシュフローに据置期間を組み合わせる方法もあります。

Q. 指定がまだ取れていない段階でも融資の相談はできますか

相談自体は可能です。ただし、指定の見通しや人員確保の計画が立っていることが、計画の実現性を示すうえで重要になります。指定申請と融資のスケジュールを整合させておきましょう。

まとめ

介護施設の創業融資が審査で落ちる背景には、自己資金の不足や説明不足、事業計画書の説得力不足、資金使途の組み立てミス、介護特有の人員・指定の見通しの甘さ、個人の信用情報といった理由があります。逆にいえば、これらを一つずつ丁寧に詰めれば、通過の可能性は高められます。介護報酬の入金タイムラグを踏まえた運転資金の確保や、利用者獲得の根拠づくりは、介護事業ならではの重要ポイントです。準備に不安がある場合は、融資に詳しい専門家に早めに相談し、計画の精度を高めていきましょう。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業

資金繰り解決コンサルタント

V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役

大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。

日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。

クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役

同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。

支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。

日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。

長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人

中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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