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コラム

公庫創業融資 必要書類一覧|準備チェックリストと書き方のコツ

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日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資を申し込むときは、所定の書式と添付書類を揃える必要があります。「書類は公庫のサイトからダウンロードできるのか」「記入方法に決まりはあるのか」「面談時に追加で求められる書類はあるのか」――こうした実務的な疑問に答えるのが本記事のテーマです。

本記事では、公庫の創業融資で必要となる書類について、公庫所定様式の入手方法・記入のコツ・添付書類の整理ポイントを実務目線でまとめます。最新の書式・取扱いは公庫公式サイトおよび支店窓口で必ず確認してください。

公庫所定様式の入手方法

公庫の創業融資で使う所定様式は、公庫公式サイトの「国民生活事業」「中小企業事業」のページからダウンロードできます。書式は時期によって改訂されるため、申込時の最新版を必ず使用します。

ダウンロードできる主な書式

  • 借入申込書:希望融資額・資金使途・返済期間などを記入する基本書類
  • 創業計画書:事業内容・経営者略歴・必要資金・調達方法・事業の見通しを記入する中核書類
  • 月別収支計画書:月別の売上・経費・利益・資金繰りを示す(任意添付だが推奨)
  • 企業概要書:すでに事業を行っている場合に提出(新規創業のみなら不要)
  • 申込にあたって御確認ください:申込にあたっての注意事項を確認

インターネット申込にも対応しており、書式をダウンロードして手書き提出するか、オンラインで入力・提出するか選べます。

創業計画書の記入のコツ(公庫所定様式)

公庫の創業計画書は、おおよそA3用紙1〜2枚に8項目を記入する構成です。各項目の記入ポイントを整理します。

① 創業の動機

「いつから」「なぜこの事業か」「準備の経緯」を具体的に書きます。記入欄はそれほど大きくないため、要点を3点程度に絞ります。

② 経営者の略歴等

勤務先・役職・在籍期間・担当業務を時系列で書きます。資格・許認可も忘れずに記入します。最後の行で「今回の事業との関連」を一文で示すと、経験と事業の整合性が伝わります。

③ 取扱商品・サービス

商品・サービスの内容、セールスポイント、販売・取扱方法を書きます。売上構成比(「商品Aで70%、商品Bで30%」など)を示すと、事業全体が見えやすくなります。

④ 取引先・取引関係等

仕入先・販売先を具体的に書きます。「○○株式会社(東京都新宿区)」のように、社名と所在地を入れると説得力が出ます。シェア(%)・取引条件(掛取引/現金)・回収期間も記入欄がある場合は丁寧に埋めます。

⑤ 従業員

創業時の常勤役員・従業員(うち家族)・パートを記入します。創業当初は1名でも問題ありませんが、将来計画があれば備考欄に記載します。

⑥ お借入の状況

個人としての借入残高・毎月返済額を正確に書きます。住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローンなどすべて記載します。隠そうとすると信用情報照会で必ず発覚するため、ありのままを書くのが鉄則です。

⑦ 必要な資金と調達方法

左側に「設備資金」「運転資金」を内訳ごとに記入し、右側に「自己資金」「親、兄弟、知人、友人等からの借入」「日本政策金融公庫 国民生活事業からの借入」「他の金融機関等からの借入」を書きます。左側と右側の合計が完全一致するように、最後に必ず突き合わせます。

⑧ 事業の見通し

「創業当初」と「軌道に乗った後」の売上・売上原価・経費・利益を記入します。各項目について「売上の根拠」「軌道に乗る時期と理由」を備考欄に書き加えると、計画の論理性が伝わります。

添付書類の準備

公庫所定様式に加えて、添付書類を別途準備します。業種・規模で必要書類が変わります。

本人確認書類

  • 運転免許証(両面)・マイナンバーカード(表面)・パスポートのいずれか

法人の場合

  • 履歴事項全部証明書(登記事項証明書)の原本:法務局で取得
  • 定款のコピー
  • 法人の印鑑証明書

個人事業主の場合

  • 直近の確定申告書のコピー(既に事業を行っている場合)

資金使途を裏付ける書類

  • 設備資金の見積書(複数業者から相見積を取ると評価が上がる)
  • 工事請負契約書のコピー(内装工事を伴う場合)
  • 賃貸借契約書のコピー(店舗・事業所)
  • 許認可証(業種に応じて)

自己資金を示す書類

  • 通帳のコピー(直近半年〜1年分、最新まで記帳)
  • 自己資金の積立履歴がわかるページ

その他

  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 住民票(求められた場合)
  • 納税証明書(未納がないことの証明)・または納税したことがわかる納付書等

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公庫面談で追加で求められる書類

申込時の書類だけでなく、面談時または面談後に追加で求められる書類があります。事前に予測しておくと、提出依頼が来てから慌てずに対応できます。

  • 創業準備中の領収書・レシート:「すでに○万円を準備で使った」と書いた分の証憑
  • 住宅ローン・自動車ローンの返済予定表:個人の借入額の正確な確認用
  • 家計の収支表:経営者の生活費・家族の収入と整合するかの確認用
  • 競合店の調査メモ:競合分析のサポート資料
  • 商品写真・サンプル:商品・サービスの実態確認用
  • 事業所予定地の地図・写真:立地条件の確認用

公庫所定書類の記入でつまずきやすいポイント

  • 必要資金と調達方法の合計不一致:左右の合計を最後に必ず突き合わせる
  • 記入欄が小さく要点が絞れない:A3一枚の所定様式は記入欄が限られている。別紙添付(A4で詳細版)を活用
  • 「お借入の状況」の記入漏れ:カードローンや教育ローンなどを忘れがち。信用情報照会で必ず発覚するため正直に記載
  • 取引先が抽象的:「これから開拓」では弱い。実名・所在地・取引条件で書く
  • 創業当初と軌道後の数字に飛躍がある:軌道に乗る時期と理由を備考で説明する
  • 字が読みにくい:手書きの場合、読みやすさは審査の第一印象に影響する

公庫公式サイトを使いこなす

金利情報ページ

公庫公式サイトには「金利情報」ページがあり、月単位に近い頻度で最新の適用金利が公表されます。申込時に必ず確認します。

返済シミュレーション

事業資金用の返済シミュレーションが公開されており、借入額・期間・金利から月額返済額と総返済額を試算できます。複数パターンを試算しておくと、必要資金額の決定に役立ちます。

記載例・サンプル

業種別の創業計画書の記載例が公開されています。自社業種に近いサンプルを参考にすると、項目別の書き方のイメージが掴めます。ただし、コピペは厳禁。自分の事業の言葉に置き換えて書きます。

公庫の創業融資 準備チェックリスト(実務版)

申込の3〜4週間前から準備開始

  • □ 公庫公式サイトから所定書式をダウンロード
  • □ 法人の場合:履歴事項全部証明書・定款を取得
  • □ 個人事業主の場合:開業届・直近確定申告書のコピーを準備
  • □ 通帳の最新まで記帳・コピー(直近半年〜1年分)
  • □ 設備資金の見積書を依頼(相見積を含む)

申込の1〜2週間前に整理

  • □ 創業計画書の下書き作成
  • □ 月別収支計画(12〜36ヶ月)の試算
  • □ 賃貸借契約書・許認可証のコピー
  • □ 既支出分の領収書・レシートをまとめる

申込直前に整える

  • □ 創業計画書を公庫所定様式に清書
  • □ 必要資金と調達方法の合計一致を最終確認
  • □ 借入申込書の記入
  • □ 面談での想定問答の準備

よくある質問

Q. 公庫所定書式はどこでダウンロードできますか?

公庫公式サイトの「国民生活事業」(個人・小規模事業者向け)または「中小企業事業」(中規模事業者向け)のページで、申込書類一式をダウンロードできます。

Q. 創業計画書は別紙を添付してもいいですか?

公庫所定様式に書ききれない場合は、A4の別紙で詳細版を添付するのが一般的です。所定様式の方には要点を絞って書き、別紙で詳細を説明する構成が、読み手にとってわかりやすくなります。

Q. インターネット申込と書面申込ではどちらが有利ですか?

審査における優劣はありません。手続きの利便性で選んで問題ありません。インターネット申込のほうが添付書類のアップロードが楽な反面、書面提出のほうが面談を含めた一連の流れがスムーズに感じる方もいます。

Q. 月別収支計画書は必須ですか?

公庫所定の創業計画書には「事業の見通し」を年計で書く欄しかありませんが、月別収支計画書を別途添付すると審査評価が上がります。任意添付ですが、ぜひ準備したい書類です。

まとめ

公庫の創業融資の必要書類は、公式サイトでダウンロードできる所定様式を中心に、添付書類を業種・規模に応じて準備します。重要なのは次の3点です。

  • 公庫公式サイトの最新書式と金利情報・返済シミュレーションを活用する
  • 創業計画書は所定様式+別紙(詳細版)の2層構造で組み立てる
  • 必要資金と調達方法の合計一致、お借入状況の正確な記載などの細部を最後に確認

「公庫所定様式の記入で迷う項目がある」「自社業種の記載例が公庫サイトに見当たらない」と感じる場合は、一度専門家に相談すると、所定様式の細部まで含めて整理しやすくなります。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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