日本政策金融公庫の融資はいつ決まる？審査から着金まで徹底解説
ズバリ言います。「日本政策金融公庫の融資は、申込から着金まで平均1ヶ月程度」です。ただし、書類の不備や準備状況によっては、もっと早くなることもあれば、逆に長引くこともある──それが実務のリアルです。
この記事では、「まるごと起業支援」をモットーに、融資現場に深く関わってきた私、中野裕哲が、日本政策金融公庫の融資スケジュールと注意点について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
融資の流れをざっくり理解しよう
- 事前相談・準備
- 申込書類の提出
- 面談（ヒアリング）
- 審査・結果連絡
- 契約・着金
この一連の流れが、スムーズにいけば3週間程度で完了する場合もあります。ただし、個人の状況や提出資料の完成度によって大きく変わります。
ステップごとの期間とポイント
① 事前相談・準備（約1～2週間）
実はこのステップが一番大事です。資金使途、必要金額、返済計画などを整理し、事業計画書や自己資金の証明資料を揃える時間です。税理士や中小企業診断士などの専門家に相談すれば、より早く的確な準備が可能です。
② 申込書類の提出（即日～数日）
提出する書類には、事業計画書、履歴事項全部証明書（法人の場合）、住民票、収支計画表、資金繰り表などが含まれます。書類の完成度によって、その後の進行スピードが大きく変わります。
③ 面談（申込から約1週間以内）
公庫の担当者との面談では、あなたの事業への思いや現状、見通しについて詳しくヒアリングされます。ここでの説明力と誠実さが、審査の印象に大きく影響します。
④ 審査・結果連絡（約1週間～10日）
融資可否の連絡は、面談から1週間程度が目安です。混雑時や年末年始などは多少遅れることもあります。減額での承認になるケースもあるため、資金繰り計画には余裕を持ちましょう。
⑤ 契約・着金（約5～7営業日）
融資決定後、契約書が届き、返送後に口座へ着金されます。契約書への署名捺印、印鑑証明の添付、銀行口座情報の確認など、事務的な作業を素早く行うことで、着金も早まります。
早く融資を受けるためのコツ
- 書類は完璧に揃えて提出
- 自己資金の裏付けを明確にする
- 返済可能性のある収支計画を組む
- 嘘は書かない（実態と合わない内容は必ずバレます）
- 第三者（税理士・中小企業診断士）の支援を活用する
よくある質問
Q：急いでいるのですが、特急対応は可能？
A：基本的に特急制度はありませんが、申込が空いている時期や、書類が完璧で面談もスムーズなら、3週間以内に着金するケースもあります。
Q：開業前でも融資は可能？
A：可能です。特に創業融資制度を活用すれば、実績ゼロでも事業計画と人柄・熱意で融資が通る可能性があります。
Q：自己資金が少なくても大丈夫？
A：できれば1/3以上あると望ましいですが、他の要素で補える場合もあります。自己資金ゼロでは厳しいです。
まとめ：段取りと準備がすべて
日本政策金融公庫の融資は、決して「遅い・堅い・通らない」わけではありません。むしろ、しっかり準備すれば通りやすい制度です。ポイントは、スケジュールの逆算と、丁寧な事前準備です。
不安な方は、融資サポート実績が豊富な専門家に相談することで、申込から着金までのスピードも成功率もグッと上がります。
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この記事を書いた人
中野裕哲／Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授（起業論、ゼミ等）
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援！「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル（事業計画＋融資＋補助金＋会社設立支援）＋起業後の総合サポート（経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関）など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫／Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫（旧国民金融公庫）に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
