
パーソナルジム開業で創業融資を使うべき理由|資金繰り失敗のタイミングと対策
パーソナルジム開業の資金繰りを守る創業融資の使い方とよくある失敗
パーソナルジムの開業は、トレーニングマシンなどの設備投資が先行して重くなりやすいのが特徴です。本記事では、①開業資金の内訳の考え方、②創業融資を使わないと資金繰りがショートしやすい理由、③在職中から取り組める準備、を中心に解説します。1対1指導ゆえに客数の上限が決まっている業種特有の構造も踏まえ、資金計画の立て方を見ていきましょう。
結論:パーソナルジム開業に創業融資を借りるべき理由
パーソナルジムの開業では、トレーニングマシンなどの専門性の高い設備投資が開業当初からまとまって発生します。指導の質を支える機材投資は避けにくく、開業資金の中でも比重が大きい項目です。
加えて、1対1指導のため、トレーナー1人が1日に対応できる客数には物理的な上限があります。稼働時間と客単価の掛け算で月商の天井が決まる構造のため、集客できても売上が一気に伸びるわけではなく、開業直後の運転資金を自己資金だけでまかなうのは難しくなりがちです。開業資金と運転資金を分けて確保できる創業融資の活用が、資金繰りの土台になります。
パーソナルジムが開業後に資金繰りショートしやすいタイミング
次のようなタイミングで資金繰りが厳しくなりやすい傾向があります。
- 開業直後、器具のリース料やローン返済、家賃などの固定費が稼働率にかかわらず発生し続ける時期
- 1対1指導のため会員数が段階的にしか積み上がらず、集客できても売上化までに時間差が生じる時期
- 広告費をかけ続けても、トレーナーの稼働時間の上限により追加の広告費が売上増に直結しにくくなる時期
「開業失敗」で見つかる他社の事例には、開業直後の低稼働期に固定費負担が続き、想定より早く手元資金が減っていく傾向が共通してみられます。この傾向を踏まえた資金計画が、資金繰りの安定につながります。
資金繰りショートを防ぐための具体策
資金繰りのショートを防ぐには次の考え方を押さえておきましょう。
- 運転資金は、開業直後の低稼働期を見込んで余裕を持って複数か月分を確保する
- 固定費(家賃、機材のリース料またはローン返済、人件費)と変動費(消耗品費、広告費の変動分)を分けて見積もる
- 月ごとの入出金を可視化する資金繰り表を作成する(業種別テンプレートの参考も有効)
設備は融資購入のほかリースで揃える選択肢もありますが、次のデメリットもあります。
- 連帯保証人が必要になる
- 機器の ownership を持てない
- 中途解約が難しい
- 修理負担が借主側になる契約が多い
どちらが有利かは資産計上の考え方や資金繰りの状況で変わるため、賃貸借費用の負担も含め税理士や金融機関に相談しながら判断することをおすすめします。
💬 執筆者の小峰から一言
信用金庫で融資を出す側にいたころ、機材をリースで揃える方の多くは月々の支払いの軽さだけを見て契約していました。所有権が持てない点や中途解約のしにくさは、あとから資金繰りの選択肢を狭める要因になりやすいので、契約前に確認しておくとよいと思います。
在職中にできる準備
在職中から取り組める準備は複数あります。
- 自己資金の作り方:額や割合の要件は決まっていませんが、審査の重要な判断材料になり、多いほど有利になりやすいとされています。面談時点で口座に確認できる形にしておきましょう。
- みなし自己資金の整理:創業前に自費で取得したトレーナー資格の取得費用、自費購入の小型器具・備品、テストマーケティング費用などは、一定範囲で自己資金として評価されることがあります。領収書を保管しておきましょう。
- 必要な資格の取得:実務経験に加え、関連資格を計画的に取得しておくと事業計画書の説明材料になります。
- 顧客リストや仕入先の確保:在職中から見込み客とのつながりや器具の仕入れ先の目星をつけておきましょう。
- スタジオ物件の探し方:仲介会社の見極めは最初の連絡の早さや量が目安です。気になる物件は現地で導線や周辺環境を確認しましょう(V-Spiritsグループ代表・中野裕哲の著書『一日も早く起業したい人がやっておくべきこと・知っておくべきこと』より)。
- 法人設立・書類準備:法人設立の要否を検討しつつ、創業計画書や見積書など必要書類を計画的に整えましょう。
💬 執筆者の小峰から一言
信用金庫で融資を出す側にいたころ、自己資金は金額の大小よりも、どう貯めてきたかを説明できるかを重視して見ていました。トレーナー資格の取得費用や自費で揃えた器具の領収書も、面談で経緯を説明する材料になります。
創業融資の申込タイミングと審査で見られるポイント
創業融資は在職中から退職後まで幅広いタイミングで申し込めますが、適したタイミングは事業計画の完成度や自己資金の準備状況で変わり断定はできません。自己資金の形成状況と事業計画の完成度を基準に、申込先へ相談しながら時期を見極めましょう。
審査では、業務経験、自己資金、事業計画の具体性、資金使途と調達額の整合、信用情報などをもとに判断されます。トレーナーとしての勤務経験や勤務年数、担当会員数や指導実績は業務経験の説明材料になります。面談では集客計画や会員数の見込みの根拠、機材の見積もりと調達額の整合性も確認されます。
創業融資でも決算書は見られます。新設会社でも一期決算が締まっていればその決算書が確認され、代表者が別に会社を経営していればその決算書も対象になります。
2026年8月現在の基準利率は、創業期(税務申告を2期終えていない時期)に利用する場合で年3.55〜5.25%です。創業期の方が利用する場合は、原則0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)の引下げが適用される可能性がありますが、適用可否は利用する制度や審査・条件により異なるため、必ず下がると考えず申込先で確認してください。元金返済の据置期間は5年以内の範囲で認められることがあり、据置中は利息のみの支払いとなります。適用される利率や据置期間は審査のうえ金融機関が決定するもので、申込者が選んで決められるものではありません。
よくある失敗パターンとその回避法
次のような失敗パターンがよくみられます。
- 客数の上限を見込まずに売上計画を立ててしまう:1対1指導では稼働時間と客単価の掛け算で月商の天井が決まります。回避策は、稼働時間の上限から月商の天井を先に計算し、それを踏まえた売上計画にすることです。
- 設備投資を開業時に一括で揃えすぎる:高額な器具をまとめて揃えると、稼働率がまだ低い開業初期から重い固定費(減価償却やリース料)を抱えます。回避策は、必要最小限にとどめ、会員数の増加に合わせて段階的に増設することです。
- 斯業経験の説明材料を整理しないまま申込む:実務経験があっても、事業計画書でどう説明するか整理しないと具体性で見劣りします。回避策は、担当してきた会員数や指導実績を数字で棚卸しし、計画書に落とし込んでおくことです。
パーソナルジムの開業資金で迷ったらV-Spiritsの無料相談へ
パーソナルジムの開業資金や創業融資の使い方に迷ったときは、無料相談で事業計画の整理から始めることをおすすめします。設備投資の内訳や運転資金の見積もり方など、業種特有の論点を踏まえて整理できます。
V-Spiritsグループは、これまでに712件(2026年6月時点)の創業融資を支援してきました。フィットネス業種の支援実績は51件(構成比7.2%)にのぼり、パーソナルジムを含むフィットネス関連の相談も受け付けています。
よくある質問
Q. パーソナルジム開業でも創業融資は使えますか
はい、対象になります。トレーニングマシンや器具の購入費用、内装費用、開業当初の運転資金など、事業に必要な資金使途であれば検討できます。
Q. 開業資金はどのくらい用意すればよいですか
自己資金の額や割合の要件は制度上決まっていませんが、審査の重要な判断材料になり、多いほど有利になりやすいとされています。面談時点で口座に確認できる形にしておきましょう。
Q. トレーナーとしての勤務経験は審査で評価されますか
審査で問われる経験欄は、同じ業種での勤務経験や勤務年数、担当役割です。トレーナーとしての実務経験や指導実績は業務経験として説明材料になります。
Q. トレーニングマシンなどの設備購入費は融資の対象になりますか
設備の購入は事業に必要な資金使途にあたるため対象として検討できます。見積もりの内容と調達額が整合しているかも確認される点なので、事前に見積書を整えておきましょう。
Q. 機材はリースと融資のどちらで揃えるべきですか
リースは初期費用を抑えられる一方、連帯保証人が必要になる、所有権が持てない、中途解約が難しい、修理負担が借主側になる契約が多いといったデメリットもあります。どちらが有利かは資産計上の考え方や資金繰りの状況で変わるため、税理士や金融機関に相談しながら判断することをおすすめします。
Q. 一度審査に落ちたら再申込できますか
原因を潰さずに再申込しても結果は変わりません。自己資金不足、事業計画の説得力不足、説明不足など否決の理由を特定し、改善したうえで再申込することが必要です。
【無料相談のご案内】
融資を受けるには何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
- 資金調達支援1,000件以上
- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























