
みなし大企業は補助金が対象外?定義・判定基準と確認手順を解説
導入
「資本金も従業員数も中小企業の基準内なのに、補助金が“対象外”と言われました」
これは、実務の現場で実際によくあるご相談です。
ズバリ結論から申し上げます。
・補助金や他の制度では“みなし大企業”を対象外とする場合があります。しかし、中小企業基本法には「みなし大企業」という規定はありません。
つまり、法律上は中小企業でも、補助金のルールによっては対象外になることがある、ということです。
本記事では、
✔ 制度ごとの違い
✔ よくある判定基準
✔ 申請前に行うべきチェック方法
を、実務目線でわかりやすく整理していきます。
結論整理:基本法では中小企業でも、補助金では対象外になり得る
まず押さえるべきポイントです。
■ 中小企業基本法
条文上は、資本金や従業員数の基準を満たせば「中小企業者」に該当します。
ここに「みなし大企業」という概念はありません。
■ しかし補助金は別
補助金制度では、公募要領の中で
-
「みなし大企業は対象外」
-
「大企業が支配している場合は対象外」
と定められていることがあります。
必ず確認すべきなのは、法律ではなく“公募要領”です。
「みなし大企業」はどこで定義される?
「みなし大企業」という言葉は、一般用語ではありません。
多くの場合、
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公募要領
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募集要項
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FAQ
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用語定義欄
に定義が置かれています。
探すときは次のキーワードを見ましょう。
-
補助対象者
-
補助対象外
-
大企業
-
みなし大企業
-
支配関係
ここに答えがあります。
【代表例】よくある除外要件(資本・役員の支配)
補助金でよく見る“型”は、主に次の3つです。
パターン1:同一の大企業が1/2以上所有
発行済株式総数または出資金額の 2分の1以上 を
同一の大企業が所有している場合。
これは典型的な「子会社型」です。
パターン2:大企業が合算で2/3以上所有
複数の大企業の合計で
3分の2以上 を所有している場合。
実務ではこちらもよく見ます。
パターン3:役員構成で支配(人的支配)
大企業の役員または職員を兼ねる者が
役員総数の2分の1以上
この「人的支配」も重要な論点です。
ポイントはここです。
従業員数ではなく、“支配関係”が問題になる。
株式・議決権・役員兼任。この3つが核心です。
「大企業」の定義は制度ごとに違う
中小企業基本法には「大企業」の定義はありません。
一方で、他法令では
「その法律における中小企業者に該当しない者」
という形で定義されることがあります。
つまり、
制度ごとに定義が違う。
これが実務を難しくしている原因です。
最短ルートは一つ。
申請する補助金の公募要領を確認すること。
自社が対象外かを最短で確認する手順
実務で私が行っているチェック手順をご紹介します。
【チェックリスト】
① 公募要領の対象外規定を確認
② 株主構成を整理
③ 役員一覧を整理
④ グループ関係図を作成
⑤ 不明点は事前照会
整理すべき資料
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発行済株式総数
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出資割合
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議決権割合
-
役員一覧(兼任含む)
-
親会社・子会社関係図
図にしてみると、支配関係は一目で見えます。
【ケース別】典型パターン
ケースA:大企業が1/2超所有
→ 対象外になりやすい
ケースB:大企業合算2/3超
→ 対象外になりやすい
ケースC:役員の過半が兼任
→ 対象外になりやすい
ケースD:資本金は中小だが資本関係が強い
→ 基本法上は中小企業でも、補助金では対象外になる典型例
対象外だった場合の対応策
落ち込む必要はありません。
打ち手はあります。
① 中小企業限定でない制度を探す
② 補助金以外(助成金・融資・税制)を活用
③ 専門家に事前確認しリスクを下げる
制度は一つではありません。
選択肢を広げることが重要です。
よくある質問
Q:資本金基準を満たせば必ず中小企業?
→ 基本法上はYES。補助金は別問題です。
Q:どこを見ればよい?
→ 公募要領の対象外規定。
Q:役員兼任は影響する?
→ 「役員総数の過半」など要件次第です。
まとめ
-
中小企業基本法に「みなし大企業」規定はない
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補助金では対象外規定が置かれることがある
-
「1/2」「2/3」「役員過半」が典型ライン
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早めの確認が最大のリスク対策
補助金は“出してから考える”では遅いのです。
V-Spiritsへの相談
当社では次のサポートを行っています。
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公募要領前提の対象外リスク一次判定
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株主構成・役員兼任の整理
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グループ関係図の作成
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代替制度の提案
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照会文案の作成支援
ご相談前にあるとスムーズな資料:
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株主構成(出資比率・議決権)
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役員一覧
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グループ関係図
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申請予定の補助金名
【無料相談のご案内】
弊社では、元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが補助金支援を行っております。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。



























