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コラム

建設業がものづくり補助金を使う方法|革新的新製品枠と新事業進出枠の選び方【2026年度版】

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建設会社が2026年度ものづくり補助金を使いこなすための実践ガイド

建設業では、人手不足への対応やICT施工の導入、新分野への事業展開を検討する中で、「補助金は使えないか」という相談が増えています。特に2026年度は、これまで別制度だった「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合され、制度が大きく変わりました。

この記事では、建設業が2026年度の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」をどう使えるか、2つの枠の選び方、対象経費の線引き、賃上げ要件のリスク、そして似た制度である中小企業省力化投資補助金(一般型)との使い分けまで、実務目線で整理します(本文の数字は2026年6月時点の公募要領1.0版にもとづきます)。

建設業で補助金活用の相談が増えている背景

建設業では、ICT建機・測量機器の導入による省力化投資、木材加工や施工技術を活かした新分野(例:オーダーメイド家具製造、ドローン測量サービス、太陽光・蓄電池施工など)への進出を検討する中小企業が増えています。設備投資額が数百万円〜数千万円規模になりやすい業種のため、補助金の活用可否が投資判断そのものを左右するケースも少なくありません。

「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」とは|2026年度に統合された制度

2026年度(令和8年度)から、従来の「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合され、正式名称は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」になりました(公募要領1.0版・令和8年6月)。建設業が主に検討する枠は次の2つです。

  • 革新的新製品・サービス枠:自社の技術力を活かして新製品・新サービスを開発する取り組みが対象。補助上限は従業員規模により最大750万〜2,500万円(大幅賃上げ特例適用時は最大3,500万円)、補助下限100万円
  • 新事業進出枠:既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出が対象。補助上限は従業員規模により最大2,500万〜7,000万円(大幅賃上げ特例適用時は最大9,000万円)、補助下限750万円

いずれも上限額は「最大の従業員規模かつ大幅賃上げ特例を適用した場合の最大値」であり、無条件で使える上限ではありません。実際の上限は自社の従業員規模で変わるため、申請前に自社が該当する区分を確認する必要があります。

革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠、建設業はどちらを選ぶべきか

建設業向けの補助金紹介記事の多くは制度を横並びで紹介するだけで、どちらの枠を選ぶべきかの判断基準までは踏み込んでいません。実務では、次の観点で切り分けます。

  • 既存事業の延長で新しい製品・工法を開発するなら「革新的新製品・サービス枠」:例えば、自社の施工技術・木材加工の知見を活かした新製品の開発など、既存事業の技術を土台にした新製品・サービス開発が該当しやすい類型です
  • 既存事業とは異なる新市場・新業態に進出するなら「新事業進出枠」:例えば、施工で培った技術を使って家具製造・販売という新市場に進出する、ドローン測量を新事業として立ち上げるといった取り組みが該当しやすい類型です

公募要領では、新事業進出枠について「日本初・世界初である必要はなく、申請者にとっての新規性であればよい」とされる一方、既存事業と同一市場での増産や単なる商圏違いは対象外とされています。「新しそうに見せる」だけの計画は審査で通りにくいため、自社にとって何が新規かを具体的に説明できるかが分かれ目になります。

対象経費と「単なる設備更新」との線引き

建設業の相談で特に誤解されやすいのが対象経費の範囲です。両枠とも、機械装置・システム構築費(単価10万円税抜以上)が必須の対象経費になりますが、「新製品・新サービスの開発を伴わない単なる導入」は対象外とされています。既存の重機を型番違いに買い替えるだけ、既存業務を効率化するだけの投資は、この制度では対象外になりやすく、その場合は後述する中小企業省力化投資補助金(一般型)の方が制度趣旨に合うことがあります。

なお、新事業進出枠に限り建物費(単なる購入・賃貸は対象外)も対象経費に含められる点は、革新的新製品・サービス枠との大きな違いです。

賃上げ要件と返還リスクを見落とさない

建設業向けの補助金紹介では、賃上げ要件の返還リスクにまで触れている記事は多くありません。両枠共通の基本要件として、一人当たり給与支給総額を年平均+3.5%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とする計画が求められ、未達の場合は補助金の返還が発生し得ます。上限額を引き上げる「大幅賃上げ特例」(給与支給総額+6.0%以上かつ最低賃金+50円以上)は、返還リスクも相応に高くなるため、無理のない賃上げ計画を組むことが重要です(2026年6月時点の公募要領にもとづく内容。適用可否は審査・条件により異なります)。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

中小企業省力化投資補助金(一般型)との使い分け

建設業の設備投資では、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」と「中小企業省力化投資補助金(一般型)」のどちらが合うか迷うケースが多くあります。目的で切り分けると次のようになります。

  • 新製品・新サービスの開発、新市場への進出が主目的→新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠)
  • 既存事業の省力化・生産性向上(人手不足対応の自動化など)が主目的→中小企業省力化投資補助金(一般型)。補助上限1億円、単価50万円(税抜)以上の機械装置等が対象で、労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画が求められます

ICT建機やドローン測量機器の導入であっても、「既存現場の効率化」が主目的なら省力化投資補助金(一般型)、「新しい施工技術・サービスの提供」が主目的ならものづくり補助金、という軸で整理すると判断しやすくなります。両制度を同じ経費で重複申請することはできません。

2026年度 公募スケジュールと申請の流れ

2026年度第1回公募は、2026年6月29日に公募開始、申請受付は8月31日から、申請締切は10月31日18時、採択発表は翌年1月頃の予定です。電子申請にはGビズIDプライムが必須のため、未取得の場合は早めに取得しておく必要があります。事業計画書は申請者自身が作成することが求められており、外部への丸投げは不採択・交付決定後の取消対象になり得る点にも注意してください。

建設業でよくある失敗・審査で落ちやすいポイント

  • 汎用パソコンや自動車、建物の単純購入・家賃など、対象外経費を計画に含めてしまう
  • 「新しさ」を業態・商圏の違いだけで説明し、技術面・市場面の新規性を具体的に示せていない
  • 賃上げ計画が実態と乖離しており、達成できず返還につながるリスクを見落としている
  • 省力化投資補助金の方が制度趣旨に合う内容なのに、ものづくり補助金で申請してしまう

よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主(一人親方)でも申請できますか?

中小企業者であれば個人事業主も対象になり得ますが、直近の課税所得水準や実態確認の可否など、要件は制度ごとに定められています。詳細は最新の公募要領で確認してください。

Q. ICT建機の導入だけでも申請できますか?

設備の導入自体は対象経費になり得ますが、「新製品・新サービスの開発」や「新市場への進出」を伴わない単なる導入は、ものづくり補助金では対象外とされる可能性があります。既存業務の効率化が主目的であれば、中小企業省力化投資補助金(一般型)の対象になるか確認するのが近道です。

まとめ

2026年度の「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、建設業にとって新製品開発や新分野進出を後押しする有力な選択肢です。一方で、革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠のどちらが合うか、対象経費に含まれるか、賃上げ要件の返還リスクをどう見るかは、自社の投資内容によって変わります。単なる設備更新が目的であれば中小企業省力化投資補助金(一般型)が向くこともあるため、投資の目的を整理したうえで制度を選ぶことが、採択への近道になります。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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