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コラム

補助金 不採択でも資金計画は崩れない?先に決めたい代替プラン

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補助金が不採択でも慌てないために、申請前に決めておきたい資金計画

創業の準備を進める中で、事業計画に補助金を組み込もうと考えている方は多いと思います。ただ、補助金には審査があり、必ず採択されるとは限りません。「不採択になったら、すでに動かしたお金はどうなるのか」「資金計画が崩れてしまうのではないか」という不安を抱くのは自然なことです。とくに創業前の検討段階では、補助金が通ることを前提に資金計画を組んでしまい、あとで身動きが取れなくなることを心配する方もいるはずです。この記事では、不採択になったときに実際に何が起きるのかを整理し、申請前に決めておきたい代替プランについて考えます。

結論:不採択で失うのは、お金ではなく「待っていた時間」

先に結論からお伝えすると、不採択になったからといって、すでに支出したお金が無駄になるわけではありません。正しい手順で申請を進めていれば、不採択の時点でまだ何も発注・購入していない状態のはずだからです。不採択で実際に失うのは、審査結果が出るまでの「待っていた期間」、つまり事業の着手が止まっていた時間です。この時間のロスをどう受け止めるかが、資金計画を立てるうえでの一番の論点になります。「お金を失うリスク」に目が向きがちですが、創業前の検討段階で本当に気にしておくべきなのは「時間のリスク」のほうだと考えておくと、申請前の備え方が変わってきます。

なぜお金は無駄になりにくいのか

補助金の公募要領には、注意事項として次のように明記されています。

「本補助金は、審査があり、不採択になる場合があります。」

そしてもう一つ重要なのが、交付決定前に補助事業として発注・契約・購入・支払いをしてはいけないという仕組みです。申請の流れを大まかに見ると、「申請書類の提出」→「審査」→「採択」→「交付決定」という順番を踏んだあとで、はじめて補助事業を開始できることになっています。採択が決まった時点でもまだ事業を始められるわけではなく、交付決定通知書を受け取ってからでなければ、補助金を使う前提の発注や支払いには進めません。つまり、申請から採択発表、さらに交付決定までの間は、そもそも補助事業としてお金を動かしてはいけない期間だということです。

この仕組みを守って申請していれば、不採択になった時点で「すでに支出していたお金が無駄になる」という事態は起きにくい構造になっています。失っているのはお金ではなく、審査結果を待つあいだ身動きが取れなかった時間だ、と捉えておくと、不採択への備え方も見えてきます。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

「不採択=お金を失う」と思われがちですが、実際は交付決定前に支出できない仕組みがあるおかげで、お金そのものはあまり傷みません。見落とされやすいのは、審査結果を待っているあいだ、事業の手が止まっていたという時間のほうだと感じています。審査員として見てきた立場からも、この時間の受け止め方を事前に決めている申請者ほど、結果が出たあとの動きが早い印象があります。

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中野裕哲
V-Spiritsグループ代表 中野裕哲

弊社は、V-Spiritsグループ代表の中野裕哲を中心に、元補助金審査員の三浦をはじめとした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

不採択に備えて申請前に決めておきたいこと

審査結果が出るまで時間がかかることを踏まえると、申請前に「不採択だったらどうするか」をあらかじめ決めておくことが、資金計画を崩さないための備えになります。選択肢として、次の3つの方向性を整理しておくとよいでしょう。どれを選ぶかは制度側のルールではなく、ご自身の事業の状況に応じた経営判断です。

①自己資金などで進める

自己資金やこれまでの売上の範囲で対応できる規模であれば、補助金の有無にかかわらず計画どおりに進めるという選択です。補助金はあくまで上乗せと考え、事業の進行自体は審査結果を待たない、という割り切り方になります。この場合は、補助金を使う予定だった部分を自己資金でまかなえるかどうかを、申請前にひととおり計算しておく必要があります。

②着手を延期する

補助金を前提にした部分だけ着手を遅らせ、採択発表を待ってから動き出すという選択です。時間のロスは発生しますが、資金的な無理をせずに済みます。延期した場合に事業全体のスケジュールがどこまで後ろ倒しになるかを、あらかじめ見積もっておくと判断がしやすくなります。開業や販路拡大の時期がずれることで、売上計画にどの程度影響するかも合わせて考えておきたいところです。

③次の公募を待つ

今回の結果にかかわらず、次の公募回での申請を前提に考えるという選択です。補助金制度は複数回にわたって公募されることが多いため、今回を一つの機会と捉え、次回に向けて事業計画や経費の内容を見直す時間に充てるという考え方もあります。どちらを選ぶにしても、「不採択だったらこうする」という方針を申請前に自分の中で決めておくことが、結果が出たあとに慌てないための一番の備えになります。

資金計画への影響:補助金を前提にしすぎない考え方

審査から採択発表までの期間は、制度や公募回によって異なります。たとえば小規模事業者持続化補助金 第20回の例では、申請受付の締切が2026年12月15日17時、採択発表は2027年3月頃と予定されており、交付決定は採択発表からさらに1〜2か月程度かかる場合があるとされています。申請してから実際に事業を開始できるようになるまで、数か月単位の期間を見込んでおく必要があるということです。こうした期間は制度や公募回ごとに異なるため、申請する制度の公募要領で必ず確認してください。

このスケジュールを資金計画に落とし込むときは、「補助金が採択される前提」で計画を組んでしまわないことが大切です。採択発表までの期間、事業がまったく動かない状態を許容できるのか、それとも一部は自己資金で先行させておきたいのか。この判断を申請前にしておくことで、不採択という結果が出たときにも、資金計画そのものが崩れることを避けられます。

もう一点、資金計画で踏まえておきたいのは、補助金は後払いであり、補助事業の遂行にあたっては自己負担が必要になるという点です。仮に採択されたとしても、補助金が実際に手元に入るのは、事業を実施して実績報告書を提出し、補助金額が確定したあとになります。採択された場合でも、事業に必要なお金を一旦自分で用意して動かす場面がある、という前提で資金計画を考えておく必要があります。

まとめ

補助金には審査があり、不採択になる可能性があります。しかし、交付決定前の発注や支払いが認められていない仕組みのおかげで、不採択によってお金そのものが無駄になることは起きにくくなっています。本当に備えておきたいのは、審査結果を待つ期間に事業の着手が止まってしまうという時間のロスです。申請前に「進める・延期する・次回公募を待つ」といった選択肢を整理しておけば、結果がどちらに出ても資金計画を大きく崩さずに次の一手を選べます。補助金はあくまで事業計画を後押しする一つの手段であり、それが通ることを前提に資金計画の全体を組んでしまわないこと。この考え方を申請前に持っておくだけで、不採択という結果への受け止め方はずいぶん変わるはずです。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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