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コラム

地域復興の事業で使える助成金の選び方|国と自治体の制度を中小企業診断士が解説

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地域貢献の事業で使える助成金、何を基準に探せばいい?

地元の復興や地域づくりに関わる事業を始めたい方から、こんなご相談をよくいただきます。

「地元の復興や地域づくりにつながる事業を始めたいと考えています。使える助成金は、事業内容や会社を置く場所によって変わるのでしょうか?」

坂井優介

回答者

坂井優介

補助金と助成金の両方を知り尽くした支援金のスペシャリスト

結論からお伝えすると、使える助成金・補助金は「事業内容」と「会社を置く場所」の両方で変わります。この2つを分けて考えると、探し方の見通しがぐっと良くなります。

まず整理しておきたいのは、助成金・補助金には大きく2つの層があるということです。1つは国が全国一律で用意している制度で、業種や事業内容の条件を満たせば、どの地域の事業者でも申込みの対象になります。もう1つは、都道府県や市区町村が独自に用意している制度で、こちらは地域の課題や予算に応じて内容が大きく異なり、同じような事業でも隣の自治体では対象外、ということが普通にあります。地域づくり・地域活性化を目的にした事業は、後者の自治体独自の制度と相性が良いことが多いのですが、その分「事業内容や場所によって変わる」という感覚を一番強く持つことになります。

全国共通の制度のうち、業種を問わず使いやすいものの一例として、小規模事業者持続化補助金があります。これは販路開拓(新しい顧客層への営業活動やPR、設備投資など)を対象経費とする制度で、補助上限は250万円です。地域の特産品や観光資源を活かした販路開拓、地域住民向けの案内チラシ・ウェブサイトの整備など、地域に根ざした事業の立ち上げ段階で使われることが多い制度です。ただし対象経費の区分や申請の時期は公募回ごとに変わるため、数字を使う場合は必ず執筆時点の情報であることを確認してください。

一方、自治体独自の地域活性化系の助成金は、名称も対象も自治体ごとに異なり、年度で内容が切り替わることも珍しくありません。そのため「この制度を使えば大丈夫」とあらかじめ名前を挙げて説明することができず、事業を予定している市区町村の情報を直接調べる必要があります。調べ方としては、国の補助金・助成金をまとめて検索できる経済産業省系のポータルサイト、事業を行う自治体の公式ホームページの産業振興課・商工観光課のページ、そして地元の商工会議所・商工会の窓口が、まず当たるべき3つの入口になります。中小企業基盤整備機構が運営する中小企業向けの支援情報サイトも、全国の制度を業種・目的で絞り込んで探せるので役立ちます。

探すときの軸は、「誰のために」「何に使うお金か」の2点を自分の事業で言い換えてみることです。地域づくりの事業であれば、「地域の雇用を生むのか」「空き店舗や遊休施設を活用するのか」「観光客を呼び込むのか」など、事業の目的を具体的な言葉にしておくと、自治体のページで該当する制度を見つけやすくなります。公募要領のタイトルだけで判断せず、対象経費の欄まで目を通すことも大切です。

最後に申込み前の注意点です。助成金・補助金の多くは、交付決定前に発注や契約を済ませてしまうと対象外になるルールがあります。「良さそうな制度を見つけたのでまず動き出した」という順番は避け、制度を確定させてから契約や発注に進むようにしてください。また、同じ経費に対して複数の制度を重ねて使うことは原則できないため、候補が複数見つかった場合は、対象経費が重複していないかも確認しておくと安心です。

地域に根ざした事業は、使える制度の選択肢が多い分、情報を一つずつ丁寧に当たっていく作業が欠かせません。全国共通の制度と自治体独自の制度、両方の入口を押さえておくことが、使える助成金・補助金を取りこぼさない一番の近道です。

もう一つ知っておいていただきたいのは、地域づくりに関わる事業は「どの切り口の事業か」によって、相談すべき窓口そのものが変わる点です。例えば商店街の活性化に関わる事業であれば商工観光系の部署、空き家や空き店舗の活用であれば住宅・都市整備系の部署、移住・定住の促進であれば企画政策系の部署が窓口になることが多く、同じ「地域づくり」という言葉でも担当部署が分かれています。自治体のホームページで該当ページが見つからないときは、事業内容を伝えて代表の問い合わせ窓口に聞いてしまうのが、結果的に一番早い場合もあります。

また、地域独自の制度は予算の枠が決まっていて、早い時期に申込みが締め切られることがあります。全国共通の制度のように公募回が繰り返されるとは限らないため、使いたい制度を見つけたら、申込み開始の時期と予算の枠(先着順か、それとも審査で選ばれる方式か)を早めに確認しておくと、せっかく見つけた制度に間に合わなかったという事態を避けられます。候補が複数ある場合は、確認した内容を期限が早いものから並べておくと、準備の優先順位をつけやすくなります。

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三浦高

この記事を監修した人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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