
ネットショップを始めるには何から手をつければいい?
ネットショップの開業を考えている方から、こんなご相談をよくいただきます。
「ネットショップを始めたいと考えています。何から手をつければいいでしょうか?」
回答者
三浦高
創業支援一筋で日本政策金融公庫について誰よりも詳しい中小企業診断士
ネットショップは実店舗に比べて始めやすく見える分、何から手をつけるべきか逆に分かりにくくなる、という声をよく聞きます。順番としては、商品選び→販売先の選定→集客の3段階で考えると、やるべきことが整理しやすくなります。
最初に固めるのは、何を売るかという商品選びです。すでに扱いたい商品が決まっている方も多いと思いますが、ここで確認しておきたいのは「誰が、どんな理由でその商品を買うのか」という点です。価格帯の近い商品がすでにネット上に多く出回っているか、自分の商品にしかない特徴は何かを言葉にしておくと、後の集客の方向性がぶれにくくなります。仕入れ先や在庫の持ち方(在庫を持つのか、受注後に手配するのか)もこの段階で合わせて考えておきます。
次に決めるのは、販売先の選定です。大きく分けると、国内大手のショッピングモールサイトに出店する方法と、自社のネットショップサイトを作って販売する方法があります。モールは既に多くの買い物客が集まっているため、集客面では有利ですが、出店料や販売手数料がかかり、価格競争にも巻き込まれやすくなります。自社サイトは手数料負担が軽い一方、サイトの存在を知ってもらうための集客を自分で組み立てる必要があります。最初は手数料がかかってもモールで経験を積み、軌道に乗ってから自社サイトを育てるという段階的な進め方も選択肢の一つです。
販売先を決める段階では、商品の単価も判断材料になります。単価が低い商品を自社サイトだけで売ろうとすると、集客コストに対して1件あたりの利益が薄くなりがちです。反対に、単価が高く、こだわりのある商品であれば、モールの価格競争に巻き込まれにくく、自社サイトでじっくりファンを育てる戦略とも相性が良くなります。扱う商品の価格帯に合わせて、どちらの販売先に重心を置くかを考えてみてください。
最後に取り組むのが、集客です。商品と販売先が決まっても、見てもらえなければ売上にはつながりません。モールであれば、商品名や説明文に検索されやすい言葉を入れる工夫、レビューを集める工夫が基本になります。自社サイトであれば、SNSでの発信や、検索されやすいページづくりを地道に積み重ねていく必要があります。集客は一度やれば終わるものではなく、開業後も継続して取り組む項目だと最初から理解しておくことが大切です。
資金面では、ネットショップは実店舗に比べて初期投資を抑えやすい業態ですが、在庫を仕入れて販売する形態であれば、売れる前に仕入れ資金が先に出ていく点に注意が必要です。開業当初の売上が安定するまでの運転資金を、設備費とは別枠で用意しておくことをお勧めします。日本政策金融公庫の創業融資なども選択肢になりますが、小規模な開業であれば、まず自己資金でどこまで無理なく進められるかを先に見積もっておくと、資金計画が立てやすくなります。
商品選び・販売先・集客の3つは、どれも後からやり直しがしにくいものではありません。最初から完璧な形を目指す必要はなく、小さく始めて売れ方を見ながら調整していく、という姿勢で進めていただいて大丈夫です。
開業前の準備としては、商品の写真や説明文をあらかじめ複数パターン用意しておくこともお勧めします。同じ商品でも、写真の撮り方や説明文の書き方で反応が大きく変わることがあります。開業直後は売上データがまだ無いため、最初の数週間は複数のパターンを試しながら、どの見せ方が反応を得やすいかを確認していく期間だと捉えておくと、焦らずに進められます。
仕入れと在庫の持ち方についても、開業前に一度整理しておきましょう。在庫を先に仕入れて持つ形は、注文が入ってすぐ発送できる利点がありますが、売れ残った場合の負担も自分で抱えることになります。受注後に仕入れる形であれば在庫リスクは抑えられますが、発送までの時間が長くなり、購入者の満足度に影響することもあります。扱う商品の特性と、自分が無理なく運営できる体制を見比べて選んでください。
最初から大きな在庫を抱えると、売れ行きが読めない開業初期には資金繰りの負担になりやすい点にも注意してください。少量から仕入れを始め、実際の注文の入り方を見ながら仕入れ量を調整していく進め方であれば、在庫が資金を圧迫するリスクを抑えながら、無理のないペースで事業を育てていくことができます。小さく始めて数字を見ながら育てていく姿勢こそが、ネットショップを長く続けるための一番確かな土台になります。誰かに教わった正解をなぞるより、自分の商品とお客様の反応を一番近くで見ている自分自身の判断を積み重ねていくことが、長い目で見て一番強い事業の育て方になります。
【無料相談のご案内】
弊社では、中小企業診断士・元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが、業種を問わない幅広い起業・新規事業のご相談に対応しております。何から始めればいいかわからないという段階でも、適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を監修した人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。




























