
金融機関に応援される決算書
ご覧いただきありがとうございます!
V-Spiritsグループの元信金マン、こみねっちです。
今回のテーマは「金融機関に応援される決算書とは何か?」について、実際の融資の現場で見てきた事例をもとに、わかりやすく解説していきます。
決算書は、企業の“通信簿”のようなもの。
金融機関はこの決算書をもとに、その企業が「お金を貸すに値する相手かどうか」を判断しています。
つまり、決算書の内容次第で、融資がスムーズに通るかどうかが決まると言っても過言ではありません。
では、銀行から「この会社にはぜひ融資したい!」と前向きに応援される決算書には、どんな特徴があるのでしょうか?
今回はそのポイントを6つに分けてお伝えします。
① 黒字か否か
まず最も基本的なポイントは、やはり「黒字決算」かどうかです。
金融機関は、「貸したお金を返してもらえるか?」を第一に考えていますから、利益が出ていない企業=返済能力に疑問がある企業、という見方になってしまいます。
とはいえ、1年だけの赤字であっても、次のような材料があれば審査は前向きに進むこともあります。
一時的な投資がかさんだだけで、翌期は黒字に転換する見込みがある
すでに新しい売上施策を打っていて、月次ベースでは黒字化してきている
売上は伸びているがコスト管理が課題であり、改善計画が明確
このように、「たとえ赤字でも、次が見える」状態であれば、金融機関は納得します。
重要なのは、“なぜ赤字なのか?”、“それをどう改善するのか?”を説明できることです。
② 自己資本比率が高い
次に、決算書の中で特に重視されるのが「自己資本比率」です。
これは、企業の総資産に対して、自己資本(資本金や利益剰余金など)がどれくらいあるかを示す指標で、会社の「財務の安定性」や「経営体力」を測る目安になります。
目安としては、30%以上あると金融機関からの評価は高まりますが、業種や会社規模によっては20%前後でも問題ない場合もあります。
逆に、自己資本比率が極端に低いと、「借入に依存して経営している」と判断され、マイナス評価につながる可能性があります。
③ 担保にできる不動産がある
担保提供できる不動産があるかどうかは、融資判断において大きな材料になります。
なぜなら、不動産が担保として入っていれば、万が一返済が滞ったときでも、金融機関はその資産を回収に使えるからです。
とくに、土地・建物などは価値が大きく評価される傾向があります。
ただし、あくまで「担保があるから貸す」ではなく、「返済能力+担保のセット」で見られる点はご注意を。
あくまで補足的な評価ですが、担保があることで融資の金額や条件が有利になることはよくあります。
④ 現金化可能な資産がある
決算書に計上されている資産のうち、すぐに現金化できるものがどれだけあるかも重要なチェックポイントです。
たとえば:
売掛金(すぐに入金予定の請求)
在庫(回転が早く、販売見込みのあるもの)
預貯金
有価証券(上場株など)
これらの「流動性の高い資産」は、資金繰りの安全性を示す材料となります。
反対に、土地や建物などは「固定資産」として価値は高いものの、すぐにお金に換えることが難しいため、「万が一の資金繰り」の際には頼りにくいと見なされるケースもあります。
⑤ 保証人の個人資産があると信頼度アップ
代表者や連帯保証人となる方の「個人の資産状況」も、金融機関はしっかり見ています。
とくに、
自宅不動産の所有
まとまった現預金の保有
保険積立や投資資産がある
といった情報があると、「会社に万が一があっても、個人資産でカバーできる」と判断され、融資実行の安心材料になります。
これは法人の決算書とは別の話になりますが、実務上、非常に重視されているポイントです。
⑥ 現預金が潤沢にある
そして、最後に最も即効性のある判断材料が「現預金残高」です。
要するに、「いま、手元にどのくらい現金があるか?」ということ。
これは資金繰りの安定性、急な支出への対応力、そして何より「きちんと経営している証拠」として、金融機関にとって非常に重要な指標です。
目安としては、最低でも3ヶ月分の固定費を賄えるだけの現預金があると好印象です。
また、常に現預金をある程度残しておく“財務習慣”は、それ自体が信用になります。
まとめ:決算書は金融機関との“共通言語”
以上6項目が、「金融機関に応援される決算書」を構成する大切なポイントです。
「ちょっとハードルが高いな…」と感じた方もいるかもしれませんが、どれも決して“特別なテクニック”ではなく、日々の経営やお金の管理を地道に行うことで整っていく内容ばかりです。
言い換えれば、日頃から意識していれば、決算書は自然と銀行に評価される形になっていきます。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 融資担当営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。成績ばかりを追い、取引先を理解できず苦戦するが、企業の本質を知ることの重要性に気づく。以後、信頼関係を築き、資金繰りや融資支援に注力。経営難の企業に融資の基本を伝え、3ヶ月で1.5億円の資金調達を実現。この経験を原点に、中小企業の資金繰り支援を使命とし、日本の企業成長に全力を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























