
日本政策金融公庫の事業計画書で起業融資を勝ち取れ!
〜一年後の起業を成功に導く”通る書類”の書き方〜
目次
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日本政策金融公庫ってなに?
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起業融資の第一関門「事業計画書」とは
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通る事業計画書の5大ポイント
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各項目の書き方を徹底解説
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やりがちなNG例と落とし穴
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成功事例:書類一発OKの計画書とは?
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よくある質問(FAQ)
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まとめ:事業計画書が未来の信用をつくる
日本政策金融公庫ってなに?
こんにちは!起業支援の現場で3000件以上の融資サポートをしてきた中野裕哲です。
「起業したいけど、資金が…」という方の味方、それが 日本政策金融公庫(略して“公庫”) です。
政府系金融機関で、自己資金が少なくても、信用情報が薄くても、新規開業・スタートアップ支援資金などを活用すれば融資を受けやすいのが特徴。
でもね、「お金を貸して!」って口で言っても通じません。
**その分、水準が高いのが『事業計画書』**なんです。
起業融資の第一関門「事業計画書」とは
さて、この「事業計画書」。一言で言えば、
「この人にお金を貸しても大丈夫か?」
「このビジネスはちゃんと回るのか?」
という審査担当者の疑問に“紙の上で答える”資料です。
つまり、ただの申請書じゃなくて「ビジネスの説得材料」なんですね。
言葉で営業しても、数字で示せなければ信用は得られない。
これが、銀行も公庫も同じ。
通る事業計画書の5大ポイント
事業計画書において重要なのは、以下の5つのポイントです。
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ビジネスの目的と背景(なぜその事業をやるのか)
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市場分析と競合調査(勝てる理由)
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商品・サービスの内容(何をどう売るのか)
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収支計画・資金繰り(お金の流れ)
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経営者としての信頼性(経験・実績・熱意)
この5つがしっかりしていれば、かなりの確率で通ります。逆に、1つでもボヤけていると、即アウトです。
各項目の書き方を徹底解説
1. ビジネスの目的と背景
「子どもが生まれたから起業したい」
「昔から憧れていた」
動機は自由ですが、社会的な意義や市場ニーズと結びつけましょう。
例えば:
「近隣には高齢者向けサービスが少ない。家族介護が社会問題化しており…」
といった社会背景を交えてください。
2. 市場分析と競合調査
Google調査レベルではダメ。
「数字」を用いて示すこと。
たとえば:
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地域の人口構成(高齢者比率など)
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類似サービスの価格帯・集客力
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ニッチを突く戦略
この項目こそ、融資担当者が「納得できるかどうか」の分岐点です。
3. 商品・サービスの内容
特徴・差別化・提供方法を明確に。
飲食店なら「無添加・地産地消」
Web制作なら「SEO設計×自動化支援」など。
あいまいに「丁寧なサービスを提供」ではなく、**「何を」「誰に」「どうやって」**を明示しましょう。
4. 収支計画・資金繰り
最重要項目!
「ちゃんと返せる人かどうか」はここで見られます。
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初期費用と運転資金(店舗なら設備・内装費も)
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売上計画(現実的に)
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損益分岐点
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月次キャッシュフロー
ちなみに、売上予測の根拠があいまいだとNGです。
5. 経営者としての信頼性
学歴や肩書きではなく、**「実務経験」と「覚悟」**が問われます。
たとえば:
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前職で3年間マーケティングに従事
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個人で副業ECを運営していた
など、事業に活かせる実績を記載。
また「なぜその業界で起業なのか」を明示すると、説得力がグンと上がります。
やりがちなNG例と落とし穴
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「なんとなく起業したい」系の動機だけ書く
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競合がいないと言い切ってしまう(=リサーチ不足)
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収支が楽観的すぎる(初月から黒字は疑われる)
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数字の根拠が曖昧(経験・見積り・アンケートなどが必要)
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全部自分でやります!で人材計画なし
公庫は”人間的”なので、熱意も大事。でもね、数字で語れない熱意は信用に繋がらないんです。
成功事例:書類一発OKの計画書とは?
例えば、40代サラリーマンAさん。副業の経験を活かし「地域密着型のリフォーム業」で起業。
以下のポイントが光っていました:
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既存顧客のリスト提示(信頼性◎)
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開業前の契約見込みリスト(売上根拠あり)
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顧客層と営業方法のマッチング(戦略的)
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家計収支を明示(返済能力あり)
結果、書類審査一発合格+面談15分で満額融資。
準備すれば、道は開けるんです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自己資金が少ないと通りませんか?
通ります。
ただし、自己資金がゼロだと「準備不足」と判断される可能性大。目安としては、全体資金の1/10〜1/3程度あると◎。
Q2. 事業経験がなくても大丈夫ですか?
未経験でも可。
ただし、その場合は「学んだ内容」「副業実績」「専門家の協力体制」などを補完してください。
Q3. 副業中でも申請できますか?
できます。むしろ、副業実績は信頼性アップの武器。副業時代の売上・顧客リスト・実績を整理しておきましょう。
Q4. 面談で何を聞かれますか?
「計画書を自分の言葉で説明できるか」が焦点。
紙の内容と齟齬がないように、「読み上げ練習」ではなく「自分の言葉で話す」練習を!
まとめ:事業計画書が未来の信用をつくる
事業計画書は、単なる「申請用紙」じゃありません。
**これは、あなたのビジネスの”未来地図”**なんです。
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書き方を間違えれば、お金は引き出せない
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書き方を極めれば、信用と資金が手に入る
起業1年前の今こそ、構想→計画→数字化の3ステップで、しっかり準備していきましょう。
迷ったら、私、中野裕哲に聞いてくださいね!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。