
起業における役割分担の落とし穴と、全員営業体制の重要性
目次
起業時の役割分担はなぜ重要視されるのか?
最近では、起業メンバーそれぞれが財務・営業・システム・人事などの分担を明確にし、専門性を活かして経営に参画するケースが増えています。特にスタートアップでは、役割が明確なことで意思決定が早くなり、効率的な事業運営が可能になるという利点があります。
しかし、これはあくまでも「大企業や組織が整った環境」で効果を発揮する手法であり、ベンチャーやスモールビジネスにそのまま当てはめると、思わぬ落とし穴に陥るリスクがあります。
役割分担に潜むスモールビジネスの落とし穴
ビジネスの根幹は「売上を上げること」です。特に創業初期のベンチャー企業や個人事業においては、資金や人材が限られているため、まずは営業活動によって売上を生み出すことが最優先になります。
ところが、役割分担が明確すぎると、営業担当以外が「売上に無関係」という意識になり、
- 売上への関与が希薄になる
- 固定費(人件費)ばかりが先行して赤字に
- 営業担当への依存が高まりリスク集中
という構造的な弱点を生む可能性があります。
「営業は営業担当がやるから」「私はバックオフィスだから」といった姿勢が続くと、結果的に企業の成長を妨げることになりかねません。
「全員営業体制」の重要性とメリット
こうした課題を乗り越えるために、「役員・社員を問わず全員が営業に関与する」という文化づくりが極めて重要です。
たとえ財務担当や人事担当であっても、
- 名刺交換の場で自社サービスを説明できる
- SNSでの情報発信を通じて集客に貢献する
- 既存顧客へのフォローアップを行う
といった形で売上に間接的にでも貢献できる体制を整えることが、強い組織づくりの第一歩です。
この体制が実現できれば、
- 営業力が組織全体に分散されてリスクが低減
- 業務の幅が広がり、職員のスキルアップにもつながる
- 売上に対する当事者意識が高まる
といった効果が期待できます。
営業における統一ルールの必要性
全員営業とは言っても、やり方がバラバラでは逆効果です。そこで必要になるのが、営業ルールの明文化です。
たとえば、
- 見込み顧客が出てきたらCRMに必ず登録
- トークスクリプトの共有と定期的なロープレ
- SNS発信は事前承認制にする
といったルールを整備することで、全員営業でも組織的な活動として成果を出しやすくなります。
営業が苦手でも「仕組みで補える」ことが重要です。苦手なまま放置せず、教育・練習の機会を持ち、全員が「何らかの形で営業に貢献している」という意識を持つことが理想的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 経理やバックオフィス担当にも営業をさせるべきですか?
直接訪問やテレアポをする必要はありませんが、SNS発信や顧客の対応補助など、できる範囲で売上に貢献する体制は望ましいです。
Q2. 営業未経験者が多い場合、どうすればよいですか?
基本的な営業研修や、トークマニュアルの整備、ロープレの導入など、教育体制の整備が不可欠です。営業はスキルであり、経験で身につくものです。
Q3. 全員営業を導入すると、役割分担が曖昧になりませんか?
営業の関与レベルは役割によって調整可能です。主担当・補助担当のように定義することで、混乱を避けつつ売上意識を組織に浸透させられます。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。




























