
起業前の「信用情報チェック」、していますか?──JICC情報開示のススメ
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・行政書士・社会保険労務士・CFP(R)の中野裕哲です。
起業を目指す方にとって、資金調達、特に「創業融資」は欠かせないテーマ。
ズバリ言います。
「融資を受けるには、まずは自分の信用情報を知ること」
その中でも、今回取り上げたいのが「JICC(日本信用情報機構)」の情報開示です。
この記事では、起業準備中の会社員の方に向けて、JICCの仕組みや情報開示の手順、注意点をわかりやすく、実務的に解説していきます。
目次
- JICCとは?
- なぜ起業前に信用情報の確認が必要なのか
- JICCに登録される情報とは?
- 情報開示の申請方法と手順
- 開示された情報の見方とチェックポイント
- 間違った情報があったらどうする?
- FAQ:よくある質問
- 今すぐできる!起業準備と並行した信用管理のポイント
1. JICCとは?
JICCは、正式には「株式会社日本信用情報機構」といいます。
クレジットカードや消費者金融、携帯電話の分割払いなどの契約情報を管理している、いわゆる「信用情報機関」の一つです。
他にも「CIC」や「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」という機関もありますが、JICCは主に消費者金融系・信販系の情報をカバーしています。
2. なぜ起業前に信用情報の確認が必要なのか
創業融資を受ける際、金融機関は必ずといっていいほど信用情報を確認します。特に日本政策金融公庫などでも、審査過程でJICCやCICの情報を参照することがあります。
- クレジットカードの延滞歴
- 携帯電話の分割払いの滞納
- 奨学金の延滞
- 消費者金融の借入履歴
これらが記録されていると、「信用リスクあり」と判断され、融資に悪影響が出る可能性があります。
3. JICCに登録される情報とは?
JICCに登録されている主な情報は以下の通りです:
- 氏名、住所、生年月日などの本人情報
- 契約内容(借入金額、返済状況など)
- 返済遅延や延滞、債務整理などの事故情報
- 残債の有無や完済情報
4. 情報開示の申請方法と手順
JICCの情報開示は、スマートフォン、郵送、または窓口で行えます。
【スマートフォンの場合】
- JICCの専用アプリ「スマホ開示」をダウンロード
- 本人確認書類をアップロード
- クレジットカードなどで手数料(1,000円)を支払い
- 数分〜1時間ほどでPDFデータが届く
【郵送の場合】
- 情報開示申込書を記入
- 本人確認書類を同封
- 手数料1,000円分の定額小為替を同封
- 約1週間ほどで開示書類が届く
5. 開示された情報の見方とチェックポイント
開示書類には、契約ごとに細かい情報が記載されています。
【チェックすべきポイント】
- 延滞履歴があるか(過去5年)
- 完済済みになっているか
- 身に覚えのない契約がないか(なりすまし対策)
- 事故情報(異動情報)の有無
特に「異動(事故)」の記載がある場合、金融機関からの融資は非常に厳しくなります。
6. 間違った情報があったらどうする?
記載内容に誤りがあった場合、JICCまたは契約先の金融機関に対して「訂正申立て」を行うことが可能です。
- 誤記が明らかな場合 → JICCに連絡
- 契約内容の誤解釈など → 金融機関側に申し立て
7. FAQ:よくある質問
Q. JICCの情報はどのくらいで消えるの? →契約情報:完済から5年、事故情報:発生日から5年間が一般的です。
Q. CICやKSCと何が違うの? →登録情報や加盟企業が異なります。万全を期すなら3機関すべて確認を。
Q. 情報が悪くても起業できない? →融資には不利ですが、全く不可能ではありません。時間をかけて信用回復し、自己資金を積むことで道は開けます。
Q. クレジットカードを使ってないから大丈夫? →携帯の分割払いや奨学金、家賃保証会社の契約なども記録されている可能性があります。
8. 今すぐできる!起業準備と信用管理のポイント
- JICC・CICの情報開示を行う(約1,000円)
- 延滞中の支払いがあれば即対応する
- 通帳を整理し、毎月の支出・返済を見える化する
まとめ:信用情報を知ることが、起業成功の第一歩!
信用情報は、あなたの「ビジネスパーソンとしての信頼度」を表す履歴書のようなもの。
ズバリ申し上げます。
「知らなかった」では済まされないのが、創業融資の世界です。
まずは一歩踏み出し、ご自身の信用状態を正しく把握するところから始めましょう。
不安な方は、お気軽にご相談くださいね!
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。