
リフォーム業で独立開業するためにやっておくべきこと──“暮らしに寄り添う技術”をビジネスにする実務指南
「人の暮らしを変えるリフォームがしたい」「自分の技術でお客さまの笑顔をつくりたい」──そんな思いを抱くあなたにとって、技術だけでなく、事業戦略や資金設計、集客体制、法務・税務・労務管理を整える準備が成功の鍵となります。以下では、独立前に押さえておくべきステップを丁寧に解説します。
① リフォームの「強み」とサービス領域の明確化
まずは、あなたが特に得意とする工事領域と提供できる価値を整理します。
- 水まわり、内装、外壁、床工事など得意分野
- 小規模住宅リフォーム(手軽な改修)か、大規模リノベーションか
- 自然素材や省エネ・DIYサポートなどのコンセプト
- 「おしゃれさ重視」「耐久性・メンテナンス重視」「ペット対応」などの切り口
自分の強みが明確になると、見込み客に響くメッセージや価格設定、集客導線が自然に設計できます。
② 資金計画と収支シミュレーション作成
リフォーム業は、材料費・職人費・諸経費が案件ごとに変わります。そこで、
- 初期費用(工具・車両・事務所・保険など)はどのくらい?
- 自己資金で足りるか、日本政策金融公庫の創業融資や国や自治体の補助金を利用できるか?
- 売上見込み、利益率、回収サイト(月末締め翌月末払いなど)
- キャッシュフローの月別・四半期別シミュレーションはどうなっているか?
このような数字プランを事前に整えることで、「工事を始めたけど資金が尽きた!」という事態を防げます。
③ 管理体制の仕組みづくりと書類整備
独立開業で後回しにしがちですが、書類やルール整備は重要です。
- 提案書・見積書・契約書の雛形整備(写真・文字ベースで残す)
- 施工工程表とスケジュール管理
- 社内ルール(工期、手直し保証、クレーム対応など)
- 顧客連絡の履歴管理・確認印の仕組み
これらがあると、「言った言わない」のトラブルを防ぎ、信頼性がぐっと上がります。
④ 集客と価格戦略の設計
リフォームは単発になりがちですから、顧客獲得と継続利用・紹介制度などを設計しておきましょう。
- 地域ポスティング・ホームページ・ブログ・SNS
- SEO対策(地域名 × 「リフォーム」「水回り」など)
- ネット集客(Googleマイビジネス・マップ・口コミ・まとめサイト)
- 紹介割引・アフターフォローやメンテナンス契約も組み込む
単発仕事で終わらず、ファンになってくれる顧客づくりを意識するのがポイントです。
⑤ 提携職人や外部のネットワークづくり
一人でできる仕事量には限界があります。信頼感ある仕事を増やすためには、
- 電気、ガス、水道、大工、塗装、クロスの分野で強い職人とのネットワーク
- 協力工事契約・顧客対応フローの共同設計
- サブコントラクターとの効果的な連携体制
といった安心できる工事体制が必要です。
⑥ 補償と法務・保険の確認
リフォームには責任があります。トラブルに備えるために、
- 建設業許可の取得が必要かどうか(軽微なら許可不要)
- 工事瑕疵担保責任と対応ルール
- 損害賠償保険の加入
- 契約書に含める免責事項や支払い条件など
を整理することで、万が一の事態にも冷静に対応できる体制が整います。
⑦ 会計・税務・労務対応の体制整備
最初から経理負担を軽くするための仕組みを。
- 会計ソフト選定(freee・弥生など)と記帳体制(建設業の経理は一般の業種よりも複雑)
- 売上計上、原価管理、入金消込、消費税処理など
- 従業員やアルバイトを雇う場合の社会保険・労務対応
- 税理士・社労士との顧問契約などサポート依頼
日々の管理をきちんと整理しておくことで、節税・融資などの対応力も上がります。
⑧ トライアル・低価格案件による実績づくり
独立直後は実績が重要です。集客・信頼・実績構築のために、
- 小規模な箇所リフォーム(収納棚、壁紙など)でまず実績を得る
- モニター価格での対応(写真・レビュー取得など)
- 商店街や知人紹介を通じた体験型PR施策
こうした手段により、実績を積みながらすぐに動ける集客導線を作れます。
まとめ|技術×信頼、両輪を整えて長く続く事業へ
リフォーム業の独立開業は、技術があれば終わりというものではありません。成功に向けては、
- 強みと工程を整理し、書類化
- 数字計画と資金調整を前倒しで設計
- 集客体制と紹介のしくみを構築
- 職人ネットワークや安心対応の土台を整備
- 経理・税務・保険などの基本的な仕組みを整える
といった実務的な準備を一つずつ着実にすすめることが、永続的な成功への道筋になります。
最後に一言:
「丁寧に、確実に、安心して頼めるリフォーム屋」として歩みを始めるために、しっかり準備し、信頼と実績の道を歩んでください。不安や悩みがあれば、いつでもご相談ください。あなたの“リフォーム業独立”を全力で応援します!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























