
信用情報開示してみた!起業準備中の会社員が知っておきたいリアルな話
はじめに
ズバリ言います。起業準備を始める前に、「信用情報」を確認したことはありますか?これは、いわばあなたの「信用の通信簿」。将来的に創業融資を受けるときや、事業用の口座を開設するときなど、意外な場面で「足を引っ張る」原因にもなり得ます。
今回は、実際に信用情報を開示してみた体験をもとに、信用情報とは何か、どう確認するのか、どんな点に注意すべきかをわかりやすく解説します。
想定読者は、一年後に起業を検討している真面目な会社員のあなた。これからの人生に「信用」という強い味方を加えるためにも、ぜひ最後までご覧くださいね。
信用情報って何?
信用情報とは、ローンやクレジットカードなどの「お金のやり取り」に関する記録です。簡単に言えば、「この人にお金を貸しても大丈夫か?」という判断材料として使われます。
日本では主に以下の3つの信用情報機関があり、それぞれが情報を管理しています:
- CIC(クレジット系:クレジットカード利用履歴など)
- JICC(消費者金融・携帯電話割賦など)
- KSC(銀行系:住宅ローン・教育ローンなど)
これらの情報には、支払履歴や延滞情報、契約件数、借入残高などが記載されており、いわば「お金との付き合い方」が丸裸になるわけです。ちょっとドキドキしますが、自分自身のことを知る第一歩でもあります。
信用情報を開示してみた
今回、私はCICとJICCの2つで信用情報を取得してみました。
1. CICでの開示
スマホやパソコンからオンライン開示申請ができ、支払いはクレジットカードで500円。PDF形式で情報が閲覧できます。
実際に確認してみると、「ああ、あのカードまだ残ってたんだ」といった発見や、「そういえば携帯の端末代、分割だったな」という再確認もできました。忘れていることって、意外と多いんですよね。
2. JICCでの開示
アプリ「スマホ開示」で申請。こちらも1,000円で、少し待つとPDFが送られてきます。消費者金融系の履歴や、利用残高、申込み履歴などが確認できました。
こちらも、「学生のころ使っていたカードローンの記録がまだ残ってる!」と驚くことも。過去の自分の足跡を見るようで、ちょっと恥ずかしくもありましたが、貴重な経験になりました。
起業準備中の人が信用情報を確認すべき理由
1. 創業融資の審査に影響
創業融資では「人となり」も重要。実際、過去に延滞履歴や多重債務があると「融資が通らない」ことがあります。事業計画が良くても、信用情報が原因で不利になることも。
金融機関は、事業そのものだけでなく、「その事業をやる人間が信頼できるかどうか」も見ています。起業に対する本気度、経営者としての姿勢、そして何より「金銭管理能力」を信用情報でチェックしているのです。
2. 口座開設・法人クレカ審査
法人名義の銀行口座を開設するときにも、代表者の信用情報が見られることがあります。また、法人クレジットカードの審査でも影響あり。
開業後の運営資金管理、経費精算などで必要となる法人カード。スムーズに作れないと、いろんな場面で「不便」が付きまといます。
3. そもそも自分の信用状態を知るのは大切
人生100年時代、どこでお金が必要になるかわかりません。起業に限らず、人生の選択肢を広げる意味でも「自分の信用の立ち位置」を知っておくのはとても有益です。
信用情報に問題があるなら早めに対処。改善に向けたアクションを取れば、半年後、一年後の状況は確実に良くなります。準備は早いほど有利です。
よくあるQ&A(FAQ)
Q. 過去に携帯料金の滞納があるのですが、融資は無理ですか?
A. 一概には言えませんが、CICに記録が残っているとマイナス材料にはなります。記録は完済から5年程度で消えることが多いので、まずは情報を確認しましょう。
Q. クレジットカードを使っていないと信用情報はないのですか?
A. 情報が「何もない」場合もありますが、それもまたリスクです。何らかのクレジット履歴がある方が、信用の実績としてプラスに働くこともあります。
Q. 住宅ローンの審査でも信用情報は使われますか?
A. はい、住宅ローンだけでなく、あらゆるローン審査で信用情報は重視されます。
Q. 信用情報の誤記載があった場合、どうすれば?
A. 各情報機関には訂正請求の窓口があります。まずは開示報告書の内容をよく読み、心当たりがない情報があれば、該当する機関に問い合わせてみましょう。
おわりに:備えあれば憂いなし
信用情報は、目に見えないけれど、人生を左右する「信頼」の証明書。だからこそ、起業という人生の転機を前に、まずはご自身の信用情報を確認しておくことを強くおすすめします。
事前に把握していれば、改善策を講じることもできます。不安を安心に変えるための第一歩として、ぜひ「信用情報開示」、やってみてくださいね。
起業は準備がすべて。あなたの未来がより明るく、より安心して歩めるよう、今このタイミングで一歩を踏み出してみましょう。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























