日本政策金融公庫「一般貸付」とは？起業予定者のための完全ガイド
はじめに：「起業したいけど、資金面が不安…」というあなたへ
会社員として働きながら、1年後の独立を目指している――
そんなあなたにとって、資金調達の話は避けて通れませんよね。
ズバリ言います。
資金調達の第一歩として、もっとも堅実かつ利用しやすいのが「日本政策金融公庫の一般貸付」です。
この記事では、「一般貸付ってどんな制度？」「どんな人が対象？」「どうやって申し込むの？」といった疑問に、わかりやすく、実務的にお答えしていきます。
第1章：「日本政策金融公庫」ってどんな機関？
● 起業家の味方！政府系金融機関
日本政策金融公庫（略して「公庫」）は、政府100%出資の金融機関。民間の金融機関が貸しづらい創業直後の方や、小規模事業者にも積極的に融資を行っています。
● 一般貸付とは？
創業融資や特別貸付などと並ぶ、スタンダードな制度が「一般貸付」。
創業後間もない方も、既に営業している方も対象になります。
第2章：一般貸付の基本スペックを押さえよう
● 対象者
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中小企業者（個人事業主・法人問わず）
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業種はほぼ全業種（金融業・風俗業等一部除外あり）
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創業前～創業5年以内も対象
● 融資額・使い道
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運転資金：最大4,800万円
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設備資金：最大4,800万円
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特定設備資金：最大7,200万円
用途は広く、備品購入から人件費などの運転資金までOKです。
● 返済期間・据置期間
| 資金種別 | 返済期間（最長） | 据置期間（目安） |
|---|---|---|
| 運転資金 | 7年 | 1年以内 |
| 設備資金 | 10年 | 2年以内 |
| 特定設備資金 | 20年 | 2年以内 |
※「据置」とは、元本返済の開始を遅らせて、利息だけ払う期間です。
● 金利の目安
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2.0%前後（固定金利）
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担保・保証人の有無、期間により変動
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一般貸付は「基準金利型」で設定され、金利の見直しもありません
第3章：「創業融資」と「一般貸付」の違いは？
| 項目 | 創業融資 | 一般貸付 |
|---|---|---|
| 対象 | 創業前・創業5年以内 | 広く中小企業者全般 |
| 担保・保証人 | 原則不要 | 条件により必要 |
| 金利 | やや優遇されることが多い | 通常の基準金利 |
| 融資上限額 | 小規模 | 大規模にも対応 |
結論としては、「創業初期＝創業融資」「規模が大きい or 設備資金＝一般貸付」が基本路線です。
第4章：申し込みの流れと必要書類
ステップ1：相談（公庫の支店窓口 or 電話）
まずは相談からスタート。ホームページで概要を把握してもOKですが、窓口の相談で実際の条件を確認するのがベターです。
ステップ2：書類準備
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借入申込書
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事業計画書
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決算書・確定申告書（事業実績がある方）
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資金使途がわかる資料（見積書など）
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本人確認書類
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通帳のコピー（自己資金証明）
ステップ3：書類提出＆面談
提出後、1～2週間以内に担当者と面談があります。事業内容や返済計画について話します。
ステップ4：審査と融資決定
早ければ2～3週間で結果が出ます。審査結果が郵送で届き、契約書面への署名後、融資実行へ。
第5章：融資審査のポイント
● 自己資金があるか？
目安は「必要資金の1/3以上」。自己資金が多いほど信頼度は上がります。
● 事業計画に無理がないか？
売上や利益の見込みが「根拠ある数字」になっていることが重要です。
● 過去の職歴・スキルと事業の関連性
たとえば、飲食店を開業したいなら、飲食業界での経験があると大きなプラス評価になります。
● 資金の使い道が明確か？
見積書や店舗契約書など、具体的な根拠資料が必要です。
第6章：成功するための3つのコツ
① 自己資金の「通帳の動き」を整える
現金で貯めるのではなく、通帳に毎月コツコツ積み立てている履歴を見せましょう。いわば「お金の貯めグセ」が信用されます。
② 創業計画書は“物語”を語る
「なぜこの事業なのか？」「どんなお客さんに届けたいのか？」数字だけでなく、あなたの想いや背景も盛り込むことで、担当者の共感が得られやすくなります。
③ 面談では「誠実さ」と「現実感」を
高すぎる夢よりも、「堅実で返せるプラン」を語るのがポイントです。
第7章：FAQ（よくある質問）
Q. 一般貸付は創業前でも申請できますか？
A. はい、可能です。特に設備資金が大きい業種は、一般貸付での申請が効果的です。
Q. 保証人は絶対に必要ですか？
A. 無担保・無保証での対応も可能な場合がありますが、審査内容や金額により判断されます。
Q. 融資までどれくらい時間がかかりますか？
A. 通常は申込から1〜2か月程度。時期や申込件数によって変動します。
Q. 事業計画書は手書きじゃないとダメ？
A. パソコン作成でも問題ありません。重要なのは内容のわかりやすさです。
第8章：まとめ〜起業は“資金戦略”がカギ！
ズバリ言います。
「起業＝アイデア勝負」ではなく、「起業＝資金計画勝負」です。
その中でも、日本政策金融公庫の「一般貸付」は、起業前の会社員にとって心強い選択肢です。
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固定金利で返済の見通しが立てやすい
-
用途が広く、創業前でも使える
-
計画と誠実さがあれば、無担保・無保証も夢じゃない
まずは一歩。
「調べてみる」「相談してみる」だけでも、あなたの未来は動き出します。
迷ったら、ぜひご相談くださいね！
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起業の手続きって何から始めればいいの？といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております！
この記事を書いた人
中野裕哲／Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授（起業論、ゼミ等）
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援！「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル（事業計画＋融資＋補助金＋会社設立支援）＋起業後の総合サポート（経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関）など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫／Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫（旧国民金融公庫）に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
