
一年後に起業を目指すあなたへ──「認定支援機関」って知っていますか?
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・社労士・行政書士・FPの中野裕哲です。今回は、将来起業を検討している会社員の方に向けて、「認定支援機関になるには?」というテーマで、わかりやすくご説明していきたいと思います。
ズバリ言いますと、「認定支援機関」は、起業家や中小企業を支援する重要な立場です。その資格を得ることによって、補助金や融資の申請に関わる支援ができるようになり、専門家としての信頼度も一段とアップします。ですが、そのためには、一定の条件と手続きが必要になります。
この記事では、認定支援機関の概要から取得の流れ、メリット・デメリット、そして実際の申請手続きまで、実務家目線でしっかり解説します。
認定支援機関とは何か?
まず、「認定支援機関」とは、中小企業庁から認定を受けた、公的な中小企業支援の担い手のこと。正式には「経営革新等支援機関」とも呼ばれます。
主な役割は?
- 事業計画の策定支援
- 創業融資や補助金申請時の確認書類の発行
- 経営改善や資金繰りのアドバイス
などが挙げられます。中小企業にとっては心強い存在なのです。
なぜ今、認定支援機関が注目されているのか?
国の支援制度の多くが、「認定支援機関のサポートを受けていること」が条件になっているからです。つまり、認定支援機関が関わっていないと、そもそも申請のスタートラインにも立てないことがあるのです。
かつて行われていた事業再構築補助金は、「認定支援機関の確認書」がないと申請がそもそもできない補助金でした。
他には、認定支援機関の関与を入力する欄を設けている補助金なども複数あります。
認定経営革新等支援機関の支援がカギになるケースが多々あります。
認定支援機関になるには?
では、実際に認定支援機関になるには、どんな資格や条件が必要なのでしょうか。
主な対象者
- 税理士、公認会計士、中小企業診断士などの国家資格者
- 金融機関、商工会議所、NPO法人などで実績がある団体
- コンサルティング会社や専門家チーム
つまり、一定の「経営支援実績」や「資格」が必要になります。
申請までの流れ
- 必要書類を準備(実績資料、組織概要など)
- 中小企業庁に電子申請
- 書類審査、場合によってヒアリング
- 認定(通常は3ヶ月程度)
※注意点として、更新制です。5年ごとの更新が必要です。
メリットと注意点
メリット
- 国の制度を活用した支援ができる
- 補助金・融資支援の専門家としての信頼性が高まる
- クライアント獲得の武器になる
注意点
- 責任も伴う(不適切な支援で信用を失うリスク)
- 定期的な研修や実績報告が求められる
実際の声「会社員から認定支援機関へ」
ある40代の会社員の方は、独立を目指して中小企業診断士の資格を取得。その後、3年間副業として経営支援実績を積み、満を持して認定支援機関の申請を行いました。現在では、創業者支援に特化したコンサルタントとして活躍されています。
「認定支援機関の資格があったから、最初の集客がスムーズでした」と語っていました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 会社員でも認定支援機関になれますか?
→ 会社員であっても、独立開業後に申請することは可能です。その際には、過去の実績が問われますので、副業などで支援経験を積んでおくと有利です。
Q2. 認定支援機関になれば補助金は必ず通りますか?
→ いいえ。あくまで「申請をサポートできる」立場であり、採択の可否は別の審査機関が判断します。
Q3. 資格を持っていないと申請できませんか?
→ 個人での申請は原則として国家資格が必要です。ただし、チームや法人としての申請であれば、資格を持つメンバーがいれば可能です。
まとめ──一歩踏み出すその前に
認定支援機関になるということは、単に「資格を取る」だけでなく、「信頼を得る」「起業家を支える責任を負う」ことでもあります。
もしあなたが一年後の起業を目指しているのなら、今から「自分に何ができるか」「どんな支援を提供したいか」を考え、その準備として認定支援機関の仕組みを理解しておくことは、大きなアドバンテージになります。
ぜひ、起業準備の一環として、認定支援機関への道も視野に入れてみてくださいね。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。