
経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「ウィンザー効果」ってなに?
「同じ商品の情報でも、人から聞くと印象が変わる」
そんな経験はありませんか?
その背後にある心理効果の一つが、ウィンザー効果です。
経営やマーケティングにおいて、この効果を理解し活用することは、売上や顧客満足度を高める大きな武器になります。
1. ウィンザー効果とは?
ズバリ言います。
ウィンザー効果とは、当事者から直接聞く情報よりも、第三者から間接的に聞いた情報のほうが信頼されやすいという心理現象です。
この名称は、小説『ウィンザーの笑い声』の中で描かれた会話が由来とされます。物語の中で「人は本人の言葉よりも、他人から聞いた言葉のほうを信じる」という場面があり、そこから心理学用語として定着しました。
2. なぜ第三者の情報が強いのか?
人は、当事者の発言には「自己利益のためのバイアス」がかかっていると感じやすくなります。
例えば、企業が自社商品の良さを語っても「宣伝だろう」と疑う心理が働きます。
一方で、第三者(特に利害関係がない人)からの評価や口コミは、客観性や信頼性が高いと感じられるのです。
この心理は、ビジネスの場面でも非常に強く働きます。
3. ビジネスでの具体例
① 口コミ・レビュー
ネット通販サイトの星評価やレビューコメントは、まさにウィンザー効果の代表例です。
② お客様の声
ホームページやパンフレットに掲載された顧客事例や感想。
③ 第三者メディアの記事
新聞や雑誌、業界メディアでの紹介記事は、企業の自社発信より高い説得力を持ちます。
④ 紹介営業
既存顧客や知人からの紹介は、初対面でも高い信頼を得られます(紹介営業の強さの理由もここにあります)。
4. 経営者がウィンザー効果を活用する方法
ステップ① 顧客の声を集める
アンケートやインタビューで実際の使用感・効果を聞き、具体的なエピソードを記録します。
ステップ② 第三者の発信を促す
SNS投稿キャンペーンやレビュー特典などで、顧客が自然に発信したくなる仕組みを作ります。
ステップ③ メディア掲載を狙う
プレスリリースや地域新聞、業界紙への情報提供で、信頼性のある記事化を目指します。
ステップ④ 第三者による評価を見える化
「○○賞受賞」「専門家推薦」「ランキング○位」などを明記し、第三者評価を前面に出します。
5. ウィンザー効果の注意点
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偽レビューは逆効果
信頼を損ない、ブランド価値が大きく傷つきます。 -
第三者の質が重要
信頼される発信者でなければ効果は薄れます。 -
情報の鮮度
古いレビューや事例は説得力が下がるため、定期的な更新が必要です。
6. 成功事例
A社(美容院チェーン)は、顧客アンケートから得た「具体的な感想」をSNSで紹介。新規顧客の半数が口コミ経由となり、予約率が向上しました。
B社(BtoB製造業)は、業界誌に技術力を紹介され、その記事を営業資料に活用。成約率が20%以上アップしました。
7. ウィンザー効果と組み合わせたい戦略
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権威効果:専門家や有名人からの推薦でさらに信頼性を高める
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ストーリーブランディング:顧客事例を物語として語り、感情に訴える
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紹介営業:第三者からの紹介を販売プロセスに組み込む
8. 今日からできる実務チェックリスト
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顧客の声や事例を最新の状態に保っているか?
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第三者の評価や受賞歴を営業資料に載せているか?
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顧客が自然に口コミしたくなる仕組みを作っているか?
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メディア掲載のための広報活動を行っているか?
まとめ
ウィンザー効果は、「第三者の言葉のほうが信じられやすい」というシンプルで強力な心理法則です。
経営者にとって、これは自社の信頼を飛躍的に高めるレバレッジポイントになります。
広告や営業トークだけでなく、お客様の声、第三者の声を戦略的に活用することで、自然な形で顧客の信頼を獲得できます。
今日から、自社の情報発信に「第三者の声」をどう組み込むか、見直してみてください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。