
価格表ってどんな風につくれば効果的なの?
〜お客様に選ばれる「納得」につながる価格表の作り方〜
「価格表、なんとなく用意はしたけど……正直、反応がいまひとつなんです」
「ホームページの価格表が複雑すぎて、お客様が離れてしまうこともあるんですよね…」
起業家や個人事業主の皆さまから、こうしたお声をよく伺います。でも大丈夫です。価格表はビジネスの顔ともいえる存在。正しく設計すれば、安心と信頼につながり、成約率もアップします。
今回は、「価格表をどう作れば効果的なのか?」について、具体的な手順とコツを、わかりやすく、やさしくご案内してまいりますね。
そもそも、価格表ってどうして重要なの?
価格表には、お客様にとって以下のような役割があります:
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期待値を正しく伝える
サービスや商品の価値を感じてもらう前に、「お値段はこれくらいです」という透明性を示すことで安心感が生まれます。 -
比較しやすく理解しやすい
見やすく整理された価格表は、「どれが自分に合っているか?」を判断しやすくします。 -
信頼を築く第一歩になる
曖昧にせず明確に書かれていることで、「この会社は誠実だな」と感じてもらえます。
効果的な価格表のポイント(構成・見せ方編)
① プラン・価格だけでなく「ねらい」が伝わる構成に
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基本プラン → 初めての方向け
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スタンダードプラン → 定番でバランスのよい内容
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プレミアムプラン → しっかりサポートを受けたい方向け
「これはこんな方にちょうどよいよ」、という導線を作ると選びやすさが格段に変わります。
② 価格だけでなく「価値」も明記
たとえば:
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紹介文:「顔出しなしでOK」「撮影+編集つき」「一回完結のセミナー」
これだけで「何を得られるのか」が伝わりますよね。価格と価値がセットだと納得感が高まります。
③ 比較表スタイルで見やすさアップ
表形式で項目を横並びに定めることで、「どこが違うの?」が一目でわかります。
項目 | 基本 | 標準 | プレミアム |
---|---|---|---|
価格 | ¥10,000 | ¥30,000 | ¥50,000 |
サポート期間 | 1ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
個別相談 | なし | 1回 | 3回 |
成果保証 | なし | なし | あり |
このような可視化で、比較しやすさと選びやすさがアップしますね。
④ オプションは別枠で整理
基本プランにピッタリ収めないと逆に混乱してしまう場合には、オプションは別の枠で整理しましょう。
たとえば「+¥5,000で出張対応」「+¥3,000でスライド資料付」など、追加で選べる選択肢は視覚的に分けて訴求すると親切です。
⑤ 「おすすめ」や「人気№1」などの訴求を入れる
人は一歩を踏み出す際、「他の人はどうしてるかな?」という心理を持っています。だからこそ:
-
このプランが “人気です”
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初めての方には “安心の定番プラン”
こう伝えるだけで選んでもらいやすくなります。
お客様の「選択疲れ」「選択できない」といったストレスも軽減できます。
デザイン的に工夫したいこと
● フォントは統一感を持たせる
読みづらいフォントや揺れるデザインは、信頼感を下げてしまうことも。価格は「¥」やカンマなどの表現も統一しましょう。
● 色使いで注目ポイントをつくる
「スタンダードプランにハイライト色を入れる」「おすすめプランに背景色」など、視線誘導につながる工夫を。
● スマホでも見やすくする
今はスマホ表示が主流です。レスポンシブ対応で、スクロールしても整列した見た目を維持しましょう。
実務家からのアドバイス:価格表作成時のステップ
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自分が大切にしている価値(顧客の利益)は?
価格はサービスの価値を伝える手段。まずは「何を届けたいか」を整理。 -
ターゲット別のプラン設計
キーワードは「丁寧に選べる」「無理なく選べる」。複数案あると見比べがしやすいです。 -
差別化ポイントを見せる
「ここが違う」という箇所を明示することで、理解も深まります。 -
レイアウトを紙に書いてから作る
まずは手書きで配置を決めると、頭も整理されます。 -
実際に見てもらう(動線テスト)
知人などに「どれを選ぶ?」「ここで迷う?」とフィードバックをもらうのがベストです。
価格表はほんの少しの配慮が効く“営業の背中押し”
価格表というと単なる数字の羅列に見えますが、「迷わずに選べるよう、やさしく導くツール」にもなります。
誠実で見やすい価格表は、信頼・安心・納得をお客様に与えてくれます。そこから予約や購入、申し込みにもつながっていきます。
焦らず、ちょっと立ち止まって、「どう見えるか? どう感じるか?」を丁寧に考えてみてください。それがあなたのビジネスを支える、大切な工夫になります。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。