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コラム

リスケ中でも追加融資は受けられる?資金調達の現実的な選択肢

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リスケ中でも追加融資は受けられる?資金調達の現実的な選択肢

「銀行に返済を待ってもらっている最中だけど、運転資金が足りない。追加で借りることはできないだろうか…」

リスケ(リスケジュール/返済条件変更)中の経営者から、よく寄せられる相談です。結論からお伝えすると、リスケ中に銀行や日本政策金融公庫から通常の追加融資を受けるのは、原則として難しいのが実情です。

ただし、まったく道が閉ざされているわけではありません。資産や債権の活用、信用保証協会の特別な制度など、現実的に検討できる選択肢はいくつかあります。

この記事では、リスケ中でも検討できる資金調達の方法と、申込前に必ず押さえておきたいポイントを、起業直後の個人事業主・中小企業の経営者向けに整理します。

リスケ中の追加融資が原則として難しい理由

リスケとは、金融機関に返済条件の変更(元金据置、返済期間の延長など)を認めてもらい、毎月の返済額を一時的に軽減してもらう手続きです。

金融機関の側から見ると、リスケに応じた時点でその会社は「当初の約束どおりに返済できなかった会社」と整理されます。債務者区分でいえば、要注意先や要管理先といったランクに位置づけられ、新規融資をしてもまた回収不能になるリスクが高い状態と判断されます。

メインバンクとの間でリスケに合意したとき、暗黙のうちに「新規融資は当面ストップ」という条件もセットになっていると考えておくのが現実的です。リスケ中にこっそり他行から借りて自社の財務を膨らませると、メインバンクとの信頼関係が一気に崩れる可能性もあります。

リスケ中でも検討できる資金調達の選択肢

それでもキャッシュが足りなくなる局面はあります。ここでは、リスケ中でも実務上検討できる方法を整理します。

    • 1. 信用保証協会の「サポート資金(条件変更改善型借換保証)」

信用保証協会には、すでに保証付き融資のリスケを受けている中小企業を対象に、複数の借入を一本化しながら返済負担を軽くする制度があります。経営改善計画書の提出が前提となり、計画の実行モニタリングが入る代わりに、月々の返済額を抑えつつ、追加の資金を上乗せできる場合があります。

メインバンクの理解と協力が前提となるため、まず取引銀行と保証協会へ相談するのが入り口です。

    • 2. 不動産担保ローン(ノンバンクを含む)

会社や代表者個人が所有する不動産があれば、不動産担保ローンによる調達余地があります。銀行系よりノンバンク系の方が、リスケ中でも審査に応じてくれるケースが多めです。

金利は4〜10%前後と銀行プロパー融資より高めですが、まとまった金額を中長期で借りられるのが特徴です。既存銀行借入の肩代わり(借換)として使うことで、抵当順位を整理しつつ、追加の運転資金を確保できる場合もあります。

    • 3. 動産・売掛債権担保融資(ABL)

在庫や売掛金など、決算書に載っている流動資産を担保にする融資です。信用保証協会の流動資産担保融資保証制度を活用すれば、債務者区分が悪化した会社でも一定の金額を引き出せる可能性があります。

業種によって担保適格性が変わる(在庫の汎用性、売掛先の信用力など)ため、自社の資産状況と相性を確認することが大切です。

    • 4. ファクタリング(売掛債権の売却)

ファクタリングは、売掛金を期日前に専門会社へ売却して現金化する仕組みです。融資ではないため、リスケ中でも利用しやすく、最短で即日入金されるサービスもあります。

ただし手数料が割高で、繰り返し利用すると資金繰りをかえって悪化させやすい点には注意が必要です。一時的なつなぎとして使い、抜本的な経営改善とセットで考えることをおすすめします。

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申込前にやっておきたい準備

どの方法を選ぶにしても、リスケ中の追加融資・資金調達は「やればやるほど通る」というものではありません。下記の準備を整えてから動く方が、確度は確実に上がります。

  • ・経営改善計画書の作成:現状分析、課題、改善策、数値目標(売上・利益・キャッシュフロー)を整理した計画書を準備します。実行可能性と継続的なモニタリングが評価対象になります。
  • ・メインバンクへの事前報告:リスケ中の追加調達は、隠れて動くと一発で関係を壊します。先にメインバンクへ相談し、「この資金調達ならOK」というラインを擦り合わせておきます。
  • ・試算表・資金繰り表の最新化:直近3〜6か月の試算表と、向こう12か月の資金繰り表を用意します。金融機関や保証協会、ノンバンクのいずれであれ、現状把握資料は必須です。
  • ・税金・社会保険料の納付状況の確認:滞納があると信用保証協会の保証は使えません。納付遅れがあれば、まずそこを整理することが先決です。

やってはいけないこと

  • ・メインバンクに無断で他行から借りる:信頼関係が崩れ、リスケ条件の見直しや一括返済請求のリスクがあります。
  • ・複数のファクタリング会社から短期間に資金を引く:手数料負担が雪だるま式に膨らみ、資金繰りが悪化します。
  • ・高金利のヤミ金・違法業者を利用する:再生どころか倒産が早まります。「リスケ中でもOK」と過度に強調する業者ほど要注意です。

専門家に相談すべきタイミング

「もう数か月以内に資金が尽きそう」「メインバンクとの話し合いが進まない」「どの制度が使えるか自分では判断できない」、こうした状況であれば、できるだけ早い段階で資金繰りに詳しい専門家へ相談することをおすすめします。

特に、信用保証協会のサポート資金や経営改善計画書の精度は、専門家の関与有無で結果が大きく変わる領域です。早く動くほど、選べる選択肢は多く残ります。

よくある質問

Q. リスケ中でも日本政策金融公庫から追加融資を受けられますか?

A. 原則として、公庫もリスケ中の追加融資には応じません。ただし、経営改善計画書を提出し、メインバンクとの調整が整っている場合、資本性ローン(資本性劣後ローン)などの特殊な制度の検討余地は残ります。

Q. ファクタリングを使うとリスケに影響しますか?

A. ファクタリングは融資ではないため、債務として計上されず、直接的にはリスケ条件に影響しません。ただし、繰り返し利用していると資金繰りが疑問視されることがあるため、メインバンクとの定期報告のなかで状況を共有しておく方が無難です。

Q. リスケから抜け出すまでにどれくらいかかりますか?

A. ケースによりますが、経営改善計画の期間は3〜5年が目安です。計画通りに利益が回復し、毎月のキャッシュフローが安定すれば、その間に正常返済へ戻していく流れになります。

まとめ

リスケ中の追加融資は、銀行プロパーや日本政策金融公庫からの通常融資という意味では原則難しいですが、信用保証協会のサポート資金、不動産担保ローン、ABL、ファクタリング、他行への借換打診といった現実的な選択肢があります。

大切なのは、思いつきで動くのではなく、メインバンクとの関係性を維持しながら、経営改善計画とセットで資金調達を組み立てることです。資金繰りに不安を感じた段階で、早めに専門家に相談しておくことを強くおすすめします。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人

中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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