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コラム

飲食店の事業計画書の書き方と融資成功例

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飲食店の事業計画書の書き方と融資成功例

「飲食店を開業したいが、創業融資を受けるための事業計画書をどう書けばいいかわからない」——これは、はじめて開業する個人事業主の方からもっとも多くいただくご相談です。飲食店の創業融資では、日本政策金融公庫などの審査担当者が事業計画書(創業計画書)の内容を細かく確認します。逆に言えば、ここを押さえれば融資の通過率は大きく変わります。

この記事では、飲食店の事業計画書の書き方を、日本政策金融公庫の「創業計画書」8項目に沿って記入例つきで解説します。あわせて、売上計画の立て方、実際に融資に通った飲食店の成功例、審査で落ちないためのコツまで、これから開業する方向けに整理しました。

飲食店の創業融資で事業計画書が重要な理由

飲食店の開業資金は、物件取得費・内装工事費・厨房設備費などで数百万円〜1,000万円以上になることが多く、自己資金だけでまかなえるケースは多くありません。そこで多くの方が利用するのが、日本政策金融公庫の新規開業資金(旧・新創業融資制度)をはじめとした創業融資です。

創業融資の審査では、まだ実績のない事業の「これからの計画」を判断材料にします。決算書や試算表がない分、事業計画書が唯一に近い判断材料になるため、その完成度がそのまま審査結果を左右します。とくに飲食店は廃業率が高い業種とされているため、「この計画なら返済できる」と具体的な数字で示せるかどうかが問われます。

日本政策金融公庫の創業計画書|8項目の書き方

日本政策金融公庫の創業計画書は、公式サイトからPDF・Excel形式でダウンロードできます。飲食業向けの記入例も公開されているため、自分の業態に近い例を参考にしながら作成すると効率的です。ここでは主要な項目ごとに、飲食店ならではの書き方のポイントを解説します。

1. 創業の動機

なぜその飲食店を開業するのか、これまでの準備の積み重ねを「具体的な行動」で示します。「飲食店での勤務年数」「店長やマネージャーとしての経験」「開業に向けた自己資金の貯蓄」など、計画的に準備してきた事実を盛り込むと、思いつきではない創業であることが伝わります。

2. 経営者の略歴等

飲食業での実務経験は、審査で特に重視されます。調理・接客・店舗管理・原価管理などの経験年数と役割を具体的に書きましょう。同業種での経験が長いほど、事業の継続性に対する説得力が増します。未経験で開業する場合は、研修受講歴や開業前の修業計画などで補います。

3. 取扱商品・サービス

提供する料理のジャンル、看板メニュー、客単価、ターゲットとなる客層を明記します。「居抜き物件を活用した立地」「提供する料理の特徴」「想定する客層」など、具体的な条件を盛り込むことで、経営方針が明確であることを示せます。競合店との違い(差別化ポイント)も簡潔に添えると効果的です。

4. 取引先・取引関係等

仕入先(食材業者・酒類卸など)や、想定する客層(販売先)を記載します。飲食店は現金商売が中心のため回収サイトの問題は小さいですが、仕入先を具体的に書くことで、開業準備が進んでいる印象を与えられます。

5. 従業員

開業時の従業員数(社員・アルバイト)を記載します。人件費は売上計画とも連動するため、想定する営業体制に合った無理のない人数で計画します。

6. お借入の状況

経営者個人の住宅ローン・自動車ローン・カードローンなどの借入を正直に記載します。ここで虚偽や記載漏れがあると信用を大きく損ないます。個人信用情報は照会されるため、ありのままを書くことが大前提です。

7. 必要な資金と調達方法

左側に「設備資金」と「運転資金」、右側に「自己資金」と「借入金」を記載し、左右の合計を必ず一致させます。設備資金は物件取得費・内装工事費・厨房機器費など、運転資金は仕入・人件費・家賃などの当面の支払いを内訳とともに書きます。見積書の金額と一致させ、矛盾のない金額にすることが、借入額の妥当性を伝えるポイントです。

8. 事業の見通し(売上計画)

創業当初と軌道に乗ったあとの、月別の売上・経費・利益を記載します。審査担当者が最も時間をかけて確認する項目です。次の章で、飲食店ならではの売上計画の立て方を詳しく解説します。

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弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫法人営業の小峰を中心とした専門家チームが、幅広い融資を含む資金調達支援・起業支援・経営支援を行っております。「何から始めればいいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

V-Spiritsでは年間1,000件以上の融資などの資金調達支援や起業・経営支援を行っております。専門チームが伴走支援を行います。

飲食店の売上計画の立て方(客単価×席数×回転率×営業日数)

飲食店の売上は、次の式で根拠を持って積み上げます。

売上=客単価 × 席数 × 回転率 × 営業日数

  • 客単価:メニュー構成から積み上げて算出します。ランチとディナーで単価が異なる場合は分けて計算します。
  • 席数:物件の坪数から逆算します。テーブルやカウンターの配置を踏まえた現実的な席数にします。
  • 回転率:業態の平均を参考にします(目安:カフェ2.0〜2.5回転、居酒屋1.5〜2.0回転、レストラン1.5〜2.0回転)。
  • 営業日数:定休日を考慮し、月25〜26日程度で計算するのが一般的です。

たとえば「客単価3,000円 × 席数20席 × 回転率1.5回転 × 営業日数25日」なら、月商は225万円となります。重要なのは、満席を前提にした強気の数字ではなく、開業直後は稼働が低いことを織り込み、数か月かけて軌道に乗せる現実的な推移を示すことです。経費(原価率は30%前後、人件費、家賃など)も具体的に置き、利益が返済額を上回ることを数字で示しましょう。

融資に通った飲食店の事業計画書 成功例

実際に創業融資に通りやすい事業計画書には、共通する特徴があります。

  • 経験の裏づけがある:同業態で5年以上勤務し、店長として原価・人件費の管理経験があることを具体的に記載していた。
  • 自己資金を計画的に準備していた:開業資金の3割程度を、開業に向けてコツコツ貯めてきた通帳の履歴で示せた。
  • 売上計画に根拠があった:客単価・席数・回転率を業態平均と立地データで裏づけ、開業3か月目以降に黒字化する現実的な推移を提示していた。
  • 資金使途が明確だった:内装・厨房機器の見積書と計画書の金額が一致し、運転資金も具体的に算定していた。

逆に言えば、これらが曖昧なまま提出すると、審査担当者は「返済できるのか」を判断できず、減額や否決につながります。成功例の共通点は、特別なテクニックではなく「具体的な数字と裏づけ」に尽きます。

事業計画書でよくある失敗と審査で落ちないコツ

  • 売上が過大:満席・高回転を前提にした非現実的な売上計画は、すぐ見抜かれます。控えめかつ根拠のある数字にしましょう。
  • 資金の左右が合わない:「必要な資金」と「調達方法」の合計が一致していないと、計画の信頼性を疑われます。
  • 自己資金が極端に少ない:自己資金が乏しいと返済力が不安視されます。見せ金(一時的に借りて入金した資金)は通帳の動きで判明するため避けます。
  • 経験のアピール不足:飲食業の経験は最大の強みです。役割と実績を具体的に書きましょう。

なお、補助金や助成金、融資制度の要件は時期によって変わるため、申請前には必ず日本政策金融公庫など公式の最新情報を確認してください。本記事は執筆時点の一般的な情報をもとに整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 飲食店の創業融資はいくらまで借りられますか?

A. 自己資金の額や事業計画の内容によって異なります。一般に、必要資金に対して自己資金が一定割合あると審査で有利になりやすい傾向があります。具体的な借入可能額は、計画内容をもとに専門家にご相談いただくのが確実です。

Q. 自己資金なしでも事業計画書を出せば借りられますか?

A. 自己資金が全くないと、計画書だけで融資を通すのは容易ではありません。開業準備として計画的に自己資金を蓄えてきた事実が、返済力と計画性の証明になります。

Q. 事業計画書はどのくらいの分量が必要ですか?

A. 公庫の創業計画書はA3の所定様式が基本ですが、売上根拠や事業の強みを補足する別紙を添えると、より説得力が高まります。量より、数字の裏づけと一貫性が重要です。

まとめ

飲食店の創業融資では、事業計画書(創業計画書)の完成度が審査結果を大きく左右します。ポイントは、(1)飲食業の経験を具体的に示す、(2)資金使途を見積書と一致させる、(3)売上計画を「客単価×席数×回転率×営業日数」で根拠づける、(4)現実的な収支推移で返済力を示す、の4点です。はじめての開業では判断に迷う場面も多いため、不安があれば創業融資に詳しい専門家に早めに相談し、通る計画書に仕上げていきましょう。

【無料相談のご案内】

弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫の法人営業の小峰を中心とした所属専門家チームが一丸となって、幅広い融資を含む資金調達のご支援・起業支援・経営支援を行っております。
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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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