税理士/社労士/行政書士/司法書士/中小企業診断士/FP/元補助金審査員/元日本政策金融公庫支店長/各種コンサルタントなどが常駐する他に類を見ないワンストップサービス
オフィスは池袋駅から徒歩3分の日本政策金融公庫池袋支店と同じビルです。起業・経営の無料相談実施中

コラム

薬局の開業・承継で使える補助金|医療法人は対象外でも薬局の多くが使える理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

薬局の開業・承継で使える補助金|新規開局とM&A後の投資まで制度を整理【2026年版】

薬局を新しく開局する場合と、既存薬局を事業承継(M&A)で引き継ぐ場合とでは、資金計画で考えるべきことが大きく違います。とくに補助金は「開業そのもの」を直接支援する制度と、「開業後・承継後の設備投資」を支援する制度が混同されがちです。この記事では、2026年度に薬局が使える可能性のある補助金を、新規開局と承継後投資の2つの場面に分けて整理します。なお、補助金の要件・上限額は年度・公募回によって変わるため、本記事の内容は執筆時点(2026年7月)の情報とし、申請前には必ず最新の公募要領をご確認ください。

薬局の「開業」と「承継」で使える補助金は分けて考える

まず押さえておきたいのは、事業承継(M&A)そのもの、つまり譲渡対価やデューデリジェンス費用そのものを直接支援する補助金は、本記事で扱う制度の対象には含まれないという点です。承綗の資金調達や譲渡対価の相談は、M&A仲介会社や税理士など専門家への相談が基本になります。

一方で、補助金が力を発揮するのは「開業時の販路開拓」や「承継後の設備投資・システム刷新」の場面です。新規開局であれば内装や広報にかかる費用、承継であれば引き継いだ薬局の設備更新やデジタル化に、補助金を組み合わせる余地があります。この記事では、この2つの場面ごとに使える制度を整理します。

新規開局で使える補助金|小規模事業者持続化補助金が中心

ゼロから薬局を新規開局する場合にまず検討したいのが、小規模事業者持続化補助金です。この制度は、小規模事業者が経営計画に基づいて行う販路開拓の取り組みを支援するもので、補助上限は特例を使った場合で250万円です。

対象経費には、チラシ・看板・DM発送などの広報費、ウェブサイト・ECサイトの制作やSEO対策などのウェブサイト関連費、店舗備品などの機械装置等費が含まれます。ただし、ウェブサイト関連費のみでの申請はできず、交付申請額の1/4かつ最大50万円という上限があるため、広報費や店舗備品と組み合わせた計画にする必要があります。

注意したいのが対象者の範囲です。小規模事業者持続化補助金は、医療法人・宗教法人・学校法人などが対象外になりやすいという性質があります。ここで薬局にとって重要なのは、保険薬局の多くは医療法人ではなく、株式会社・合同会社・個人事業主として運営されているという点です。そのため「医療法人は対象外」という一般的な注意書きだけを見て諦める必要はなく、自院の法人形態を確認したうえで対象になるかを判断するのが実務的な進め方です。また、申請時点で未開業の創業予定者は対象外になる点にも注意が必要です。開局後に商工会・商工会議所の支援を受けながら申請する流れになります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

承継(M&A)後の設備投資・DXで使える補助金

既存薬局を事業承継で引き継いだ後は、前経営者の代から使ってきた設備やシステムを刷新するタイミングになることが少なくありません。ここで検討したいのが、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)と中小企業省力化投資補助金です。

デジタル化・AI導入補助金は、レセプトコンピュータや電子薬歴システムなど、業務効率化につながるITツールの導入を支援する制度です。通常枠の補助上限は450万円、複数の事業者が連携して導入する場合の枠では上限3,000万円まで対象になります。この制度は保険調剤・自費どちらの業務効率化にも活用できる点が特徴で、薬局のレセコン更新や電子薬歴移行といった、承継後によくある投資と相性が良い制度です。ただし、事務局に登録されたIT導入支援事業者の支援を受けて申請する前提があり、ハードウェア単体の購入は原則対象外である点には注意してください。

もう一つの選択肢が、中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)です。全自動分包機や自動精算機のように、あらかじめ登録された省力化機器を導入する場合はカタログ注文型(補助上限1,500万円)、既製品の組み合わせでオーダーメイド性のある省力化を行う場合は一般型(補助上限は規模により750万円〜1億円)を検討します。

「保険調剤に使う機械は対象外」になりやすい制度に注意

薬局の補助金活用で見落としやすいのが、経済産業省・中小企業庁が所管する新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の扱いです。この制度は、補助対象経費に関する誓約書のなかで、公的医療保険からの診療報酬・調剤報酬と重複する事業を原則対象外としており、保険調剤に使う機械を申請しないと誓約する必要があります。実務上、対象になりやすいのは個人事業主かつ自由診療(OTC販売や自費相談メニューなど保険外の取り組み)に限られるとされ、医療法人は対象外です。補助対象として導入した機器を後から保険調剤に流用することも、目的外使用として返還リスクの対象になります。

一方で、在宅医療への新規参入やOTC強化による健康サポート機能の拡充など、これまで手掛けていなかった事業への進出という新規性が明確にある場合は、新事業進出枠での検討余地が生まれることもあります。ただし新規性の判定は個別の審査事項であるため、通常の保険調剤業務の延長として設備を増やすだけでは対象にならないと考えておくのが安全です。

この点を踏まえると、薬局が補助金で保険調剤関連の設備投資をしたい場合は、まずデジタル化・AI導入補助金や中小企業省力化投資補助金(一般型)のような、診療報酬・調剤報酬との重複を理由に一律除外しない制度を優先して検討するのが現実的です。中小企業省力化投資補助金(一般型)は2026年3月の公募要領改訂で「診療報酬・介護報酬との重複がある事業は対象外」という規定そのものが撤廃されており、保険調剤を行っていること自体が申請の障壁ではなくなっている点も押さえておきたいポイントです。

制度の選び方(目的別の早見表)

やりたいこと 検討したい制度 補助上限の目安
新規開局時の広報・ウェブサイト整備 小規模事業者持続化補助金 250万円(特例時)
承継後のレセコン・電子薬歴システム刷新 デジタル化・AI導入補助金 通常枠450万円/複数者連携枠3,000万円
分包機・自動精算機などの省力化機器導入 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型) 1,500万円/規模により最大1億円
在宅医療参入・OTC強化など新事業への進出 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(新事業進出枠) 規模・特例により最大9,000万円※

※新事業進出枠の上限額は、最大の従業員規模かつ大幅賃上げ特例を適用した場合の最大値であり、無条件の上限ではありません。実際の上限は従業員規模によって変わります。

申請の進め方と注意しておきたいこと

小規模事業者持続化補助金は商工会・商工会議所の事業支援計画書の発行と伴走支援が前提になるため、申請の検討を始めたら早めに窓口へ相談することをおすすめします。デジタル化・AI導入補助金や中小企業省力化投資補助金も、登録済みの支援事業者やベンダーとの連携が前提になる制度が多く、単独で書類だけ揃えて申請できるわけではありません。

どの制度にも共通する注意点として、交付決定前に発注・契約・支払いをしてしまうと、その経費は補助対象外になります。承継のタイミングで先に設備を発注してしまうと、後から補助金を使えなくなるケースがあるため、資金計画と発注のスケジュールは必ず補助金の交付決定を待ってから動かすようにしてください。また、補助金は採択後すぐに入金される制度ではなく、原則として経費を立て替えて事業を完了させた後に精算払いされる後払いの仕組みです。承継直後で手元資金に余裕がない場合は、つなぎ融資の活用もあわせて検討する必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q. 事業承継(M&A)の譲渡対価そのものに使える補助金はありますか?

本記事で扱った制度は、いずれも設備投資・システム導入・販路開拓を対象にしたもので、譲渡対価そのものを直接支援するものではありません。承継の資金調達については、M&A仲介会社や税理士など専門家に個別に相談することをおすすめします。

Q. 医療法人が運営する薬局でも小規模事業者持続化補助金は使えますか?

小規模事業者持続化補助金は医療法人が対象外になりやすい制度です。ただし保険薬局の多くは株式会社・個人事業主として運営されているため、まずは自院の法人形態を確認したうえで、対象になるかどうかを商工会・商工会議所の窓口で確認するのが確実です。

Q. 保険調剤で使う機械の購入に使える補助金はありますか?

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、保険調剤に使う機械を原則対象外としています。一方でデジタル化・AI導入補助金や中小企業省力化投資補助金(一般型)は、保険調剤を行っていること自体を理由に除外する規定がないため、こちらを優先して検討するのが現実的です。

まとめ

薬局の補助金活用は、新規開局なら小規模事業者持続化補助金を軸にした販路開拓、承継後ならデジタル化・AI導入補助金や中小企業省力化投資補助金を軸にした設備投資・DXという形で、場面ごとに使い分けるのが基本です。事業承継そのものの資金調達は補助金の対象外であることも押さえたうえで、自院の法人形態や事業内容に合った制度を選び、交付決定前の発注は避けるという基本ルールを守りながら計画を立てていきましょう。制度選びや申請準備に迷う場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

関連記事

無料相談
お客様の声

新着コラム

  1. ...
  2. ...
  3. ...
  4. ...
  5. ...
ダウンロードはこちら
全国対応の補助金申請を専門家がサポート|中野裕哲の無料相談V-Spirits
All Aboutガイドの原点
多胡藤夫ブログ
中野裕哲ブログ
渋田貴正ブログ
三浦高ブログ
小峰精公ブログ
坂井優介ブログ
嶋田大吉ブログ
行政書士法人V-Spirits
充実の福利厚生制度
採用情報
業務提携先募集情報
V-Spirits Group SDGsの取り組み
弊社グループ専門家への取材対応について
爆アゲ税理士の起業経営チャンネル
脳卒中フェスティバル

他社広告欄

クラウドPBX