税理士/社労士/行政書士/司法書士/中小企業診断士/FP/元補助金審査員/元日本政策金融公庫支店長/各種コンサルタントなどが常駐する他に類を見ないワンストップサービス
オフィスは池袋駅から徒歩3分の日本政策金融公庫池袋支店と同じビルです。起業・経営の無料相談実施中

コラム

飲食店の多店舗展開に補助金は使える?対象になる投資・ならない投資を2026年度版で解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

飲食店の多店舗展開で補助金が使える部分・使えない部分【2026年度の制度別ガイド】

1店舗が軌道に乗り、「2店舗目、3店舗目を出したい」と考えたとき、多くの飲食店オーナーが「多店舗展開に使える補助金はないか」と探し始めます。ただ、ここで最初に知っておきたい大前提があります。それは、 同じ業態の店舗を増やすこと(多店舗展開そのもの)に、そのまま使える補助金はほとんどないという事実です。

とはいえ、展開の「やり方」次第で補助金が効く場面は確かにあります。この記事では、2〜3店舗目を検討している数年経営の飲食店オーナーに向けて、2026年度の制度をもとに「多店舗展開のどの部分になら補助金を当てられるのか」「どこは融資で組むべきか」を整理します。制度名や上限額は執筆時点(2026年7月)の情報です。申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。

大前提:「店舗を増やすこと」自体は補助金の対象になりにくい

補助金は「お店を増やしたい」という理由だけでは採択されにくい設計になっています。国の補助金は、単なる規模拡大ではなく「生産性の向上」「新しい市場への挑戦」「人手不足の解消」といった政策目的にひも付いているためです。

たとえば、新しい市場・新しい事業への進出を支援する新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠では、公募要領上、次のようなケースは対象外とされています。

  • 既存事業と同じ市場・同じ業態での出店(単に商圏が違うだけ)
  • 既存メニューへの単なるメニュー追加
  • 既存店舗の増産・再製造にあたる投資

つまり「今と同じ居酒屋を隣町にもう1軒」という展開は、この枠の想定する「新事業進出」には当たりません。ここを理解しないまま「多店舗展開=補助金が出る」と考えて事業計画を組むと、申請の入口でつまずきます。まずは「展開のどこに、政策目的に合う投資が含まれているか」を切り分けることが出発点です。

多店舗展開で「補助金を当てられる部分」の4パターン

店舗を増やす動きには、実際にはさまざまな投資が付随します。そのうち補助金の目的に合致する部分を、目的別に切り出して申請するのが現実的なアプローチです。代表的な4パターンを見ていきましょう。

① 新しい業態・新サービスを伴う出店 → 新事業進出枠/革新的新製品・サービス枠

2店舗目が「今までと明確に違う業態・新サービス」であれば、新事業進出の文脈で補助金の対象になり得ます。たとえば、居酒屋経営の会社が新たにセントラルキッチンを構えて冷凍食品の製造販売に踏み出す、といったケースです。

  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠:補助下限750万円、補助上限は従業員規模により2,500万〜7,000万円(大幅賃上げ特例の適用時は最大9,000万円)、補助率は中小企業者で原則2分の1。「申請者にとっての新しい市場・新しい商品」であることが要件です。この枠は飲食業でも活用でき、条件を満たせば建物費も対象になります。
  • 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠:新商品・新サービスの開発が主軸の場合はこちら。補助下限100万円、補助上限は従業員規模により750万〜2,500万円(大幅賃上げ特例で最大3,500万円)、補助率は原則2分の1です。

ただし、いずれも「新規性」の説明が審査の山場です。顧客層や価格帯を少し変えただけでは「新市場」と認められにくく、なぜ新しいのか・どこに高い付加価値があるのかを、相場との比較を交えて計画に落とし込む必要があります。なお、この2枠は2026年度に「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」が統合された制度で、第1回公募の申請締切は2026年10月30日18時(採択発表は2027年1月頃の予定)とされています。

② 各店舗の省力化(配膳ロボット・セルフレジ等)→ 中小企業省力化投資補助金

店舗数が増えるほど、人手不足は経営の重い課題になります。各店舗にセルフレジ・券売機・配膳ロボットなどを入れて省人化を図る投資には、中小企業省力化投資補助金が候補になります。2つのタイプがあります。

  • カタログ注文型:あらかじめ登録された省力化製品から選んで導入するタイプ。補助上限は1,500万円(大幅賃上げ計画を盛り込む場合)で、販売事業者と共同で申請します。即効性を重視する導入に向いています。
  • 一般型:カタログにない設備を、自社の課題に合わせてオーダーメイド寄りに導入するタイプ。補助上限は1億円。ただし汎用機を1台入れるだけでは対象にならず、複数設備の組み合わせなどで「オーダーメイド性」を示す事業計画が必要です。

いずれも労働生産性の向上目標(カタログ注文型は年平均3.0%以上、一般型は年平均4.0%以上)と賃上げが要件で、未達の場合は減額や返還のリスクがある点は理解しておきましょう。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

③ 複数店舗の業務を一元化するIT・DX → デジタル化・AI導入補助金

多店舗展開でつまずきやすいのが、店舗ごとに売上・在庫・シフトがバラバラに管理され、本部で全体が見えなくなることです。複数店舗のPOS・受発注・在庫・勤怠を一元管理するシステムの導入には、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が使えます。

  • 通常枠は補助上限450万円、インボイス枠は350万円、複数の事業者が連携して共通基盤を導入する枠では最大3,000万円です。
  • 事務局に登録されたIT導入支援事業者(ベンダー)の支援を受け、登録されたITツールを導入するのが前提です。

「業務効率化・生産性向上」に結びつくツール導入が対象で、複数店舗を横断して数字を見える化したい局面と相性が良い制度です。

④ 新店の販路開拓・広報 → 小規模事業者持続化補助金(要件に注意)

新店の集客チラシ、ホームページやEC整備、看板などの販路開拓には小規模事業者持続化補助金があります。補助率は3分の2、補助上限は基本50万円で、インボイス特例・賃金引上げ特例の要件を満たせば最大250万円まで上乗せされます。

ただし、この制度は名前のとおり「小規模事業者」向けで、飲食業を含む商業・サービス業では常時使用する従業員が5人以下であることが条件です。複数店舗を運営してスタッフが増えている会社は、この要件を外れて対象にならないケースが多くなります。ここは多店舗展開のオーナーが見落としやすいポイントです。また、広報費・ウェブサイト関連費はそれぞれ30万円(税込)という上限があり、これらだけの申請はできない点にも注意してください。

展開の「主資金」は融資で組む――補助金との役割分担

ここまで見てきたとおり、補助金はあくまで「展開に付随する特定の投資」にピンポイントで当てるものです。物件取得費、内装工事、保証金、運転資金といった出店の中心的な資金は、融資で組むのが基本になります。理由は制度の性質にあります。

  • 補助金は原則「後払い」:多くの補助金は、事業を実施して支払いを終えたあとに補助金が振り込まれます。出店時にはいったん全額を自己資金や融資で立て替える必要があります。
  • 交付決定前の発注は対象外:採択の通知が来ただけでは事業を始められません。交付決定より前に契約・発注・支払いをした費用は補助対象外になります。オープン日から逆算した資金計画では、このタイムラグが致命傷になりがちです。

2店舗目以降の出店資金は、日本政策金融公庫の融資などを軸に組み立て、補助金は「使える部分に上乗せする」という位置づけで考えると、資金計画に無理がなくなります。補助金の採択を前提に出店スケジュールを固めてしまうのは避けたいところです。

申請前に押さえておきたい実務ポイント

実際に補助金を検討する前に、共通して押さえておきたい実務上の注意点をまとめます。

  • 賃上げ要件:新事業進出枠・省力化投資補助金などは、給与総額や事業場内最低賃金の引き上げが要件になっています。未達の場合は補助金の返還が生じることがあるため、無理のない計画設計が欠かせません。
  • 電子申請とGビズIDプライム:多くの補助金は電子申請で、GビズIDプライムのアカウント取得が前提です。取得には日数がかかるため早めに準備しましょう。
  • 相見積り・支払方法のルール:一定額を超える発注は複数社の見積りが必要、支払いは銀行振込が原則、といった細かなルールがあります。
  • 税務処理の扱い:補助金を受け取ると、その会計・税務上の取り扱いが問題になる場合があります。個別の処理は税理士など専門家に確認することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q. 2店舗目の物件取得費や内装費に補助金は使えますか?
A. 同じ業態の出店にかかる物件・内装費そのものは、補助金の主対象にはなりにくいのが実情です。新業態を伴う出店であれば新事業進出枠で建物費などが対象になり得ますが、まずは融資での資金計画を基本に考えるのが安全です。

Q. フランチャイズに加盟して多店舗展開する場合はどうですか?
A. 加盟金やロイヤリティといったFC特有の費用は補助金になじみにくい一方、各店舗の省力化設備やDXツールなど、目的が合致する投資部分は補助金の検討対象になります。加盟契約の内容によって切り分けが変わるため、個別に確認するのが確実です。

Q. どの補助金を狙えばよいか分かりません。
A. 「その店舗投資が、新市場への挑戦なのか/省力化なのか/DXなのか/販路開拓なのか」で使う制度が変わります。展開計画を目的別に分解し、それぞれに合う制度を当てるのが近道です。判断に迷う場合は、資金調達に詳しい専門家に相談すると整理が早く進みます。

まとめ

飲食店の多店舗展開では、「店舗を増やすこと」自体に直接使れる補助金はほとんどありません。使えるのは、①新業態・新サービスを伴う出店(新事業進出枠・革新的新製品・サービス枠)、②各店舗の省力化(中小企業省力化投資補助金)、③複数店舗の業務一元化(デジタル化・AI導入補助金)、④新店の販路開拓(小規模事業者持続化補助金・小規模要件に注意)といった「付随する投資」の部分です。

そして、出店の主資金は融資で組み、補助金は使える部分に上乗せする――この役割分担が、無理のない資金計画のカギになります。制度は毎年見直されるため、最新の公募要領を確認しながら、自社の展開計画に合う制度を選んでいきましょう。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

中野裕哲紹介画像

この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

関連記事

無料相談
お客様の声

新着コラム

  1. ...
  2. ...
  3. ...
  4. ...
  5. ...
ダウンロードはこちら
全国対応の補助金申請を専門家がサポート|中野裕哲の無料相談V-Spirits
All Aboutガイドの原点
多胡藤夫ブログ
中野裕哲ブログ
渋田貴正ブログ
三浦高ブログ
小峰精公ブログ
坂井優介ブログ
嶋田大吉ブログ
行政書士法人V-Spirits
充実の福利厚生制度
採用情報
業務提携先募集情報
V-Spirits Group SDGsの取り組み
弊社グループ専門家への取材対応について
爆アゲ税理士の起業経営チャンネル
脳卒中フェスティバル

他社広告欄

クラウドPBX