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コラム

3DCAD導入の補助金、建設業がつまずくのはソフト代の外側です|計画が崩れる4か所

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3DCADの導入で補助金が外れる4か所|建設業の設計・製作現場から

鉄骨や金属加工、設備配管の製作図・施工図を2次元CADで描いてきた会社が、干渉のチェックや手戻りの削減を目的に3DCADへ移そうとすると、最初に出てくるのが費用の話です。ソフトのライセンスだけでも金額が張るうえに、動かす環境と覚える時間が同時にかかります。そこで補助金を当てにしたくなるのですが、制度側は「3DCADを入れる」という言い方では投資を受け取ってくれません。ここでは計画が崩れやすい4か所を見てから、目的別の入口を整理します。

3DCADの投資は、ソフトの購入費だけでは終わりません

見積を取ると、金額は少なくとも4つの塊に分かれます。ソフトのライセンス費、それを動かす作図環境、これまで2次元で溜めてきた図面を3Dに置き換えていく作業、そして操作できる人を育てるまでの時間です。

ところが補助金の側には「3DCAD導入費」という経費区分が存在しません。制度が見ているのは、ソフトウェア購入費なのか、機械装置・システム構築費なのか、クラウド利用料なのか、導入関連費なのかという費目の名前だけです。同じ1枚の見積が制度側で複数の区分に割れるため、どの制度に当てるかを決める前に見積を固めてしまうと、拾えるはずだった費目が宙に浮きます。

【落とし穴1】「3DCADを導入する」だけの計画は、どの制度でも主役になれません

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、補助上限1億円で専用ソフト・情報システムも機械装置・システム構築費に含まれるため、設計まわりの投資と相性がよさそうに見えます。ただしこの制度が対象にするのは、ICT・IoT・AI・ロボット等を活用した「オーダーメイド性のある設備」です。汎用設備を複数組み合わせてより高い省力化効果を生む場合や、導入する環境に応じて周辺機器・機器の数・搭載する機能が変わる場合は、汎用設備でもオーダーメイド設備とみなされます。逆に、単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外です。

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠も同じ形で外れます。この枠は自社の技術力等を活かした新製品・新サービスの開発を支援するもので、開発を伴わない単なる導入は対象外です。既存の製品・サービスの生産等プロセス改善も、この枠では対象になりません。

どちらの制度も、「入れること」ではなく「入れて何を変えるか」を計画の主語にする設計です。3DCADという製品名を軸に書き出すと、この主語が最後まで出てきません。

【落とし穴2】ソフトと一緒に、動かす機材まで賄えると考えてしまう

3Dは2次元よりも作図環境への要求が上がりやすく、既存の端末では回らないという判断になることがあります。ここでソフトと機材をひとまとめに補助対象と見込むと、自己負担の見込みがずれます。

革新的新製品・サービス枠では、汎用のパソコン・スマートフォン・車両・家賃・建物の単なる購入等は対象外と整理されています。デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)でも、パソコンやタブレット等のハード単体の購入は対象外で、対象ソフトとセットになる類型で一部が対象になるという扱いです。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

審査する側にいたころから変わらないのですが、パソコンなどの汎用品は基本的に補助金の対象になりません。「ソフトを入れるのだから、動かす機材も一式で見てもらえる」という前提で相談に来られる方がいます。汎用品かどうかの線は制度ごとに引かれているので、機材の型番を決める前に、どちらの側に落ちるのかを確かめる順番にしておくと安全です。

【落とし穴3】ライセンスの本数と契約の形を決める前に、見積を取ってしまう

3Dは、作図する人だけで完結しません。モデルを確認する人、現場で見る人が出てくるため、動き始めてから本数が増えていきます。ここが2次元CADの入れ替えと違うところです。

そして補助金は、交付決定前に行った発注・契約・購入を対象外とする制度がほとんどです。小規模事業者持続化補助金では交付決定日前の発注・契約・支払は対象外と明記され、革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠でも交付決定前の発注・契約・購入は対象外とされています。採択の通知だけでは事業を始められないという設計なので、交付決定を受けたあとで「やはりもう2本」と足しても、その分は射程の外に出ます。

契約の形でも扱いが分かれます。デジタル化・AI導入補助金ではクラウド利用料が最大2年分まで対象経費に入り、導入関連費として設定・研修・マニュアル作成・保守サポート等も見られます。中小企業省力化投資補助金(一般型)でもクラウドサービス利用費が対象経費に入りますが、補助事業専用の利用であることが前提です。年額の契約で入れるのか、買い切りで入れるのかによって、拾える範囲が変わります。

💬 無料相談のご案内

補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

【落とし穴4】習熟にかかる時間を見ないまま、生産性の目標を置いてしまう

中小企業省力化投資補助金(一般型)は3〜5年の事業計画で労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画が求められ、賃上げ目標が未達の場合は達成率に応じた返還が生じうる制度です。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の各枠では、付加価値額が年平均+4.0%以上、一人当たり給与支給総額が年平均+3.5%以上、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上という基本要件が置かれ、未達は返還の対象とされています。カタログに登録された製品から選ぶ中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は労働生産性を年平均+3.0%以上とする計画で、未達時には減額の規定があります。

実施期間は、革新的新製品・サービス枠が交付決定日から10か月以内、新事業進出枠が14か月以内という設計です。3DCADは入れた翌月から前と同じ速度で図面が出るわけではないので、習熟の山をこの期間のどこに置くかまで含めて数字の伸び方を組むことになります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

相談の場で最初に出てくるのは、上限額の数字であることが多いです。ただ3,500万円や9,000万円は、最大の従業員規模で大幅賃上げ特例まで適用したときの最大値で、実際は規模によって変わります。革新的新製品・サービス枠なら5人以下は750万円からです(2026年度・公募要領1.0版時点)。自社の規模の行を先に見てから逆算する順番にすると、話が早く進みます。

3Dにする目的で、入口は4つに分かれます

既存の設計・製作の手戻りを減らすなら

社内の作り方を変えることが目的なら、中小企業省力化投資補助金(一般型)とデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が候補です。前者は補助上限1億円で、機械装置・システム構築費に専用ソフト・情報システムが含まれます。単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れる必要があり、前述のオーダーメイド性を計画で示すことになります。後者は通常枠450万円、インボイス枠350万円、複数者連携デジタル化・AI導入枠3,000万円という枠構成で、事務局に登録されたIT導入支援事業者の支援を受け、登録されたツールを導入することが前提です。3DCADが登録ツールに載っているかどうかで、この制度が候補に残るかが決まります。

3Dモデルの作成そのものを外に売るなら

自社の施工で使うだけでなく、3Dモデル化や図面化を他社から請け負う事業を立ち上げるのであれば、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 新事業進出枠が視野に入ります。補助下限は750万円、補助上限は従業員1〜20人で2,500万円、21〜50人で4,000万円と規模別です。求められるのは申請者にとっての新規性と、申請者にとって新たな市場であることで、日本初である必要はありません。

3Dを使った新しい製品・サービスを開発するなら

3Dのデータを前提にした新しい製品や、これまで出していなかったサービスを開発する話であれば、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的新製品・サービス枠です。補助下限100万円と入口が低く、補助上限は5人以下750万円から51人以上2,500万円まで規模別に定められています(大幅賃上げ特例の適用時は最大3,500万円)。補助率は中小企業者1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者は2/3です。同業で既に相当程度普及している開発は対象外とされているため、周囲での普及の度合いも計画の前提になります。

規模が小さく、販路開拓とセットなら

小規模事業者持続化補助金は補助率2/3、上限50万円で、インボイス特例や賃金引上げ特例の要件を満たすと最大250万円まで上乗せされます。ただし対象は小規模事業者に限られ、常時使用する従業員数の上限が業種区分で変わります(商業・サービス業は5人以下、製造業その他は20人以下)。自社がどの区分に当たるかは、申請の前に商工会・商工会議所へ確かめてください。申請にはGビズIDプライムと事業支援計画書(様式4)が要ります。第20回公募は締切が2026年12月15日17時と公表されています。

まとめ

建設業の3DCAD導入で計画が崩れやすいのは、①「導入する」だけで主語が止まっている、②ソフトと機材を一括で見込んでいる、③ライセンスの本数と契約形態が交付決定前に固まっていない、④習熟の時間を見ずに生産性の数字を置いている、の4か所です。3Dにして何を変えるのかが決まれば、当てる制度は絞られます。ここに挙げた数字と要件は2026年度の執筆時点のもので、公募回によって変わります。申請の前には最新の公募要領で確認し、迷うところがあれば専門家へご相談ください。

【無料相談のご案内】

弊社では、補助金専門行政書士法人V-Spiritsが補助金支援を行っております。元補助金審査員の三浦を中心とした各種専門家チームが全面的にサポートいたします。このケースは補助金の対象になるのか?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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