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コラム

ICT建機・測量機に省力化補助金は使える?従業員規模で決まる枠の実額と、入れたあとに続く3〜5年

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ICT建機・測量機に省力化補助金は使える?従業員規模で決まる枠の実額と、入れたあとに続く3〜5年

建設・測量の設備投資で省力化補助金を使うとき、先に決めるのは「その機械を何年持ち続けるか」です

ICT建機や測量機の見積を取り始めると、まず目に入るのが「上限1億円」という数字です。ところがこの1億円は、申請すれば自社に出る金額ではありません。中小企業省力化投資補助金は、常時使用する従業員の人数で枠の実額が段階的に決まっており、建設・測量の中小規模の会社が実際に見ることになる金額は、そこからかなり離れた位置にあります。

そしてもう一つ、見積の段階では見えにくい数字があります。補助金を使って入れた機械には、労働生産性の目標と賃上げの目標が数年単位でついてきます。機械を数年で入れ替えながら回してきた会社ほど、この「年数」のほうが後から効いてきます。この記事では、2026年8月時点で公表されている枠の実額と、導入後に続く年数を並べて整理します。

「省力化補助金」と呼ばれている制度は2つあり、枠の実額は従業員規模で決まります

ICT建機・測量機の導入で候補になるのは、中小企業省力化投資補助金(一般型)と中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)の2つです。どちらも「省力化補助金」と略されるため混ざりやすいのですが、金額の決まり方が違います。

中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助上限額は、公式サイトの2026年8月時点の掲載で次のとおりです。従業員数5人以下は750万円、6〜20人は1,500万円、21〜50人は3,000万円、51〜100人は5,000万円、101人以上は8,000万円。賃上げ要件を達成した場合の引き上げ後は、順に1,000万円、2,000万円、4,000万円、6,500万円、1億円です。補助率は中小企業が1/2(一定の場合は2/3)、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者は2/3とされています。

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は、従業員数5名以下が200万円、6〜20名が500万円、21名以上が1,000万円で、賃上げ要件の達成後は順に300万円、750万円、1,500万円、補助率は1/2以下です。

ここで確認していただきたいのは、検索して出てくる「上限1億円」「上限1,500万円」が、いずれも最大規模かつ賃上げ達成後の数字だという点です。従業員5〜20人の専門工事会社や測量会社であれば、一般型で見る枠は750万円から1,500万円、カタログ注文型では200万円から500万円の帯になります。ICT建機1台の車両価格と並べると、この差は計画の組み方そのものを変えます。なお制度の数字は改定されるため、申請前には公式サイトで最新の公募回の要領を確認してください。

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補助金専門行政書士法人は、V-Spirits元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

ICT建機や測量機を1台買うだけでは、一般型の入口に立てません

一般型は設備投資が必須で、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を最低1つ入れる必要があります。ICT建機も測量機もこの単価は当然に超えますが、それだけでは足りません。対象になるのは「オーダーメイド性のある設備」で、次のいずれかに当てはまる必要があります。省力化に資する汎用設備を複数組み合わせることで、より高い省力化効果や付加価値を生み出す場合。あるいは、事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合です。単に汎用設備を単体で導入する事業は対象外とされています。

つまり「バックホウを1台、ICT仕様で買う」という形だけでは、金額要件を満たしていても一般型の土俵に乗りません。測量機と現場の座標データを扱う仕組み、施工履歴を扱う仕組みまで含めて、一続きの工程として組んだときに初めて話が動き出します。

一方のカタログ注文型は、公的に登録された省力化製品から選ぶ前提の制度です。建設機械や測量機器もカタログに登録された製品があり、登録されていればこちらの入口が使えます。ただし販売事業者と共同で申請することが前提で、単独申請は原則できません。買いたい機種が決まっていても、その販売店が共同申請に対応していなければ話が進まないという構造になっています。

数値目標は「年平均」で示すため、3〜5年ぶん続きます

一般型では、3〜5年の事業計画を組み、労働生産性を年平均+4.0%以上伸ばす計画が求められます。カタログ注文型では、労働生産性(付加価値額を従業員数で割ったもの)を年平均成長率3.0%以上向上させる計画が必要で、未達のときの減額規定が置かれています。いずれも導入後の効果報告が複数年度にわたり、取得した資産の管理ルールを守る前提の制度設計です。

ここが、建設機械を持っている会社にとって考えどころになります。建機や測量機は、数年ごとに下取りに出して次の機種に持ち替えるという回し方が一般的です。ところが補助金で入れた設備は、報告と資産管理の対象として数年間つきあう資産になります。「いつもの入れ替えサイクル」と、制度が想定している保有期間が噛み合うかどうかを、見積を取る段階で確かめておく必要があります。

賃上げの目標を外したときの結果は、選んだ型で変わります

枠の表でカッコ内に入っていた金額は、賃上げ要件を達成した場合の上限額です。この目標を達成できなかったときの扱いが、2つの型で異なります。一般型は、賃上げ目標が要件になっており、未達の場合は達成率に応じて返還が発生しうる制度です。カタログ注文型は、賃上げ目標を盛り込むと上限枠が拡大する一方、未達の場合は減額の対象になります。

建設業は、公共工事の受注量や資材価格で年ごとの付加価値額が振れやすい業種です。上限額の大きいほうへ計画を寄せるほど、達成しなければならない賃金水準も一緒に上がります。枠の大きさだけで型を選ぶと、3年後に効いてくる話になります。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

審査する側にいたころから、賃上げ要件は「同じ条件がどの制度にも付いている」と受け取られがちでした。実際には未達のときの扱いが制度ごとに分かれていて、中小企業省力化投資補助金でも一般型は返還、カタログ注文型は減額という違いがあります。どちらの型で出すかを決める前に、未達だったときに何が起きるほうを自社は受け止められるのか、そこから逆に見ていただくと迷いが減ります。

見積を依頼する前に確定させておく3つの数字

ここまでの内容を、機器を選ぶ前の作業に置き換えます。

1つめは、常時使用する従業員数です。これが決まらないと枠の実額が決まらず、投資額の上限も決まりません。同じ機種の見積でも、5人の会社と21人の会社では自己負担の残り方が変わります。

2つめは、その機械を何年、自社の名義で回すかです。効果報告と資産管理の期間を、通常の入れ替えサイクルと重ねて確認します。ここが合わないなら、補助金を使う対象を建機そのものではなく、周辺の計測・データ処理の側に寄せるという組み替え方もあります。

3つめは、年平均で伸ばせる付加価値額と、支払える賃金の水準です。労働生産性の目標も賃上げの目標も年平均で見るため、初年度に大きく伸ばしても後の年で落ちれば平均は下がります。受注量の振れ幅を持っている会社ほど、計画の数字は控えめに置いたほうが後で楽になります。

まとめ

ICT建機・測量機の導入に省力化補助金が使えるかどうかは、「対象の機械かどうか」より前に、枠の実額と保有の年数で輪郭が決まります。一般型は従業員5人以下で750万円から、カタログ注文型は5名以下で200万円からという段階になっており、報道や販売店の資料で見る最大値とは距離があります。そのうえで、一般型は複数設備の組み合わせや構成の作り替えが前提、カタログ注文型は登録製品と販売事業者との共同申請が前提です。

数字はいずれも2026年8月時点で公表されているもので、公募回ごとに改定されます。自社の従業員数と機種が固まった段階で、公募要領の最新版と突き合わせながら計画を組んでいくのが確実です。設備の選定と制度の選定を同時に走らせると条件の取りこぼしが出やすいため、順番を決めて進めることをご検討ください。

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フリーダイヤル 0120-335-523
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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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