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補助金を見込んだ資金計画表の作り方|支出と入金のズレを月ごとに見える化するステップ

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補助金を見込んだ資金計画表の作り方|支出と入金のズレを月ごとに見える化する手順

補助金を活用した創業や事業計画を考えているとき、資金計画表の作り方で最初に迷うのが「補助金をいつの列に入れるか」という点です。通常の資金繰り表は売上と仕入れ、固定費の予定を月ごとに並べるだけで作れますが、補助金が絡むと支出と入金のタイミングが大きくずれるため、同じ考え方では表が成立しません。

資金繰り表の一般的な作り方や様式の解説は他にも見つかりますが、補助金を見込んだ場合に「支出の列」と「入金の列」をどう分けて置くかまで踏み込んだ説明は多くありません。この記事では、既存の資金繰り表に補助金の要素を組み込むときの考え方を、3つのステップに分けて整理します。

結論:支出は交付決定後から、入金は実績報告のさらに後から

結論からお伝えすると、補助金を見込んだ資金計画表を作る際は「支出が始まる月」と「入金が入る月」を分けて考える必要があります。補助金は交付決定を受けた後でなければ対象となる支出を始められず、さらに入金は実績報告の提出よりも後の段階で発生します。つまり、資金計画表の中で支出の列と入金の列は同じ時期には並ばず、入金の列の方がかなり後ろに位置することになります。この位置関係を先に押さえておくと、表を作る順番で迷わなくなります。

以下では、この位置関係を踏まえて資金計画表を組み立てる手順を、ステップ1からステップ3の順に解説します。

ステップ1:支出が始まる月を決める

資金計画表づくりの最初の一歩は、支出が始まる月を決めることです。小規模事業者持続化補助金をはじめ、多くの補助金では、対象となる発注や契約、支払いを交付決定の前に行うことが認められていません。申請を出したらすぐに動き出せるわけではなく、交付決定の通知を受け取った後に初めて支出を始められる、という前提で表の列を作る必要があります。

この前提を資金計画表に反映するには、支出の列を「交付決定を受けた後」の時期から立てることが基本になります。交付決定の前に見積りを取ったり準備を進めたりすることは可能ですが、実際にお金が動く支出の列は、交付決定後からスタートさせておくと実態に近い表になります。

ここで注意したいのは、「申請書を提出した月」と「支出を始められる月」を同じ列に並べてしまうミスです。申請はあくまで入口であり、審査を経て交付決定の連絡を受けるまでの間は、補助金の対象になる支出を始める段ではありません。資金計画表の列を区切るときは、申請・審査の期間と、支出が始まってよい期間とをはっきり分けておくと、後から見返したときにも計画の前提がずれにくくなります。

自己負担分と補助金で戻ってくる分を分けて書く

補助金は後払いであり、事業を進める際にはいったん自己負担で費用を立て替える必要があります。そのため支出の列には、全額を一括で書き込むのではなく「自己資金や借入でまず払う分」と「後から補助金として戻ってくる予定の分」を分けて記載しておくと、どの月にどれだけの手元資金が必要になるかが見えやすくなります。この内訳を分けておくことが、次のステップで入金の位置を決める準備にもなります。

ステップ2:入金の月を一番後ろに置く

次に決めるのが、補助金の入金をどの列に置くかです。補助金は、事業を実施した後に実績報告書を提出し、その内容にもとづいて補助金額が確定し、請求の手続きを経て初めて交付されるという段階を踏みます。申請書を出した時点や交付決定を受けた時点では、まだ入金はされていません。

この段階を踏まえると、資金計画表の中で補助金の入金は、支出の列よりもかなり後ろに置くのが実態に近い組み方になります。具体的に何か月後に入金されるかは事業や審査の進み方によって変わるため、ここで月数を決め打ちするのではなく、「支出より後」「実績報告よりさらに後」という順序だけを表に反映させることが大切です。入金の列を一番後ろに置いておけば、それより前の期間を自己資金や他の収入でどう乗り切るかを検討する材料にできます。

この入金の列を後ろに置いた表を見ると、支出が始まる月から入金の列までの間に、何も入ってこない期間が続くことに気づきます。この期間をどう乗り切るかが、資金計画表を作る本来の目的です。手元資金や売上でまかなえる見通しが立つか、足りない月が出てくるかを、入金の列を後ろに置いた表の形で確認しておくことが、支出の列を決める段階よりも重要な作業になります。

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中野裕哲
V-Spiritsグループ代表 中野裕哲

弊社は、V-Spiritsグループ代表の中野裕哲を中心に、元補助金審査員の三浦をはじめとした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

ステップ3:採択版と不採択版の2パターンを作る

補助金には審査があり、申請をしても不採択になる可能性があります。そのため資金計画表は、採択された場合の1パターンだけで終わらせず、不採択だった場合のパターンも並べて作っておくことをおすすめします。

採択版では、ステップ1・ステップ2で整理した支出と入金の列をそのまま使い、事業の実施計画に沿って資金の動きを確認します。一方の不採択版では、補助金の入金そのものがない前提に組み替え、支出をどこまで自己資金や他の手段でまかなえるかを見ておきます。この2つを並べて確認しておくと、審査の結果がどちらに転んでも資金が尽きる月がないかを事前にチェックできます。

不採択だった場合に何を見直すか考えておく

不採択版を作る目的は、悪い結果を想定して不安になることではなく、支出の規模や時期を見直す余地があるかどうかを確認することです。不採択版の表を見て資金がもたない時期が出てくるなら、その支出を後ろにずらせないか、規模を小さくできないかを検討する材料になります。2パターンを比べることで、補助金の採否にかかわらず事業を続けられる計画かどうかを確認しやすくなります。

2つの表は、どちらか一方だけを信じて進めるためのものではありません。採択版を基本の計画として置きつつ、不採択版を手元に置いておくことで、審査の結果が出る前から「どちらでも事業を続けられる状態」を目指して準備を進められます。資金計画表を一度作ったら終わりにせず、申請の進み具合に合わせて見直していく前提で扱うとよいでしょう。

三浦高

💬 執筆者の三浦から一言

資金計画表は、支出の開始月・入金の月・採択と不採択の2パターンという順番で組み立てると、全体が整理しやすくなる印象があります。先に入金を当てにして考えてしまうと表がぶれやすいので、支出から決めていく順番を意識しておくと、見直しもしやすくなるはずです。作る順番を変えるだけでも、表の説得力は変わってくると感じています。

まとめ

補助金を見込んだ資金計画表は、通常の資金繰り表とは異なり、支出と入金の月が一致しません。支出は交付決定を受けた後から始まり、入金は実績報告を提出したさらに後の段階で発生します。この位置関係を先に決めたうえで、支出が始まる月、入金を置く月、そして採択版と不採択版の2パターンという順番で表を組み立てていくと、作成の途中で迷いにくくなります。

まずは自分の事業で支出が始まる月の見当をつけ、入金の列を一番後ろに置いた表のたたき台を作ってみることから始めてみてください。

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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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