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コラム

補助事業期間の資金繰り表の組み方|生活費と返済まで入れて月ごとに見る方法

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補助事業期間の資金繰り表は月ごとに作る:支払いの山と入金月のズレを仮の数字で確認

補助金に採択されても、お金が口座に入るのは事業を終えて実績報告をしたあとです。その間は、発注代金の支払いも、毎月の家賃や既存の借入返済も、生活費も、自分の口座から出ていきます。開業1〜2年目の個人事業主は、事業のお金と生活のお金を同じ口座感覚で回していることが多く、支払いが重なる月に残高が足りなくなりやすい時期です。

この記事では、補助事業期間の資金繰り表を、仮の数字を使って月ごとに組んでみます。支払いが集中する月の見つけ方と、補助金の入金月をどこに置くかを、表で確認してください。

表を作る前に決めておく起点と終点

補助事業期間の表は、いつから始めていつまで見るかを先に決めます。ここがずれると、表の数字が実際の口座と合いません。

起点は、交付決定日です。小規模事業者持続化補助金では、交付決定日より前に行った発注・契約・支払いは補助の対象外とされています。採択通知が届いただけでは、事業は始められません。表の補助事業の支払いは、交付決定日以降の月だけに置きます。

終点は、事業実施期限です。小規模事業者持続化補助金の第20回では、事業実施期限が2028年3月31日、実績報告書の提出期限が2028年4月10日です。見積書等の提出期限は2028年2月29日で、採択発表は2027年3月頃の予定です。発注から支払いまでをこの期限の内側に収める必要があるため、表の最後の支払い月は期限から逆算して決めます。

もう1つ決めておくのが、補助金が入る月です。補助金は先に自分で支払い、実績報告のあとに入る後払いです。入金の月は事務局の処理で動くため、表では確定した月として置かず、早い想定と遅い想定の2通りを並べます。

出典は、小規模事業者持続化補助金の第20回公募(一般型・通常枠、公募要領第8版・2026年7月21日改版)の時点の情報です。制度は改定されることがあるため、申請前に最新の公募要領や事務局、Jグランツの案内で必ず確認してください。

資金繰り表に入れる行は、事業と生活を分けずに並べる

一般的な資金繰り表は、事業の入金と出金だけを並べます。個人事業主の補助事業期間では、次の行を同じ表に入れます。

  • 事業の入金(売上として口座に入る額)
  • 事業の支出(仕入・外注、家賃、通信費など)
  • 既存の借入の返済
  • 生活費(家賃を事業と分けていないなら、その分も含めて考えます)
  • 補助事業の支払い(発注した設備や広報の代金)
  • 補助金の入金
  • 月末の口座残高

生活費と返済を入れる理由は、補助事業の支払いが済んだあとも、実績報告から入金までの空白の月に、それらが毎月出ていくからです。事業のお金だけで表を組むと、空白の月の残高が実際より多く見えます。

仮の数字で、実施期間の月次表を組んでみる

ここからは、すべて仮の数字(例)です。実際の売上や経費ではなく、考え方を見るための数字として読んでください。

前提は次のとおりです。開始時点の口座残高は50万円。毎月の事業の入金は50万円。事業の支出(仕入・外注15万円、家賃・通信費8万円、借入返済5万円)は合計28万円。生活費は20万円。毎月の増減は差し引き2万円です。補助事業は、設備40万円と広報費20万円の合計60万円とします。補助率を2/3とすると、補助額は40万円になる計算です。持続化補助金の通常枠の上限は50万円(インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方で最大250万円)で、補助率は2/3(赤字事業者の賃金引上げ特例は3/4)です。この例は通常枠の上限の内側に収めています。

設備は3か月目、広報費は5か月目に支払う想定で、実施期間を仮に6か月、7か月目を実績報告の月とします。

月(仮) 事業の入金 事業の支出 生活費 補助事業の支払い 月末残高
1か月目 50 28 20 0 52
2か月目 50 28 20 0 54
3か月目 50 28 20 40(設備) 16
4か月目 50 28 20 0 18
5か月目 50 28 20 20(広報費) 0
6か月目 50 28 20 0 2
7か月目(実績報告) 50 28 20 0 4

単位は万円、すべて仮の数字(例)です。この例では、設備と広報費の支払いを3か月目と5か月目に分けたため、残高の最小は5か月目の0円で済んでいます。もし2つを同じ3か月目にまとめて60万円払うと、3か月目の月末残高は54万円に2万円を足して60万円を引いた、マイナス4万円になります。支払いの月を1つ動かすだけで、残高の最小が変わります。

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中野裕哲
V-Spiritsグループ代表 中野裕哲

弊社は、V-Spiritsグループ代表の中野裕哲を中心に、元補助金審査員の三浦をはじめとした専門家チームが補助金支援を行っております。「このケースは補助金の対象になるのか?」といった疑問にも、無料でお答えしております。お気軽にご相談ください。

入金が遅れる月に、同じ表がどう変わるか

実績報告のあとは、補助金が入るまで支払いの出ない空白の月が続きます。ここでは、8か月目と9か月目に売上が落ちたと仮定します。事業の入金が35万円になり、事業の支出と生活費の合計48万円との差で、毎月13万円ずつ減る想定です。補助金40万円の入金は、早い想定を9か月目、遅い想定を11か月目に置きました。

月(仮) 事業の入金 事業の支出と生活費 補助金の入金 月末残高(早い想定) 月末残高(遅い想定)
8か月目 35 48 なし -9 -9
9か月目 35 48 早い想定で40 18 -22
10か月目 50 48 なし 20 -20
11か月目 50 48 遅い想定で40 22 22

単位は万円、すべて仮の数字(例)です。8か月目は補助金の入金がどちらの想定でも間に合わず、残高が-9万円になります。遅い想定では、-22万円まで下がります。この表から分かるのは、補助事業の支払いが終わった月ではなく、入金前の空白の月に残高の底が来る場合があるということです。入金月が確定していない間は、遅い想定の最小残高を、手元に用意しておく額の目安にします。

残高がマイナスになった月の見直しの順番

表でマイナスが出たら、次の順で見直します。

  1. 補助事業の支払いの月をずらせないかを見ます。実施期間の内側であれば、発注と支払いの月を分けて、山を低くできます。
  2. 支払いの時期を、取引先に相談できないかを見ます。ただし、交付決定後で、事業実施期限の内側に支払いを終える必要があります。支払いは銀行振込が原則で、1取引10万円超(税抜)の現金払いはできません。
  3. 補助事業の経費の内容を見直します。単価50万円(税抜)を超える機械装置等や、50万円(税込)を超える発注は、2者以上の相見積が必要です。経費を絞ると、立替の額も小さくなります。
  4. それでも不足が残る場合は、借入で補うかどうかを検討します。融資の可否や時期は金融機関の判断になるため、不足が見えた時点で早めに相談します。

月をずらすときは、最後の支払いが事業実施期限を超えていないかも合わせて確認してください。

三浦

💬 執筆者の三浦から一言

表を作る順番は、先に交付決定日を確認し、その日付より前の欄をすべて空にしておくことです。発注と支払いの日付が交付決定日より前に入ると、その分は補助の対象になりません。支払いの山を動かす相談は、交付決定の通知を受けてから始めると話が早く進みます。

毎月の更新は、予定を実績に入れ替えるだけでよい

表は一度作って終わりではありません。月末に、予定の欄を実際の入出金に入れ替えます。入れ替えるのは、事業の入金、補助事業の支払い日、実際の口座残高の3つです。予定とのずれが大きい月は、その後の月の残高も作り直します。

補助事業の支払いは、見積書、発注書、請求書、振込の控えなどをそろえておく必要があります。実績報告で使う書類は、公募要領で確認し、支払いの都度、まとめておくと報告の月が楽になります。

判断に迷うときの相談先

実施期限や対象になる経費、支払い方法の細かい取り扱いは、公募要領と事務局の案内が基準です。分からない点は、申請を支援している商工会・商工会議所や、事務局の窓口に早めに問い合わせてください。補助金を受け取ったときの税の扱いは、税理士に確認します。

まとめ

補助事業期間の資金繰り表は、交付決定日を起点に、事業実施期限を終点にして、事業と生活を同じ表に並べて組みます。支払いの山は発注と支払いの月をずらすと低くなり、残高の底は入金前の空白の月に来る場合があります。入金月は早い想定と遅い想定の2通りで置き、遅い想定の最小残高を用意しておく額の目安にします。表の数字は仮のものなので、自分の売上と経費に置き換えて作ってみてください。

よくある質問

採択通知が届けば、補助金はすぐに入りますか?

入りません。補助金は、事業を行い、実績報告をしたあとに入る後払いです。採択通知のあとに交付決定があり、その日以降に発注と支払いを行います。

資金繰り表はいつから作ればよいですか?

採択が分かった時点で作り始めます。交付決定日が分かってから、支払いの月と入金の想定月を入れて作り直します。

実績報告から入金までの空白は、どのくらいと置けばよいですか?

この記事の表は、仮に2か月と4か月で置いた例です。実際の期間は公募回や処理の状況で変わるため、事務局の案内を確認し、表では早い想定と遅い想定を並べて見ます。

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フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

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中野裕哲

この記事を監修した人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1,000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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