
事業計画における「人の配置」を考える:誰がどの業務を担当するのか
今回も引き続き、**「事業計画」**について解説していきます。
今回のテーマは、
「誰がどの業務を担当するのか」
いわゆる 人の配置(人員計画) です。
起業相談の現場では、
-
売上計画は作っている
-
商品やサービスも決まっている
一方で、
「人の話になると一気に曖昧になる」
というケースが非常に多く見られます。
ですが、ズバリ言います。
事業計画において「人の配置」は、数字以上に現実を左右します。
目次
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事業計画と「人の配置」の重要性
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中小企業経営と「人」の関係
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会社内での主な業務区分
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起業時に検討すべき人員計画のポイント
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人員計画と資金調達のバランス
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専門分野はアウトソーシングも検討を
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V-Spiritsの財務顧問サービスのご案内
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よくある質問(FAQ)
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無料相談のご案内
事業計画と「人の配置」の重要性
なぜ人員計画が事業計画に不可欠なのか
事業はよく
「ヒト・モノ・カネ」
で成り立つと言われます。
この中で、創業期・中小企業において
**最もコントロールが難しく、かつ影響が大きいのが「ヒト」**です。
なぜなら、
-
人は感情を持つ
-
得意・不得意がある
-
休む・辞める可能性がある
からです。
事業計画で人の配置を考えるとは、
単に「人数」を決めることではありません。
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誰が意思決定をするのか
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誰が売上を作るのか
-
誰が管理を担うのか
を役割として明確にすることです。
ここが曖昧なまま事業を始めると、
-
社長が現場から離れられない
-
管理業務が後回しになる
-
トラブルが起きてから慌てる
という状態に陥りやすくなります。
中小企業経営と「人」の関係
中小企業は「人」で決まる
中小企業を経営するということは、
**「その会社で働く人がいる」**ということです。
それは必ずしも、
「たくさんの従業員がいる」という意味ではありません。
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社長一人
-
社長+配偶者
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数名のアルバイト
このような体制でも、立派な中小企業です。
重要なのは、
その人たちが、何を期待されているのかです。
人には必ず「向き・不向き」がある
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営業が得意な人
-
数字を見るのが苦手な人
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コツコツ作業が得意な人
これを無視して、
「人が足りないから、とりあえず全部やってもらう」
という体制を作ると、
長期的には必ず無理が出ます。
事業計画では、
**理想論ではなく「現実にできる配置」**を考えることが重要です。
会社内での主な業務区分
業務は整理して考える
会社の業務をすべて書き出すと、
驚くほど多岐にわたります。
そのため、事業計画では
業務を大きなカテゴリーに分けて整理します。
経営陣
社長・役員(取締役など)
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経営方針の決定
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資金調達
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対外的な責任者
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重要な意思決定
特に社長は、
「自分がやらなければならない業務」と
「任せられる業務」
を意識的に分ける必要があります。
管理部門
財務・経理・法務・製品管理など
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お金の管理
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契約・法令対応
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在庫・製品管理
売上を直接生みませんが、
会社を守る役割を担います。
営業部門
店頭スタッフ・販売営業・仕入営業など
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売上を作る
-
顧客と接点を持つ
この部門が弱いと、
どんなに良い商品があっても売上は立ちません。
現場部門
作業スタッフ・職人・ドライバーなど
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商品・サービスの提供
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品質の維持
現場が回らなければ、
クレームや信用低下に直結します。
単純作業者
伝票整理・発送業務など
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専門性は低い
-
しかし時間を取られる
ここを誰がやるかで、
社長の時間の使い方が大きく変わります。
起業時に検討すべき人員計画のポイント
起業時は「全部そろえない」が正解
起業時には、次のような点を具体的に検討します。
どの部門に何人必要か
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今すぐ必要な人
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売上が伸びたら必要な人
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当面不要な人
時間軸で考えることが重要です。
雇用形態の選択
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正社員
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アルバイト
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業務委託
創業期に正社員を増やしすぎると、
固定費が一気に重くなります。
人件費・採用コスト
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給与
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社会保険料
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採用広告費
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教育コスト
人を雇う=給与だけではない
という点を忘れないでください。
アウトソーシングの検討
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内製すべき業務
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外注した方が効率的な業務
ここを整理することが、
事業計画の完成度を高めます。
人員計画と資金調達のバランス
人件費は最大の固定費
人件費は、
一度発生すると簡単には減らせない固定費です。
そのため、事業計画では必ず、
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想定売上
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融資額
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自己資金
と人件費を照らし合わせます。
創業当初から人件費をかけすぎると、
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売上が少しズレただけで赤字
-
資金繰りが急速に悪化
という事態になりかねません。
無理がある場合は、
**人事計画を見直すことは「失敗」ではなく「正しい判断」**です。
専門分野はアウトソーシングも検討を
管理部門は外注が現実的
特に、
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財務
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経理
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法務
といった分野は、
創業期に社内で抱える必要はありません。
アウトソーシングを活用することで、
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固定費を抑えられる
-
専門家の知見を使える
-
社長が本業に集中できる
という大きなメリットがあります。
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創業期こそ、
「人を増やす前に、専門家を使う」
という視点を持ってみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 創業時は社長一人でやるべきですか?
A. 一人で抱え込む必要はありません。外注・アルバイトを上手く使いましょう。
Q2. 人件費の目安はありますか?
A. 業種差はありますが、固定費が重くなりすぎないことが最優先です。
Q3. いつ正社員を増やすべきですか?
A. 売上と業務量が安定してからが基本です。
【無料相談のご案内】
弊社では、中野裕哲を中心とした
起業コンサルタント®、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、
中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員などの
専門家チームが一丸となり、起業支援・経営支援を行っております。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























