いまさら聞けない「連帯保証人」ってなに？──気軽に言えない、でも後で大きな責任になるかも

「連帯保証人」という言葉、契約書に何気なくサインしがちですが、実はものすごく重たい責任が伴う約束。今回は、「本当はどういう立場なのか」「引き受ける前に何を確認すればいいのか」を、やさしい言葉で整理しました。

① 連帯保証人ってどんな人？

連帯保証人とは、借りた本人が返済できなかったときに、代わりに返す責任を背負う人です。借りる人とまったく同じ立場で、返せなかったらあなたが全部返さなければいけません。

しかも、主な借りた人が先に返せなかった理由を説明したり、待ってもらったりする“お願い”をすることができません。つまり、突然、全部の返済を求められることもあるのです。

② どんな契約で使われることが多いの？

• アパートやマンションの賃貸契約

• 高額な融資（たとえば住宅ローンや設備ローン）

• 車のローンや創業融資など

最近は、保証会社を使えば連帯保証人が要らない契約もありますが、まだまだ要求されることも多いです。

また、日本政策金融公庫の一部の創業融資制度など、連帯保証人なしでも借りられるものもあります。

③ 普通の保証人との違いは？

連帯保証人は、本人と同じくらい責任が重く、自分でなんとかしないといけない立場です。

④ 引き受けるとどんなことが起こる？

• 請求が来たら、確実に支払わなくてはいけない
  　本人が返せなくなると、あなたに全額の返済請求が来る可能性があります。

• 貯金や給料などが差し押さえられるかもしれない
  　支払いできない状況になると、あなたの預金や給料に影響が出るリスクもあります。

• 本人が破産しても責任は消えない
  　本人が免除されても、連帯保証人の責任は残ります。

• 保証できる上限が書かれていない場合もある
  　法改正で「保証できる金額の上限を契約書に書く」ルールができましたが、実際に上限がないままだと無限に返済を請求される危険があります。

⑤ 連帯保証人になっていい人の条件って？

一般的には、

• 安定して収入がある

• 預金などの資産がある

• 家族や友人など信頼できる人

• 日本在住の成人である（未成年や破産者は難しい）

などが前提です。

ただ、断れることもあります。引き受ける前にいくつか確認したいことを紹介しますね。

⑥ 引き受ける前に確認したいこと

1. 「返済限度額」が決まっているか？
   　契約書に、いくらまで負担するか数字で明記されているか確認。

2. 自分が先に請求される仕組みか？
   　本人が支払えないとき、あなたのところにすぐ請求が来るかどうかをチェック。

3. 返せるかどうか自分で判断する
   　今ある預金や収入で、本当に支払えるか考えてみましょう。

4. 保証会社を使える選択肢はないか？
   　連帯保証人が不要になる制度がある場合、それと比較を検討。

5. 専門家に相談できるか？
   　不安なときは、弁護士や司法書士に契約内容のチェックを頼むのが安心です。

まとめ：軽い気持ちで引き受けないことが、自分を守る第一歩

連帯保証人は、借りた人のために引き受ける責任が大きすぎます。一度契約すると、請求があったらすぐに返済義務を果たさなければなりません。

だからこそ、契約前に内容をよく確認し、自分にとって安全かどうかを判断することが大切です。

• 責任範囲を明確にする

• 自分の支払い能力を整理する

• 他の選択肢があるなら比較する

• 専門家に事前相談する

こうしたステップを踏むことで「知らずに後悔」せずに済みます。