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コラム

会社経営における属人化とは?

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属人化(ぞくじんか)とは、業務やノウハウが特定の社員の頭の中だけにある状態を指します。
「うちのあの社員がいないと仕事が回らない……」
「社長しか交渉できない」など、まさに特定の人がいないと回らない仕組みは、会社の成長を阻む重石になりえます。

属人化を放置すると、社員の離職、怪我、妊産休、急な退職などによって業務が立ち行かなくなるリスクが高まり、経営の安定性・継続性に大きな影がさします
それを踏まえて、今回は「属人化を防ぐ・解消するための実践的ステップ」をご案内します。


① 業務リストと関与者を可視化する

まずは、全社の業務一覧をつくります。
営業・採用・財務・顧客対応・製造など、部署ごとに以下を整理してください。

  • どんな仕事があるか?

  • その業務は誰が担当しているか?

  • その仕事ができる人は他にいるか?

これをホワイトボードや用紙にまとめるだけでも、属人化のポイントが見えてきます。


② マニュアル・チェックリストの整備

可視化ができたら、次は言語化と図式化の段階です。
具体的には:

  • 標準業務マニュアル:フロー図や具体的手順、「ポイント」「落とし穴」「参考資料」の添付など

  • チェックリスト:営業報告書・経費申請・メール定型など、漏れを防ぐために

  • 業務分担表:Who does何を?Who consults?Who approves?を明示し、責任範囲を共有

この時、「できる人」に聞きながら作ることで、現場の実態も反映できます。


③ 教育・OJT制度で知識と経験を共有

マニュアルやチェックリストだけではなく、教えられる文化と時間を確保する仕組みが不可欠です

  • OJT担当者の選定:経験豊富な人が週1回、新人の進捗をサポートする時間を取る

  • ローテーション制度:半年ごとなど、複数の業務を経験することで属人化抑制に貢献

  • 勉強会・動画の共有:Zoom/Teams/Slackなどで記録・共有する習慣をつけましょう


④ システム化・デジタル化で属人性に頼らない体制に

Excelや紙が主な運用の場合、属人化は顕在化しやすいです。改善策は:

  • SaaSサービスの導入:(例)kintone、freee人事労務、Slack、Notion

  • テンプレート共有(クラウド型ファイル):チェックリストやマニュアルなどを共通フォルダに保管

  • 自動化・ルーティン化:SlackリマインダーやGoogle Formで、業務の抜けを防ぐ


⑤ 定期的なレビューで「属人化チェック」をルーチン化

可視化・仕組み化ができたら、「属人化していないか?」をチェックする習慣を。

  • 月1回の部門ミーティングで業務評価:○○さんの唯一の業務は?誰がカバーできるか?

  • 半年ごとに業務棚卸レビュー:新しい業務やルールはマニュアルに反映されているか?

  • 人事評価にも反映:マニュアル作成・OJTを行った人には評価ポイントを付けましょう

こうした文化が根付くことで、自然と知識と経験が複数人に広がります。


⑥ 社長・経営者の属人化も見直しを

実は多くの中小企業で、社長が属人化の中心になっているケースがあります。

  • 社長しか実務を知らない

  • 重要決裁を一人で抱えている

こうした「オーナー属人化」も、将来の継承やIPOを考えるなら避けたいポイント。
定期的な意思決定ルール経営情報の共有体制をつくり、複数視点で意思決定できる組織を目指しましょう。


おわりに:属人化を解消して会社の体力を整える

属人化は「見えない経営リスク」です。けれど、正しく可視化し、仕組みと文化に落とし込むことで、安定して長く続く会社に近づきます。

ポイントは以下の5つです:

  1. 業務の可視化と関与者の整理

  2. マニュアル・チェックリストの整備

  3. OJTやローテーションによる知識共有

  4. システム/クラウド活用でデータと手順を標準化

  5. 定期レビューと経営者自身の属人化チェック

この5ステップが、あなたの会社を「もしものときも滞らない組織」に変えてくれます。
「どこから手をつければ良いか分からない……」という場合でも、ヒアリングからの支援も可能ですので、お気軽にご相談くださいね。


【無料相談のご案内】

弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
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フリーダイヤル 0120-335-523
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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