
「日本政策金融公庫の創業融資では、個人信用情報は見られないって聞きましたけど、本当ですか?」
こんなご質問をいただくことがあります。
ネット上にはさまざまな情報が飛び交っていますが、ここではズバリ、実務経験に基づいて真実をお伝えいたします。
結論から申し上げます。
公庫の創業融資でも、個人信用情報は審査の参考として“見られます”。
「見ない」と断言している情報は、誤解を招くか、
あるいは部分的な事実だけを切り取ったものと考えられます。
だいぶ以前の扱いを噂で聞いたのかもしれません。
では、なぜこのような誤解が生まれるのでしょうか?
そして、実際にはどのように信用情報が扱われているのでしょうか?
詳しく解説してまいります。
「信用情報は見ない」というウワサの真相とは?
確かに、公庫は銀行や消費者金融とは異なる立場の金融機関です。
日本政策金融公庫の創業融資は、起業支援が目的であり、
「無担保・無保証」での貸付も多いため、
「審査が甘い」「信用情報は見られない」といったイメージが広まりがちです。
しかし、これは完全な誤解です。
実際には、公庫も個人信用情報を確認しており、
申込書にも「信用情報を照会することがあります」という文言が記載されています。
つまり、「必要に応じて見ている」のです。
公庫が見るのは“あなたの信頼力”
創業融資の審査で重視されるのは、単なる書類上の数値ではありません。
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あなたがこれまでどのようなお金の付き合い方をしてきたか
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約束(返済)を守れる人かどうか
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創業後、安定して事業を続けていける人かどうか
こういった「人物評価」が、創業融資では極めて重要です。
その評価材料のひとつとして、個人信用情報が使われているのです。
具体的に見られる信用情報とは?
公庫が確認する可能性がある情報には、以下のような項目があります。
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クレジットカードの契約状況と支払履歴
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カードローン・自動車ローンなどの借入状況
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延滞・滞納の有無(過去5年間分が記録)
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消費者金融やリボ払いの利用状況
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債務整理(任意整理・個人再生・自己破産など)の記録
この情報は、主にCICやJICCという信用情報機関に保管されており、
公庫もこれらを照会できる仕組みになっています。
「審査に落ちやすい」パターンとは?
では、どのようなケースが信用情報上、審査にマイナスになりやすいのでしょうか?
① 長期延滞や強制解約が記録されている
たとえば、携帯電話の分割払いの未納、クレジットカードの延滞などが過去にあると、
「返済能力に不安あり」と見なされる可能性があります。
② 多重債務状態にある
複数の金融機関やカードローンから同時に借入していると、
「資金管理に難あり」と判断されるリスクがあります。
③ リボ払いの利用が過度に多い
毎月の支払いを先送りにするリボ払いが多用されていると、
計画的なお金の使い方に疑問を持たれる場合があります。
審査に通すための“信用情報対策”とは?
では、信用情報に不安がある方は、どうすればよいのでしょうか?
まずは次のステップを踏んでみてください。
① 自分の信用情報を確認する
CIC(https://www.cic.co.jp/)などから、
スマホや郵送で信用情報の開示が可能です。まずは現状を正しく把握しましょう。
② 延滞を解消し、6〜12ヶ月健全に支払い続ける
信用情報は“更新”されます。延滞があっても、
一定期間きちんと支払い続ければ、評価は改善されていきます。
③ 借入件数を整理する
無駄なカードローンを返済し、
借入先を減らすことで、信用力は上がります。
「信用情報に不安があるから」と諦めないで!
重要なのは、「信用情報に傷があるか」よりも、
「今後、信頼される返済者になれるか」です。
創業計画が明確で、熱意と現実性があり、
生活基盤も安定している方であれば、
たとえ一部にマイナス要素があっても、十分に融資を通せる可能性はあります。
特に、創業支援に精通した税理士と一緒に事業計画を整えておくことで、
「リスクを超える信頼」を構築することも可能です。
おわりに──融資成功は「信用×計画」で決まる
「信用情報を見られるなら、もうダメかも…」と落ち込む必要はありません。
信用情報は、変えられます。整えられます。
そして、何より、「事業で信頼を築くこと」が創業融資成功の最大のカギです。
あなたの夢を現実にするために、まずは現状を正しく知り、
できることから一歩ずつ準備を始めましょう。
小さな不安も、専門家と一緒に乗り越えられます
「この程度のことで相談してもいいのかな…」と思うような不安こそ、実はとても大事なサインです。
信用情報、事業計画、資金繰り……すべてを一人で抱え込む必要はありません。
経験豊富な専門家と一緒に準備を進めれば、不安は“自信”に変わります。
あなたの未来の一歩を、着実で安心なものにするために。
どうぞ、お気軽に声をかけてくださいね。
起業という挑戦、心から応援しています!