
学歴と起業の成功があまり関係ないワケとは?
起業の相談を受けていると、こんな声をよく耳にします。
「私は高学歴じゃないので、経営者としてやっていけるか不安です」
「逆に一流大学を出ているから、起業もきっと成功できるはず」
ズバリ言います。学歴と起業の成功は、ほとんど関係ありません。
確かに高学歴は一定の知識や人脈を得やすいメリットがありますが、それがそのまま起業の成果に直結するわけではないのです。
1. 学歴と起業成功を分ける要素
起業は学力テストではありません。
成果を左右するのは、市場で価値を生み出す力です。
代表的な要素としては…
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行動力:アイデアを思いつくことができ、それをすぐに形にし、改善できるか
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継続力:成果が出るまで粘れるか
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柔軟性:環境や顧客の変化に適応できるか
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営業・マーケティング力:売上を生み出せるか
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人脈構築力:協力者や顧客との関係を築けるか
これらは学歴の有無とは直接リンクしません。
2. 高学歴でも失敗する理由
① 完璧主義が行動を遅らせる
高学歴の人ほど、リスク分析や計画に時間をかけすぎて行動が遅れるケースがあります。
起業の現場では、スピード感が命です。
② 学問と市場のギャップ
理論や知識は豊富でも、それが顧客のニーズに合わなければ売上にはつながりません。
③ 組織の看板に頼れない
大企業や有名大学のブランドが通用しない環境で、自分の名前だけで信頼を築く必要があります。
3. 学歴が低くても成功する理由
① 行動の速さ
学歴コンプレックスをバネに、まず動いて結果を出す人が多い。
市場の反応を見ながら修正できるのは強みです。
② 現場感覚が磨かれている
若いうちから現場仕事や営業経験を積んでいるケースが多く、顧客心理をつかむのが上手い。
③ リスク耐性が高い
失敗を恐れず挑戦できる気質を持つ人が多く、逆境に強い。
4. 実際の事例
高学歴で失敗
有名大学卒業後、大手企業に勤務していたAさん。
完璧な事業計画を作り込んだが、実際の市場反応が悪く半年で撤退。
学歴なしで成功
中卒で工場勤務をしていたBさん。
副業で始めたネット販売がヒットし、3年で年商2億円の会社に成長。
5. 学歴より大切な「学習力」
学歴は過去の成果証明に過ぎません。
起業で重要なのは、環境に応じて学び続ける力です。
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失敗から学び、次に活かす
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知識や記憶ではなく、アイデアを考える力が重要
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他人の成功事例を自分の状況に応用
この「学習力」があれば、学歴の壁は簡単に越えられます。
6. 学歴よりも影響が大きい要因
① メンターや仲間の存在
良い師匠や仲間がいれば、学びも成長も加速します。
② 市場選び
どれだけ優秀でも、市場のタイミングや規模を間違えると成果は出ません。
③ 資金と資源の活用力
少ない資源で最大の効果を出せる人は強い。
7. 学歴に関係なく成功するためのステップ
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小さく始める:大きな投資より、低リスクのテストマーケティング
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早く動く:机上の空論より市場での検証
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失敗を許容:失敗は成功へのデータ収集と捉える
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継続学習:本、セミナー、現場経験から常に吸収
まとめ
学歴は起業のスタートラインに影響を与えることはあっても、ゴールまでの道筋を決めるものではありません。
経営者として大切なのは、行動・適応・継続・学習の4つです。
高学歴でも低学歴でも、これらを意識して鍛えれば、成功確率は確実に高まります。
だからこそ、学歴の有無に悩む時間があれば、一歩でも多く市場に踏み出すことが重要です。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。